オンライン研修を成功に導く! グループワークを効果的に実施するポイント
「オンライン研修」は、主にリアルタイムの講義をオンラインで配信・受講する研修です。
新型コロナウイルス感染症感染拡大によりさまざまなものがオンライン化され、人々の生活に定着してきました。テレワークの導入により、多くの企業がオンラインで集合研修を行う機会が増えています。
この記事では、これからオンライン研修でグループワークを導入したい企業の担当者の方向けに、オンライン研修でグループワークを行う際のメリット・デメリットや効果的な導入方法、システムを選ぶポイントについてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.【種類別】オンライン研修のグループワークで取り入れたいネタ
- 1.1.プレゼンテーション、ディスカッション
- 1.2.ブレインストーミング
- 1.3.ロールプレイ
- 1.4.ゲーム型
- 2.オンライン研修にグループワーク取り入れるメリット
- 2.1.①受講者が主体的に学べる
- 2.2.②ほかの受講者とコミュニケーションが取れる
- 2.3. ③実践的な研修ができる
- 3.オンライン研修でグループワークを実施する課題・注意点
- 3.1.ネット環境にトラブルが起こる可能性がある
- 3.2.対面よりも発言しにくい
- 3.3.受講者やワークの様子が分かりにくい
- 4.オンライン研修のグループワークを成功させるポイント
- 4.1.ツールの使い方や通信環境を事前に確認
- 4.2.役割分担・時間配分を決めておく
- 4.3.フィードバック・効果測定を行う
- 5.グループワークに役立つツール
- 5.1.少人数のグループに分けられるweb会議ツール
- 5.2.共同編集ツール
- 6.まとめ
【種類別】オンライン研修のグループワークで取り入れたいネタ
ここでは、オンライン研修のグループワークで取り入れやすい4つのネタをご紹介します。
プレゼンテーション、ディスカッション
ディスカッションのテーマは自由討論型、課題解決型、選択型の3つに分類されることが多いです。
【自由討論型】
最もポピュラーなお題形式で、広く採用されています。
「社会人の定義とは何か」「人生で大切なものとは何か」「無人島に行くなら何を持参するか」など自由に討論し、結論をまとめるものです。他人の意見に耳を傾け、なおかつ自分の意見も主張できることが重要です。
【課題解決型】
2つ目は、課題解決型です。「プラスチックゴミを減らすためにはどうしたら良いか」「今より男女平等の世の中を作るにはどうしたら良いか」など課題解決に向けて議論します。難題が多いため、他の受講者の知識を引き出すことや、解決策を導き出すことがポイントです。
【選択型】
最後は、選択型の討論形式です。複数の選択肢から最も優れたものを選ぶもの、優先順位をつけるものなどがあります。なぜその順位付けをしたのか、譲れない思考など受講者の価値観をみることが可能です。
ブレインストーミング
ブレインストーミングは1950年頃に誕生した受講者同士でアイデアを出し合う手法です。様々なアイデアを出すことが目的のため、「批判しない」「質より量を重視する」「自由にアイデアを出す」「アイデアを昇華&結合する」ことが大原則となります。
ブレインストーミングのテーマ例として、「商店街に新規のお客様を入れる方法を考える」「嫌いなものを子どもに食べてもらう方法を考える」など親しみやすく、専門知識のいらないものを選ぶと良いでしょう。
ロールプレイ
ロールプレイでは、より実践的にするため、営業の交渉術や電話対応など実際の業務を想定して役割を演じるようにしましょう。
ここでは、ロールプレイの代表的なタイプ2つをご紹介します。
【ケース型】
あらかじめ配役やストーリーを構成して行う形式です。「顧客へのクロージング」や「来客対応」など具体的な場面を決めて行います。
【リアル型】
いわゆるケーススタディを元にして行う形式です。実際に起きた事例を参考にしてロールプレイするため、そのまま実務に活かしやすいメリットがあります。
ゲーム型
チームビルディングなどを目的に参加者同士でゲームを行います。代表的なものにNASAゲームやレゴブロックを使用したものが挙げられます。
【NASAゲーム】
NASAゲームは月に不時着し、その際無事だった15アイテムの中で、生き残るために必要なものを重要度で順位付けをします。このゲームの特徴は、公式で正解が決まっている点です。正答とその根拠を導き出す力とチームを統率する力が問われます。
【レゴブロック】
レゴブロックを使ったグループワークはいくつかあり、オンラインに向いているものをご紹介します。
事前に同じ形・同じ数のレゴブロックを各自に渡しておきます。グループの1人が8個のレゴブロックを使って作品を作り、作った作品を音声だけでメンバーに説明します。メンバーは口頭の説明だけで、同じ作品を手持ちのブロックで再現していきます。説明力や理解力、再現力などが問われます。
オンライン研修にグループワーク取り入れるメリット
オンライン研修でグループワークを取り入れるメリットは下記の3点です。
- 受講者が主体的に学べる
- ほかの受講者とコミュニケーションがとれる
- 実践的な研修ができる
それぞれ順番に解説していきます。
①受講者が主体的に学べる
オンライン研修は、相互にコミュニケーションをとることが難しいという理由から主に講義型で行われます。
ただし講義型の場合、講師が受講者に対し一方的に話をするため、受講者はどうしても受け身になり、発言もしにくく委縮しがちです。
グループワークでは発言をすることで話が進んでいくため、自分の考えや意見を述べる機会を設けることができ、研修に対しても意欲的に参加することができます。
主体的に参加することで記憶にも残りやすく、実際の現場でも研修で教わった内容が活かされ実践できるようになります。
②ほかの受講者とコミュニケーションが取れる
対面での研修と異なり、オンライン研修は受講者が異なる場所からアクセスします。そのためコミュニケーションが取りにくく、孤独感や疎外感を感じてしまう方も多いようです。
一方、グループワークを導入すると、講義型では難しい、休憩時間に画面越しでの雑談やゲームなどのアイスブレイクを実施することが可能になります。受講者同士の相互コミュニケーションをとる機会が増えることがメリットです。
③実践的な研修ができる
対面研修でロールプレイングをする際は、部屋の用意やレイアウトの変更などが必要なため、手間と時間がかかっていました。
後述するZoomのブレイクアウト機能などの導入により、オンラインでも仕事現場を想定した実務的なロールプレイングが可能です。
よりリアルな現場を想定した議論やシミュレーションができるため、受講者は研修終了後すぐに活かせるスキルを培うことができます。
新入社員から中途社員に至るまで、即戦力としての育成効果も期待できるでしょう。
オンライン研修でグループワークを実施する課題・注意点
オンライン研修でのグループワークは難しい点もあります。課題や注意点を押さえて実施しましょう。
ネット環境にトラブルが起こる可能性がある
オンラインを使用し研修などを行う際、ネット環境を整えることは最重要ポイントです。
双方の声が届いているか、通信速度などの環境は正常かを事前に確認しておき、当日スムーズにグループワークができるようにしておきましょう。
対面よりも発言しにくい
対面と異なり、受講者同士の表情や雰囲気が読み取りにくいため発言のタイミングが難しいと感じる方も多いようです。
このような事態を防ぐため、事前に発言の順番を決めておくなどの対策をしておきましょう。
受講者やワークの様子が分かりにくい
講師が一人の場合、受講者やワークの様子が分かりにくく把握しきれないケースがあります。
特にグループ数が多い場合、時間を区切って様子をみるなどの工夫をすると良いでしょう。
オンライン研修のグループワークを成功させるポイント
ここではオンライン研修のグループワークを成功させるポイントについて解説します。
ツールの使い方や通信環境を事前に確認
講師側・受講者双方とも、ツールの使い方や通信環境に問題がないか必ずチェックをしておきましょう。慣れていない方にはマニュアルの送付や事前のレクチャーなどを行い、当日使用できるようにしておくことをおすすめします。
会議途中で途切れてしまったりフリーズしてしまったりするケースは多くあります。途中で入り直せても、途切れた分の議論の内容を伝えるなどで時間をロスする可能性があるため、ほかの受講者に迷惑をかけないよう接続環境を整えることも大切です。
また当日のルール(顔出し、マイクオフ)などの情報を事前に受講者に周知しておきましょう。オンライン研修のグループワークは、タイムラグなどで発言のタイミングが難しく時間を割いてしまうこともあります。手を挙げてから発言するなどのルールをあらかじめ決めておくのがおすすめです。
役割分担・時間配分を決めておく
グループワークの時間やアナウンス方法を決めておくことも大切です。
グループワークに制限時間を設けない場合は、そのあとの予定に支障が出ないようあらかじめタイムキーパーや進行役などの役割分担をしておきましょう。
特にオンラインは対面と異なりお互いが発言しづらい環境にあり、思うように意見がでない場合があります。このような事態を防ぐため、あらかじめ進行役を決めておくと安心です。
フィードバック・効果測定を行う
研修終了後、グループでの意見をレポートとして提出してもらい、フィードバックをしましょう。どのように学んだか、どの程度スキルや知識が向上したかをそれぞれ確認します。この段階で受講者からの意見や改善点もあわせて収集すると良いでしょう。良かった点、改善が必要な点をそれぞれ受講者へ伝えます。
また、インプットしたあとは、研修で学んだことをアウトプットしてもらうことが大切です。アンケートや実施したグループワークに関するテスト、実際の実務に活かせるロールプレイングなどを行い、知識定着に活かしましょう。その結果をもとに、研修の効果も測定していきます。
グループワークに役立つツール
ここでは、グループワークに役立つツールについてそれぞれみていきます。
少人数のグループに分けられるweb会議ツール
少人数で会議をする際、グループ分けできる機能としてZoomに「ブレイクアウトセッション(ルーム)」という機能が備わっています。ディスカッションが進むにつれ、チームに分けて意見をそれぞれで出すなど少人数に分けたいときに振り分けることができます。
手動と自動どちらでも分けることができ、手動の場合は研修設定をする際、事前にリストを作成し、グループ分け設定を行っておくと良いでしょう。
web会議ツールには、参加者間での資料共有やホワイトボード機能がついているため、プレゼン発表などの機会にこちらの機能を使用するとより効率的に意見をまとめることができます。
共同編集ツール
グループワークで共同編集作業を行う際、作業効率をあげるツールとしてマインドマップやGoogleドキュメントなどが活用できます。
マインドマップは、1970年代にトニー・ブザンによって確立された、ひとつのキーワードから関連キーワードを線でつなげていく方法です。マインドマップを利用し議論を進めていくことで、実践的な思考整理力を培うことができます。
まとめ
オンライン研修でグループワークを行うと、より実務的なスキルや知識を身に付けてもらうことが可能です。企業規模が大きく対面研修が難しい場合には、導入を検討してみてはいかがでしょうか。
その際、教育効果を高めるには適切なフィードバックや効果検証による改善が重要です。
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