catch-img

社員が育つ!中小企業のためのコーチングスキル実践ガイド【信頼関係・育成・離職防止】

人間関係のトラブルが増え、離職が止まらない——。

その要因のひとつは「上司との関係性」にある、と感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事はコーチング的な関わり方を上司に教えたいけれど、どこから手をつけるべきかわからない中小企業の人事・教育担当者に向けた実践ガイドです。

信頼関係を築き、部下が自ら考え行動する組織づくりを目指すために、コーチングスキルの基本と導入のポイントをわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.コーチングスキルとは?
  2. 2.社員のコーチングスキルを高めるメリット
    1. 2.1.①社員のリーダーシップ強化につながる
    2. 2.2.②職場の課題を解決しやすくなる
    3. 2.3.③人間関係がより良くなる
  3. 3.コーチングの実践に必要な5つのスキル
    1. 3.1.①傾聴力(相手の言葉の裏側まで聴く力)
    2. 3.2.②質問力(気づきを促すクエスチョン)
    3. 3.3.③承認力(行動や存在を認めるコミュニケーション)
    4. 3.4.④フィードバック力(前向きな振り返りを促す)
    5. 3.5.⑤リクエスト力(期待や要望を明確に伝える力)
  4. 4.まとめ
  5. 5.社員教育にSAKU-SAKU Testingがおすすめ

コーチングスキルとは?

コーチングスキルとは、相手の目標達成や課題解決を支えるために、対話を通じて気づきを引き出す力のことです。

答えを教えるのではなく、相手が自分で答えを見つけられるように導くのが特徴です。似た言葉に「ティーチング」がありますが、ティーチングは正解を伝えてすぐに解決へと導く方法です。コーチングは時間がかかるものの、自立的に考え行動できる人を育てるのに向いています。

特に中小企業では、一人ひとりが多くの役割を担うため、自ら動ける社員が必要です。コーチングスキルは、上司と部下の信頼関係を育み、辞めにくく、育ちやすい職場づくりにもつながる大切な力です。組織全体でコーチングスキルを高めることができれば「人が辞めない」「人が育つ」環境づくりにつながります。

社員のコーチングスキルを高めるメリット

社員一人ひとりがコーチングスキルを身につけると、組織全体に前向きな変化が生まれます。ここでは、その主なメリットを3つご紹介します。

①社員のリーダーシップ強化につながる

コーチングスキルは、リーダーシップを育てるうえで必要な能力のひとつです。対話を通じてメンバーの主体性を引き出し、自ら課題を見つけて動けるように導くことができるため、自然と周囲をまとめる存在へと成長していきます。

また、メンバーへのヒアリングや目標設定やモチベーションの支援など、リーダーに求められる力の多くは、コーチングスキルと共通しています。スキルを身につけることで、自立した人材が育ち、次世代のリーダーも社内で育成できるようになります。

②職場の課題を解決しやすくなる

コーチングスキルは、職場で起こるさまざまな課題の解決に役立ちます。
コーチングスキルがあれば、相手の気持ちを丁寧に聴き出し、自分の中にある希望や目標に気づかせることができます。この力は、職種にかかわらず人と関わるすべての場面で活かせるものであり、職場内の対人関係や、業務改善のヒントを得る手段としても有効です。

③人間関係がより良くなる

コーチングスキルをもつ人が増えると、職場全体の人間関係がやわらかく、話しやすい雰囲気に変わっていきます。相手を否定せずに話を聴く姿勢があると、「この人なら本音を話しても大丈夫」と周囲からの信頼も高まります。

上司だけでなく、社員一人ひとりが自立した思考と対話力をもつことで、相談しやすく、協力し合えるチームが育ちます。日々のコミュニケーションの質が上がることは、結果的に組織全体のチームワークの強化にもつながるのです。

コーチングの実践に必要な5つのスキル

ここからはコーチングの実践をするうえで、重点的に伸ばしたい5つの力を紹介します。

これらのスキルを高めることで、上司と部下の信頼関係が深まり、一人ひとりが自立し、自ら動ける人材が育っていくはずです。

①傾聴力(相手の言葉の裏側まで聴く力)

傾聴力とは、相手の話にただ耳を傾けるのではなく、その奥にある感情や価値観、考え方まで深く理解しようとする力のことです。コーチングでは「答えは相手の中にある」と考えるため、表面的なやりとりではなく、じっくり話を聴く姿勢が求められます。
カウンセリングにも用いられるこのスキルでは、うなずきや相づちを交え、相手が話した言葉をそのまま繰り返す「バックトラッキング」も効果的です。相手が話しやすいと感じると、自然と本音や思考のクセ、課題までも見えてくるようになります。 信頼関係を築く土台として、傾聴は最も基本であり、最も奥深いスキルです。

【傾聴力の習得ポイント】
相手の話を途中で遮らないように意識し、相手の表情や声のトーン、仕草にも注意を向けます。温かいまなざしと落ち着いたうなずきが、相手の安心感につながります。

②質問力(気づきを促すクエスチョン)

コーチングでは、相手の中にある答えを引き出すために、「質問力」が重要な役割を果たします。ただ指示を出すのではなく、相手が自分で考え、行動できるように導くのが目的です。
特に効果的なのが、5W1Hを使った「オープンクエスチョン」です。たとえば「今の仕事で何を達成したい?」「どんな壁があると思う?」といった問いかけが、相手に深い気づきをもたらします。

一方で、「いつ終わるの?」「なぜやってないの?」といった問いは、詰問になりやすいため注意が必要です。質問の仕方ひとつで、相手の思考は広がることも、閉じてしまうこともあることを意識しておきましょう。

【質問力の習得ポイント】
答えを誘導しないように意識し、「教える」のではなく「気づかせる」質問を心がけましょう。質問ごとの目的や効果を事前にイメージしておく必要があります。

③承認力(行動や存在を認めるコミュニケーション)

承認力とは、相手の行動や努力、さらには存在そのものを認める力のことです。コーチングにおける「承認」は、単なる成果の評価ではなく、「あなたの頑張りを見ているよ」「その行動は周囲に良い影響を与えているよ」と伝えることで、相手に安心感と自信を与えるコミュニケーションです。

承認には「行動承認」「成長承認」「成果承認」の3つがあり、結果だけでなく、過程や変化にも関心を向けることが大切です。
また「いつもありがとう」「最近〇〇に変わったね」などの一言や、「私はあなたに助けられたよ」といった気持ちを添えることも効果的です。こうした承認が積み重なることで、相手は「見てもらえている」と感じ、モチベーションが高まり、信頼関係も深まっていきます。

【承認力の習得ポイント】
相手の感情を否定せず、なるべく名前を呼びながら声をかけましょう。相手が「どんなことを褒められたら嬉しいか」を想像することが、伝え方を磨く鍵になります。

④フィードバック力(前向きな振り返りを促す)

フィードバック力とは、相手が自分の行動を振り返り、前向きに気づきを得られるように働きかけるスキルです。一般的にフィードバックというと「改善点の指摘」が多くなりがちですが、コーチングでは相手の可能性を信じ、アドバイスを控えめにするのが基本です。

たとえば、「前よりも声に力があって、楽しそうに話していましたね」といった言葉は、本人の内面の変化に気づかせ、次の行動への自信にもつながります。 大切なのは、事実に基づいた観察を伝えること。評価や決めつけではなく「感じたこと」をそのまま伝えることで、相手は安心して自己理解を深められます。

【フィードバック力の習得ポイント】
まずは自分がフィードバックを受けたときの気持ちを想像してみましょう。相手の感情に配慮しつつ、事実をもとに気づきを促すことを心がけると、伝え方が自然と変わってきます。

⑤リクエスト力(期待や要望を明確に伝える力)

リクエスト力とは、相手が自分で決めた行動に踏み出せるよう、前向きな働きかけをするスキルです。ただ命令するのではなく、相手の気持ちに寄り添いながら、「~してみませんか?」「あなたならきっとできますよ」と背中を押すような声かけが基本となります。
迷いが見える場面では、「今日中に●●してください」とあえて言い切ることで、相手が行動に移しやすくなることもあります。大切なのは、その人に合った言葉や伝え方を選ぶこと。相手の状況をよく見て、行動のきっかけを与える柔軟さが求められます。

【リクエスト力の習得ポイント】
まずは「~してみるのはどうでしょう?」と、ハードルの低い形から始めてみましょう。自分がかつて勇気をもらった言葉を思い出すと、自然と相手に届く言葉が見つかります。

まとめ

コーチングスキルは上司と部下の関係性を改善するだけでなく、組織風土を育てる土台にもなります。

人材が定着しない、人が育たない。

そんな課題を抱える中小企業こそ「教える」から「引き出す」へと、育成のスタンスを変えてみましょう。

社員教育にSAKU-SAKU Testingがおすすめ

社員教育にイー・コミュニケーションズのeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」がおすすめです。
「SAKU-SAKU Testing」は自社で作成した教材を搭載して利用できるので、教育プラットフォームとして活用することが可能です。
また、自社コンテンツを搭載するeラーニングプラットフォームとしての利用以外に、あらかじめ社員教育に必要な教材がパッケージ化されている「サクテス学びホーダイ」など、さまざまなニーズに対応したeラーニングのご提案が可能です。
ご興味がおありの場合はお気軽にお問い合わせください。

 

組織が発展していくには、社員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。 そのためにも、企業は個々のスキルアップを促す仕組み作りをする必要があります。 このメディアでは、社員教育に力を入れていきたい企業様に向けて、 教育・研修をメインに社員が成長していくための情報を発信していきます。

試験のDX化、人材教育の課題など、私たちイー・コミュニケーションズが解決します。

お電話でのお問い合わせはこちら

Copyright ©e-communications,Inc.

PAGE TOP