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組織開発に欠かせない9つのフレームワーク!方法やポイントもご紹介

近年、企業の組織開発が注目されるようになりました。
本記事では、組織開発でお悩みの担当者が必ず押さえておきたいフレームワークの種類や具体的な方法などをご紹介します。
実践時の注意点や成功するためのポイントについても詳しく解説していきますので、組織開発にお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.組織開発の概要
  2. 2.組織開発の目的と必要性
  3. 3.組織開発で用いられるフレームワーク9選
    1. 3.1.①MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)
      1. 3.1.1.ミッション
      2. 3.1.2.ビジョン
      3. 3.1.3.バリュー
    2. 3.2.②OKR
    3. 3.3.③タックマンモデル
      1. 3.3.1.段階①形成期
      2. 3.3.2.段階②混乱期
      3. 3.3.3.段階③統一期
      4. 3.3.4.段階④機能期
      5. 3.3.5.段階⑤散会期
    4. 3.4.④7S
    5. 3.5.⑤アプリシエイティブ・インクワイアリー
      1. 3.5.1.1.発見(Discover)
      2. 3.5.2.2.夢(Dream)
      3. 3.5.3.3.設計(Design)
      4. 3.5.4.4.実行(Destiny)
    6. 3.6.⑥ワールドカフェ
    7. 3.7.⑦サーベイ・フィードバック
    8. 3.8.⑧フューチャーサーチ
    9. 3.9.⑨コーチング
  4. 4.組織開発を進める際の注意点
    1. 4.1.幹部も積極的に携わる
    2. 4.2.長期的に継続して行う
    3. 4.3.型にはまりすぎない
  5. 5.組織開発を成功させるポイント
    1. 5.1.「何をするか」より「何を解決するか」を重視
    2. 5.2.水面下の問題に目を向ける
  6. 6.効果的・効率的に組織開発を行いたい担当者様は「SAKU-SAKU Testing」をご検討ください。

組織開発の概要

組織開発とは、企業などの組織で共に働く者同士が組織を改善し、より良い組織を創っていくことを指します。
そのために、組織の改善点や問題点を洗い出し、浮き彫りにした上で、一人ひとりが問題解決のために主体的に取り組んでいきます。

組織開発の目的と必要性

コロナ禍の影響をうけ、テレワークを導入する企業が年々増加し定着してきました。
そのため、社員同士でコミュニケーションを取る機会が減り、個別で業務を完遂するようになりました。このような背景により、組織の一体感や協力性が弱くなってしまっているのが現状です。
組織開発の目的は、組織開発を行うことにより、社員同士や部署間での関係性を強化し、全体のパフォーマンスを高めることにあります。
さらに企業は、常に社会情勢や取り巻く環境の変化に順応していく必要があります。例として、働き方改革、消費者のニーズの変化、法律改正などが挙げられます。対応できず、取り残された企業は衰退の一途をたどってしまう危険性があるのです。

組織開発で用いられるフレームワーク9選

ここでは、組織開発で用いられるフレームワークを9つご紹介します。

①MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)

MVVとは、3つの要素で構成されています。それぞれの頭文字をとって、【M:
Mission】ミッション、【V:Vision】ビジョン、【V:Value】バリューから成り立っており、企業の経営方針を示す言葉です。オーストリアの経済学者であるピーター・ドラッカー氏により、2003年に提唱されました。

ミッション

【Why】企業の存在意義をはっきりさせ、なぜ社会に対して事業を行いたいのか明示する

ビジョン

【What】ミッション達成時に理想としている結果がどのようなものかを想い描く

バリュー

【How】ミッション・ビジョンを達成するためにどのように施策を行うか考える

②OKR

OKR(Objectives and Key Results:目標と主要な結果)は、組織やチームの目標設定とその管理方法を指します。
社員と企業の双方が同じ熱量をもち、目標(Objectives)と主要な成果(Key Results)をかかげ、達成できるよう管理するというものです。目標設定→進捗確認→評価のサイクルは高頻度で行うようにしましょう。
このフレームワークは、必ずしも100%目標を達成することが求められているわけではない、という特性があります。重要なのは、達成しにくい高度な目標設定を行い、達成までのプロセスによって、社員や企業のモチベーション向上を図ることなのです。

③タックマンモデル

タックマンモデルは、チームの成長過程を「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「散会期」の5つの段階に分けて考える概念のことを指します。チームビルディングを行う際に参考にすると、次に何が起こるか、何をすべきかが明確になります。
これは1965年に、心理学者のブルース・W・タックマンによって提唱されました。

段階①形成期

形成期はタックマンモデルの第一ステージであり、チームメンバーが初めて集まり、お互いを理解し始める段階です。
この時期に重要なのは役割分担と基本的なルールの設定です。リーダーは明確な方向性を示しましょう。
また、お互いのことをよく知るために、ランチや飲み会などを積極的に行い、コミュニケーションを取る機会を多く設けることも心がけましょう。

段階②混乱期

混乱期では、タックマンモデルの第二段階として、チームメンバー間で意見の不一致や摩擦が生じやすくなります。
この時期のリーダーの役割は非常に重要で、メンバーが共同の目標に向かえるよう調整を行うことが求められます。リーダーはコンフリクトマネジメントの技法を適用し、意見対立を建設的な方向に導く必要があります。
メンバー間の対話を促進し、納得できるまで腹を割って話し合わせるとともに、聞き手と調整役としての役割を果たしましょう。
これにより、組織全体の効率や成果が向上し、次の発展段階への移行がスムーズになります。

段階③統一期

混乱期を経た統一期では、チームメンバーが互いの強みと弱みを理解し、同じ方向に向かって歩み始める時期となります。
相手が自身と異なる意見や考え方、思想をもっていたとしても、頭ごなしに否定するのではなく、まずは受け入れることができるようになっています。
仮に衝突が生まれたとしても、双方歩み寄って解決できることが多くなります。
名前の通り、チームとして統一されていく時期ではありますが、その中でもリーダーは適宜全体像を把握し、全員を導いていく必要性を忘れないようにしましょう。

段階④機能期

機能期では、チームメンバーの一人ひとりが高いパフォーマンスを発揮し、目標達成できるようになっていきます。
この段階では、全員がリーダーのような役割を果たせるまで成長し、自己管理や問題解決が自然に行われます。今までと比較にならないほど、メンバー間のコミュニケーションも円滑になります。
機能期のリーダーの役割は、この全盛期を長く続けられるようにすることです。以前のように指示出しをすることは、メンバーの自主性を奪うこととなり逆効果なため、主にサポートに徹しましょう。

段階⑤散会期

散会期は、タックマンモデルの最終段階であり、プロジェクトの完了やチームの解散を迎える重要な段階です。
大きく成長したチームメンバーの門出を祝い、締めくくりを迎えるとともに、次のステップに向けたフィードバックを行うことも重要です。
リーダーやチームメンバーは、今までの過程を振り返り、得られた教訓を次に活かす必要があります。
こうしたプロセスを通じて、組織は次のプロジェクトで成功するための土台を築くことができるのです。

④7S

7Sは、7つの要素(戦略、構造、システム、共通の価値観、技能、人材、スタイル)から成り立っています。
マッキンゼー&カンパニーのコンサルタントであるトム・ピーターズ、ロバート・ウォーターマンの二人によって1970年代後半に提唱されました。
経営に必要となる資源を7つに分け、組織の事業戦略を考えていきます。戦略・構造・システムがハードの3S、共通の価値観・技能・人材・スタイルがソフトの4Sと呼ばれています。

7Sについてはこちらでも詳しく解説しています。

組織マネジメントにフレームワークを活用して、変化に対応できる組織作りを!

⑤アプリシエイティブ・インクワイアリー

アプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)は、ポジティブな問いかけを通じて組織の強みや成功体験を探求し、それを基に未来像を描くフレームワークです。
従来の問題解決型アプローチとは異なり、良い点に焦点を当てることが特徴です。
米国ケース・ウェスタン・リザーブ大学のデービッド・クーパーライダー教授らによって、1980年代に提唱されました。
主に次の4つのプロセスによって構成されています。

1.発見(Discover)

成功体験から、付加価値や強みはなにかを見つけていきます。

2.夢(Dream)

発見で見つけた強みや価値をさらに活用する方法など、ポジティブシンキングを念頭に議論していきます。

3.設計(Design)

議論で得た結論を組織の未来のためにどう実行していくか、具体的なアクションプランを構想します。

4.実行(Destiny)

アクションプランを基に実行に移していきますが、しなければならないといったネガティブな感情ではなく、ポジティブな感情を常にもって行動することが重要です。

⑥ワールドカフェ

ワールドカフェは、その名の通りカフェで話をするように穏やかな雰囲気で議論を行うことです。参加者を小グループに分けて自由に話し合い、アイデアを共有する形式のフレームワークです。
議論を進める中で、ある程度の時間が経過したら形式を変えたり、対話する相手をシャッフルすることで、新しい発想や洞察が得られやすくなります。特に組織内の重要課題や新たなプロジェクトのアイデア出しに適しており、全員の意見を反映させることで実行可能性の高いプランを生み出すことができるでしょう。
ワールドカフェでは、少人数のため自分の意見を言いやすいことや、落ち着いた話し合いができることがメリットといえるでしょう。

⑦サーベイ・フィードバック

サーベイ・フィードバックは、主に社員を対象にアンケートなどを行い、組織や部署の現状を把握し、直接フィードバックを行う手法です。
モチベーションサーベイ、組織サーベイ、モラールサーベイ、エンゲージメントサーベイなどが挙げられます。
サーベイ・フィードバックの目的は、社員と組織で対話を行い、働く上での満足度をあげることや離職率低下につなげることです。

⑧フューチャーサーチ

フューチャーサーチは、ステークホルダー全員が一堂に会し、現状を把握した上で、理想的な未来を実現するために、共通の目標を設定し実行していく会議手法です。
1987年にマーヴィン・ワイスボード氏(組織開発コンサルティング専門家)とサンドラ・ジャノフ氏によって提唱されました。
フューチャーサーチの大きな特徴は、できるだけ多くの利害関係者を集めて議論するという点です。以前のように、一部の権力者のみで会議を行い、方向性を決めてしまうと、どうしても他の関係者と熱量に差が出てしまいます。
立場を超えて議論を行うことは、非常に有効な手段であるとして、各国で積極的に取り入れられています。

⑨コーチング

コーチングでは、個々の社員の自己認識を高め、潜在能力を最大限に引き出すことを目指します。これにより、個人の成長と共に組織全体のパフォーマンスも向上します。
具体的には、コーチングセッションを通じて目標設定、問題解決、フィードバックが行われ、社員が自律的に行動し、継続的な改善を図るためのスキルを身につけます。また、信頼関係の構築とオープンなコミュニケーションが促進され、組織文化の向上にも寄与します。

組織開発を進める際の注意点

組織開発を進めていく上で、いくつかの注意点に留意し、進めていきましょう。

幹部も積極的に携わる

組織開発は全社的な取り組みであるため、経営層や幹部が初期段階から積極的に関与し、基礎を作ることが欠かせません。
幹部が自ら進んでプロジェクトに参加し、積極的にコミュニケーションを取ることで、現場の意識変革も促進されます。
また、幹部が目標達成のためのビジョンを明示し、継続的なサポートを提供することで、全社員が一体感をもちやすくなります。

長期的に継続して行う

組織開発は一度の施策で終わるものではなく、継続的な取り組みが必要です。
短期的な計画ではなく、数年単位の長期計画を立てることが重要です。組織の変革には時間がかかるため、根気強く継続的にフレームワークを行うことが求められます。
フィードバックと改善を繰り返すことで、組織文化が徐々に変わり、より強固な構造が築かれます。

型にはまりすぎない

組織開発のフレームワークや方法論は多岐にわたりますが、これらに盲目的に依存することは避けるべきです。
企業の文化や独自の特性を理解し、柔軟にアプローチしていきましょう。標準的な手法では対処しきれない問題に直面することもありますので、独自の解決策を探る努力が必要です。
定型化されたフレームワークに固執せず、多角的な視点を持つオープンマインドで取り組む姿勢が重要です。

組織開発を成功させるポイント

組織開発を成功させるための2つのポイントについて解説します。

「何をするか」より「何を解決するか」を重視

組織開発において、多くの企業は活動やプロジェクトに重点を置きがちです。
しかし、重要なのは何を解決するかという視点です。問題の本質を理解し、適切な対策を講じることが必要です。
例えば、いつも同じ意見ばかりで柔軟な意見が出にくいといった点の改善を目指す場合、やみくもにフレームワークを増やすのではなく、なぜ意見に偏りがあるのか、その根本原因を特定することが先決です。
この手順を踏んだ後に、適切なフレームワークを選定していきましょう。

水面下の問題に目を向ける

組織開発を成功させるポイントの2つ目は、水面下の問題に目を向けることです。表面の問題だけでなく、その背後にある根深い課題を把握することが真の変革をもたらすでしょう。
例えば、社員のモチベーションが低下している場合、ただモチベーションアップの施策を講じるだけでは不十分です。組織文化や価値観の不一致、リーダーシップの不足、キャリアパスの不透明さなどが影響している可能性があります。これらの問題を見逃さずに対応することが重要です。
具体的には、定期的な社員面談や匿名の意見募集を行うことで、社員が声を上げやすい環境を整えると効果的です。
また、社内のデータ分析を活用して見えにくい問題を数値化し、客観的に判断することも有用です。
このような施策を行った後、解決のためにどのようなフレームワークが適しているか判断し実践していきましょう。

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