eラーニング導入のメリットとは?集合研修との比較も解説
社内研修などにeラーニングを導入するか考えるとき、メリットとデメリットが気になるものではないでしょうか。メリットがあるからこそ普及しているのだろうとは思っても、どのようなデメリットがあるのか気になることでしょう。
結論を言ってしまうと、eラーニングにはメリットのほうが多くあり、うまく使えばデメリットもカバーすることが可能です。この記事ではeラーニングの導入方法などについてまとめています。eラーニングを検討中なら、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.eラーニングのメリット:社員研修の費用対効果を上げる
- 1.1.提供者のメリット
- 1.1.1.メリット➀コストを削減できる
- 1.1.2.メリット②準備や運用の労力を減らせる
- 1.1.3.メリット③研修の品質を高く保ちやすい
- 1.1.4.メリット④教材の更新がしやすい
- 1.1.5.メリット⑤学習者の管理がしやすい
- 1.2.学習者のメリット
- 1.2.1.メリット➀時間・場所を選ばない
- 1.2.2.メリット②自分のペースで学習できる
- 1.2.3.メリット③学習内容や進捗の管理がしやすい
- 1.2.4.メリット④全員同じ品質の研修が受けられる
- 1.2.5.メリット⑤多角的な学習が可能で理解しやすい
- 2.eラーニングのデメリット:不向きな研修内容もある
- 2.1.提供者のデメリット
- 2.1.1.デメリット➀導入時に手間がかかる
- 2.1.2.デメリット②ライブ配信の場合、品質を保ちにくい
- 2.1.3.デメリット③実技系内容は習得させにくい
- 2.2.学習者のデメリット
- 2.2.1.デメリット➀モチベーションを保ちにくい
- 2.2.2.デメリット②学習者同士の交流がしにくい
- 2.2.3.デメリット③一定のITリテラシーが必要
- 3.集合研修にしかないメリットは?
- 3.1.提供者のメリット
- 3.1.1.一体感・モチベーションを高められる
- 3.2.学習者のメリット
- 3.2.1.講師から直接フィードバックがもらえる
- 3.2.2.実務に活かせるスキル・知識が学べる
- 4.自社に合った研修方法を選ぶことが大切!
- 5.高い研修効果を得るためのポイント
- 5.1.ブレンディッドラーニングを行う
- 5.2.コミュニケーションの場を作る
- 6.eラーニングならイー・コミュニケーションズにご相談を
eラーニングのメリット:社員研修の費用対効果を上げる
まず、eラーニングのメリットについて、提供者・学習者それぞれの立場に分けて説明します。
提供者のメリット
はじめに、提供者のメリットについてまとめます。具体的には次の5つの点が挙げられます。
・コストを削減できる
・準備や運用の労力を減らせる
・研修の品質を高く保ちやすい
・教材の更新がしやすい
・学習者の管理がしやすい
高い品質の研修を安定的に行えることがメリットだといえます。ひとつずつ具体的にみていきましょう。
メリット➀コストを削減できる
eラーニングは、対面式の集団研修に比べてコストを削減することが可能です。リアルの集団研修の場合、会場費・テキストの印刷や配布に費用がかかります。しかしeラーニングではそういった費用が不要になります。
そのほか、場合によって講師の依頼費用・学習者の交通費や宿泊費も削減可能です。学習者の数が多いほど、あるいは継続的・長期的に研修を行うほど、スケールメリットが大きくなります。
メリット②準備や運用の労力を減らせる
eラーニングでは、準備や運用の労力の削減も可能です。まず、会場・講師の手配の手間がかかりません。会場を借りる場合は、研修を受講する人数に応じて会場の広さが変わります。つまり早い段階で人数を確定して、会場を選定・確保しなくてはなりません。しかしeラーニングではそのすべてが不要です。テキストや録画された動画を使えば講師の手配も不要です。
また、教材は一定期間配信して学習者は各自の都合のよいタイミングで学習します。そのため集団の研修では必要な学習者のスケジュール調整が不要になります。
教材もデータを配信するだけで済むので、教材を印刷する手間もかかりません。 このように、さまざまな労力をカットすることができるため、その分少ないスタッフでの運用が可能となります。
メリット③研修の品質を高く保ちやすい
eラーニングでは同じ教材を用いて講義を行うため、研修の品質を高く保つことが可能です。
対面型の研修だと、講師の力量によって教育の品質が左右されます。その場合、社員の習熟度にもバラつきが出てしまい、社内で統一したスキルや知識を身につけることが難しくなります。
一方、eラーニングであれば場所・時間を問わず、同じ教材・講義を配信できるので、講師による品質や進度の差が生まれません。学習内容や品質を均質化できます。
メリット④教材の更新がしやすい
前項でも触れたとおり、eラーニングは教材が印刷などモノベースでなくデータによるものなので、更新がしやすいという特長があります。
そのため、部分的な修正やブラッシュアップが容易です。場合によっては研修期間中に修正も可能です。
また、発展や変化・流行のスピードが早い業界の場合でも、教材を最新の内容に保つことができます。印刷物による学習方法にはない利点です。
メリット⑤学習者の管理がしやすい
使用するシステムやサービスにもよりますが、eラーニングでは学習者の学習データの分析が容易です。学習者を条件別に抽出することも可能で、問題のある学習者に個別の対応を行うこともできます。例えば、受講状況がよくない学習者に受講を促す連絡を入れたり、成績の振るわない学習者をフォローしたりすることができます。
きめ細かく学習者を管理することができるので、全体の研修効果を高めやすくなります。
学習者のメリット
次に学習者のメリットについてまとめます。具体的には次の5点が挙げられます。
・時間・場所を選ばない
・自分のペースで学習できる
・学習内容や進捗の管理がしやすい
・全員同じ品質の研修が受けられる
・多角的な学習が可能で理解しやすい
利便性が高いという点に尽きます。ひとつずつ解説していきます。
メリット➀時間・場所を選ばない
eラーニングでは、自分の都合のよいタイミングで学習することができます。一定の間コンテンツが配信されており、いつでもどこでも視聴できる方式が一般的です。時間や場所を決めて一斉に行う集団での研修とは大きく違う点です。
とくに、最近は学習者の使うデバイスの主流がタブレットやスマートフォンになりました。それに伴って1回分の教材のコンパクト化が進んでおり、通勤や休み時間などすき間時間の学習もしやすくなっています。ますます利便性が高まっています。
メリット②自分のペースで学習できる
eラーニングは自分のペースで学習しやすい特徴があります。理解しにくかった内容は繰り返し学習することができます。
集団研修では、よく分からなかったとしても何度も質問したり繰り返し説明してもらうのは難しいでしょう。しかし、eラーニングでは、ほかの学習者を気にすることなく、内容の理解度に合わせたスピードで学習することが可能です。
メリット③学習内容や進捗の管理がしやすい
eラーニングでは、学習者にとって学習内容や進捗の管理がしやすい仕組みが整っています。学習者ごとにマイページがあるシステムを使えば、自分の達成度や進捗・テストの点数や理解度などを確認しながら学習することが可能です。それにより自分の学習状況を把握しやすくなります。
自分の状況を把握できることは、学習を続けるモチベーションや理解度を深める助けになり、学習の効果が高まることにつながります。
メリット④全員同じ品質の研修が受けられる
eラーニングでは、すべての学習者が同じ品質の研修を受けることができます。講義の場合、講師の「当たり外れ」がありえます。同じ内容の研修であっても、複数の場所で行う場合にはどうしても同じ内容・品質を保つことが難しくなります。
eラーニングでは基本的に同じ内容の教材・動画が配信されるので、全員が同じ品質の研修が受けられます。習熟度のテストを行う場合でも、学習者の間の不公平感がなくなります。
メリット⑤多角的な学習が可能で理解しやすい
eラーニングでは多角的に学習することができるため理解しやすくなります。文字ベースの説明はもちろん、図やグラフ、画像や音声・動画などさまざまな表現に対応した教材で学習することが可能です。とくに音声や動画は紙ベースの教材では再現できません。実技の研修でも、eラーニングであれば作業中の音の変化や作業の動作・コツなどを直感的に理解できます。
さらに、教材の表現だけでなく、研修全体の設計が工夫されていると理解度・習熟度を高めやすくなります。説明の読み込み・動画視聴などによるインプット、レポートやテストなどのアウトプットを組み合わせた研修では、高い効果が期待できます。
eラーニングのデメリット:不向きな研修内容もある
では、eラーニングにデメリットはないのでしょうか?次に、デメリットについて提供者・学習者それぞれの立場に分けて説明します。
提供者のデメリット
提供者からみた主なデメリットは、次の3点が挙げられます。
・導入時に手間がかかる
・ライブ配信の場合、品質を保ちにくい
・実技系の内容は習得させにくい
では、ひとつずつ確認していきましょう。
デメリット➀導入時に手間がかかる
eラーニングを導入するにあたり、教材を作成する必要があります。自社で内製化するとなると、作成に時間がかかってしまいます。eラーニングシステムの中には、プラットフォーム内で自社のコンテンツを作成できる機能が搭載されているものもあるので、検討してみると良いでしょう。
また、研修の担当者決めなどマンパワー面での体制作りも必要です。とくにデバイスやオンラインのツールを使用するため、ある程度そういった知識のある人材が必要になります。
デメリット②ライブ配信の場合、品質を保ちにくい
講義をライブ配信する場合は、講義の品質が講師によって異なります。講師の選定はしっかり行う必要があります。同じ品質の講義が提供できるのはeラーニングの強みですが、選定がいい加減だとそれが逆にマイナスに働きます。
そのほか通信トラブルなど、事故もありえます。トラブルにも対応できる担当者が必要です。対面式の研修では準備さえできてしまえば、当日はよほどのことが起こらない限り研修は進行していきます。その点では、ライブ配信当日こそ気を抜くことができません。
デメリット③実技系内容は習得させにくい
動画を活用するなど改善されてきていますが、実技系の内容はまだ習得しにくい面があります。
例えば、調理技術など、調理中の食材の音や色の変化は聞かせたり見せたりすることはできますが、匂いの変化などは伝えられません。また接客やクレーム処理など、相手の細かい表情などは画面越しでは伝わりにくいかもしれません。
学習者のデメリット
次に、学習者からみたデメリットについてまとめます。具体的には次の3点があります。
・モチベーションを保ちにく
・学習者同士の交流がしにくい
・一定のITリテラシーが必要
ひとつずつみていきましょう。
デメリット➀モチベーションを保ちにくい
eラーニングには集団での研修のような強制力がないため、自力で学習することが求められます。そのため、モチベーションを保ちにくいというデメリットがあります。
eラーニングに限りませんが、どんな形式でも学習したのに理解していない・身についていないことがありえます。その場合もeラーニングではモチベーションが高くないとそのままにしてしまいがちです。
そのほか、学習時の環境を整えないと集中しにくい場合もあります。通勤の時間しかないのに満員電車でじっくり視聴できなかったり、家庭でも家族がいる場所でしか視聴できなかったりするケースです。
デメリット②学習者同士の交流がしにくい
eラーニングは集団での研修ではないため、ほかの学習者に会う機会がありません。そのため、交流しにくい・人脈を作りにくいという面があります。
また、研修の最中や視聴直後に内容の質問や確認をし合うことができません。理解度に影響が出る場合もあります。
デメリット③一定のITリテラシーが必要
PCやスマートデバイスを使用するため、学習者にも一定のITリテラシーが必要です。デバイスを使い慣れていない場合、研修以前にデバイスの使い方から覚えなければなりません。
自宅で行う場合など、インターネット環境が整っていない場合もあります。動画などデータの容量が大きい教材では、通信に時間がかかったり途切れてしまったりする可能性が出てきます。
集合研修にしかないメリットは?
集合研修からeラーニングへの移行を考えている企業様もいるのではないでしょうか?集合研修ならではのメリットもあるため、改めて認識しておきましょう。
提供者のメリット
提供者側からみたメリットは以下のとおりです。
一体感・モチベーションを高められる
集合研修はほかの社員との交流によって、一体感を高められるのがメリットです。多くの社員が集まる機会はそれほど多くありません。今まで交流をもったことがない社員同士の間にも交流が生まれやすくなるため、一体感はより強まるでしょう。
さらにモチベーションアップも期待できます。ほかの社員が頑張っているのだから、自分も頑張らなくてはいけないという気持ちが働き、より精力的に研修を受けてもらえるのです。
学習者のメリット
学習者側からみたメリットは、主に次の2点が挙げられます。
・講師から直接フィードバックがもらえる
・実務に活かせるスキル・知識が学べる
それでは、ひとつずつ確認していきましょう。
講師から直接フィードバックがもらえる
研修の内容に不明点が合ったり、疑問が生じたりした際は、その場ですぐに質問できるのが学習者側のメリットです。研修終了後は学んだ内容を深く理解し、すぐに実践できるためより業務に活かしやすいという特徴もあります。
実務に活かせるスキル・知識が学べる
集合研修は対面で行うからこそ、内容が難しい 技術系の知識やマナー研修などが多く、実践的であるのが特徴です。知識を得てすぐに実務に活かせるのは大きなメリットでしょう。
自社に合った研修方法を選ぶことが大切!
eラーニングと集合研修にはそれぞれメリットがあります。そのため、自社にあった研修方法を選ぶことが欠かせません。
集合研修は、実践的なスキルを身に付けられる点がメリットです。ただし、場所と時間の制約があったり、参加者数が限られたり、会場・交通費といった経費が必要となる点はデメリットです。
参加者同士の活発なコミュニケーションが必要な研修や、関係性構築・エンゲージメント向上を目的とした研修は集合研修が向いているでしょう。
一方で、eラーニングは着実な知識の定着によって費用対効果を高められるという点はメリットですが、実践的なスキルや知識は習得させにくいというデメリットがあります。
理論的なスキル習得を目的とした全社研修・部門別研修・階層別研修、そのほか内定者教育や産休・育休から復帰する方の支援にも活用できるため、こういった目的で導入するのであればeラーニングのほうが適しているでしょう。
このように自社で研修を導入する目的から、研修内容を考えていく必要があります。eラーニングを行いつつ、必要に応じて集合研修を導入するというやり方でも問題ありません。それぞれのメリットを比較しつつ、自社に適した方法を見つけていくのが大切です。
高い研修効果を得るためのポイント
高い研修効果を得るには、知識の定着とモチベーションの向上がポイントです。具体的には、以下のポイントを意識しましょう。
ブレンディッドラーニングを行う
学習方法ごとの特性を活かすようにほかの方法と組み合わせると、内容面・理解度についてのデメリットを解消することができます。eラーニングで学習しにくい内容は別の方法で学習するなど、eラーニング以外の方法と組み合わせた「ブレンディッドラーニング」を行うという解決方法です。
例えば、次のような組み合わせが考えられます。
eラーニングによる知識学習+実習による実技習得
eラーニング動画で実技の予習+実習で実技を学習
eラーニングによる問題点共有+グループワークによる問題解決
eラーニングによって知識面を強化し、リアルにつなげれば高い効果が得られます。
コミュニケーションの場を作る
工夫してコミュニケーションの場を用意できれば、交流しにくい・人脈が作りにくいというデメリットが解消されます。
学習者同士・講師と学習者の間の交流をオンラインで促進する方法はいくらでもあります。eラーニングのシステムに組み込まれている場合もあります。そのほか、スマートフォン向けコミュニケーションアプリやPC向けコミュニケーションツール、社内SNSなどがあります。
オンラインでも交流できれば、質問や内容の確認をし合うことができるようになりモチベーションも上がります。LMS(学習管理システム)のチャット機能や掲示板機能を活用して、受講者へ経営層のメッセージを送ったり、オンライン学習の進捗・結果に関するフィードバックを送ったりするのもモチベーション維持に役立ちます。
理解度も高まり、仲間意識も醸成されるでしょう。初めて対面で会ったときも、初めてではないような感覚でコミュニケーションが可能になることでしょう。
eラーニングならイー・コミュニケーションズにご相談を
eラーニングにはデメリットもありますが、どれもカバーできる内容ばかりでメリットのほうが多い学習方法です。
もしも、eラーニングの導入をご検討中でしたら、私どもの「SAKU-SAKU Testing」も候補としてみてください。
導入社数累計1,500社の教育担当者様のニーズや月間20万IDのユーザのアクセス状況をもとに日々開発が行われているeラーニングのサービスです。利用継続率も97%(2021年5月現在)。高く評価していただいております。
誰でも簡単に直感で操作でき、学習者の数が多くなった場合にも管理の手間と時間を大幅にカットできます。アウトプット主体のテストエデュケーションにより、高い学習効果を期待することができます。
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そのほか、学習者向けのカスタマーデスク代行や申込受付などの代行、運用支援も充実しています。
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