CBT方式で資格試験を行う7つのメリット!受験者のリアルな声もご紹介
近年、IT技術の発展によってオンラインでの資格受験方式を導入する団体が増えており、今年6月には2026年より司法試験にも導入されることが法務省から発表されました。その影響もあり、試験のオンライン化はこれからより活発になると予想されます。
PCを使ってオンラインで受験することを「CBT(Computer Based Testing)方式」と呼びます。この記事では、資格試験のオンライン化を検討している方、試験の運用を効率化したい方に向けて、CBT方式のメリットや注意点を紹介します。
なお、この方式についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
「CBT試験とは?ほかの試験との違いやメリット、導入方法を徹底解説」
目次[非表示]
- 1.CBT方式を資格試験に取り入れる7つのメリット
- 1.1.1.試験の運用が効率化できる
- 1.2.2.ヒューマンエラーを防止できる
- 1.3.3.カンニングやなりすましなどの不正行為を防げる
- 1.4.4.幅広い地域で試験を実施できる
- 1.5.5.データの収集と分析がしやすい
- 1.6.6.試験内容の漏洩が防げる
- 1.7.7.環境への負荷を軽減できる
- 2.CBT試験が向いている資格試験は?
- 3.CBT方式を資格試験に取り入れる際の注意点
- 4.まとめ
CBT方式を資格試験に取り入れる7つのメリット
資格試験を従来のPBT(Paper Based Testing)方式(=紙で行う試験)から変更するには相応の準備が必要で、もちろんコストもかかります。しかし、CBT方式を資格試験に取り入れれば、試験運用の効率化や受験者の増加など、多くのメリットを享受できます。
CBT方式を採用するか悩んでいる方は、ここで紹介する7つのメリットを参考に検討してみてください。
1.試験の運用が効率化できる
PBT方式の場合、問題用紙や解答用紙を印刷して試験会場に運び、応募者に配布・回収するといった手間が生じます。また試験の度に会場の確保や設営も必要です。
しかし、CBT方式であれば、そういった労力や手間はかかりません。選択式の試験であれば自動採点できるうえ、試験監督を立てる必要もないため、人的リソースを最小限に抑えられます。
2.ヒューマンエラーを防止できる
PBT方式の場合は、試験の採点をひとつひとつ人の手で行う必要があります。しかし、CBT方式の場合はコンピューターが採点し、スコアを計算するため、採点ミスがなくなります。採点を行うスタッフも必要なくなり、人件費も大幅に削減できる点もメリットです。
3.カンニングやなりすましなどの不正行為を防げる
CBT方式は問題のバリエーションを増やすことができます。同一試験の問題をランダムに出題したり、選択肢の順番を入れ替えたりなどが可能です。一人ひとり違う問題が出題されることで、カンニングや受験者同士の解答の共有を防止できます。
また、受験者の行動をカメラやマイクを通じてオンラインで監視することも可能です。受験者をまとめて監視でき、不正行為を試みる受験者を早期発見できます。
試験において「なりすまし受験」は問題になりがちです。しかしCBT方式では、受験者の指紋や顔認識などを用いた生体認証が可能であるため、より確実に受験者の身元を確認し、なりすましによる不正受験を防げます。
4.幅広い地域で試験を実施できる
PBT方式では、検定団体が管理できる地域で試験を実施するのが一般的です。試験会場が都心や特定の場所に限られると、受験者にとって交通費や労力などの負担がかかります。気軽に受験できないことから、資格取得を敬遠する人もいるでしょう。
一方、CBT方式であれば全国各地の試験センターへ展開しやすく、地理的な制約がなくなります。受験のハードルが下がれば「近くで受験できるなら…」と、資格取得を目指す人も増える可能性が高まります。資格試験を全国展開して通年開催すれば、認知度アップにもつながるでしょう。
5.データの収集と分析がしやすい
PBT方式で受験者の解答データを管理するには、手作業での入力が必要となります。手作業での入力は労力や時間、コストもかかる上、ヒューマンエラーも発生しがちです。
しかし、CBT方式であれば受験者の解答データをコンピューター上で一挙に収集できるため、エクセルや統計解析ソフトなどに即時反映、分析できます。これによって試験の品質改善や受験者へのフィードバックなどを迅速に行うことができます。
6.試験内容の漏洩が防げる
PBT方式の場合、問題用紙や解答用紙を印刷して試験会場に配置することとなります。紙ベースでの管理だと紛失する可能性があり、試験内容が漏洩するリスクもあります。
CBT方式のように試験がデジタル形式であれば、問題用紙や解答用紙を紙ベースで管理する必要がないため、紛失する心配はありません。
7.環境への負荷を軽減できる
CBT方式は問題用紙や解答用紙を印刷する必要がなくなり、紙の使用量を削減できます。また紙を使わなくなることで廃棄物の量も減少し、廃棄物処理に伴う環境負荷も軽減できます。
こういった環境経営に取り組むことは、地球温暖化を防ぐだけでなく、検定団体へのイメージ向上にもつながるでしょう。
CBT試験が向いている資格試験は?
試験を選択式やマークシート方式で実施している場合は、CBT方式への切り替えがしやすいといえます。一方、記述式の解答や採点に人の判断が必要な場合は、コンピューターでの採点が難しいため、PBT方式が適しています。
以下は、CBT方式を取り入れている資格試験の一例です。
・日本漢字能力検定
・実用英語技能検定
・日商簿記検定
・ビジネス実務法務検定試験
・eco検定(環境社会検定試験)
・秘書検定
上記のほかにも、多くの資格試験がCBT方式を採用しています。また、PBT方式とCBT方式を併用している資格試験もあるため、今後もさらにCBT方式を採用する資格試験が増えていくでしょう。
以下の記事ではCBTの導入方法について詳しくご紹介していますので、あわせて確認してみてください。
「CBTを導入する方法とは?基本機能や手順を詳しく解説」
CBT方式を資格試験に取り入れる際の注意点
CBT方式は検定団体にとっても受験者にとってもメリットがあります。しかし、CBT化を検討される場合は、次の注意点を押さえておきましょう。
インフラ環境を整備する必要がある
CBT方式はPCを使って受験する形式であり、受験者の人数に合わせてPCを用意する必要があります。また、PCであれば何でも良いわけではなく、試験がスムーズにできる通信速度と安定性が必要です。例えば、電子会計の試験では受験者一人当たり2Mbpsが必要といわれています。インターネットを接続する場合は、ネットワーク環境の構築も必要となるでしょう。
そういったインフラ環境の整備が必要であることから、PBT方式のようにひとつの会場で1,000人単位の受験者を受け入れ、一斉に受験することは基本的には不可能です。そのためCBT方式は試験センターを活用し、試験の回数を増やすことで受験者数を調整する必要があります。
システムのトラブルや接続の問題が生じる場合がある
デジタル形式で行うCBTは、システムのトラブルやインターネット接続などの問題が生じる場合があります。停電によってコンピューターが落ちたり、ハードウェアが故障したりすれば、試験を中断せざるを得ません。
試験担当者がコンピューターやネットワークに不慣れな場合、トラブルや接続の問題が生じた際スムーズに対応できず、復旧作業にも時間がかかります。場合によっては、途中まで解答したデータも失われるでしょう。
そういったトラブルが生じると、受験者の不満につながるほか、運営側にとっても余計なコストがかかります。
タイピング速度の差について対策を考える必要がある
CBT方式は、受験者のコンピューター操作スキルも問われます。PCの操作に慣れている人と慣れていない人とでは、解答の速度に差が出るということです。
とくに、記述式の問題で解答にタイピングが必要な場合は、知識とは関係のないタイピング速度などの技術的な部分が試験の結果に大きく影響します。
機器の利用方法やタイピング訓練といった、テクニカル面の学習支援も導入することをおすすめします。
まとめ
CBT方式を資格試験に用いれば、試験の運用を効率化できることや、幅広い地域で試験を実施できるようになるなど、多くのメリットを享受できます。CBT方式は受験者にとってもメリットがあるため、ぜひ導入を検討してみてください。
資格試験のCBT化をご検討中の方は、イー・コミュニケーションズへご相談ください。CBT試験を実施できるオンライン試験システム「MASTER CBT PLUS」を提供しています。
ランダム出題や選択肢のシャッフルができる上、リモート監視サービス「Remote Testing」と連携すれば、受験者の不正を防止できます。またCBT方式の懸念点である「接続トラブル」にも強い点が特徴です。MASTER CBT PLUSは、試験の開始と終了後にインターネット接続を行い、試験中はオフラインで実施できます。
受験者はアプリケーションのダウンロードは不要で、PCだけでなくタブレットやスマートフォンでも受験可能です。
イー・コミュニケーションズでは、経験豊富なコンサルタントがCBT方式の導入を支援しておりますので、お気軽にご相談ください。