人事管理とは?メリット・デメリットから具体的な業務内容と管理方法まで

労働力が減少していくことが明白な現在、人材確保に役立つ人事管理が重要視されています。ただ人事管理は内容が多岐にわたるため、具体的なイメージがしにくいかもしれません。

この記事では、人事管理の具体的な業務内容や管理方法についてまとめます。人事ご担当者様はぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.人事管理とは
  2. 2.人事管理のメリット・効果
  3. 3.人事管理のデメリット・問題点
  4. 4.人事管理の業務内容
    1. 4.1.人事管理の業務内容|採用
    2. 4.2.人事管理の業務内容|育成
    3. 4.3.人事管理の業務内容|配置・異動
    4. 4.4.人事管理の業務内容|評価
    5. 4.5.人事管理の業務内容|モチベーション管理
    6. 4.6.人事管理の業務内容|労務管理
  5. 5.ほかの「管理」との違い
    1. 5.1.人事管理と労務管理
    2. 5.2.人材管理・タレントマネジメントとの違い
  6. 6.人事管理の具体的な方法・ツール
    1. 6.1.人事管理の方法|管理システム・ツール
    2. 6.2.人事管理の方法|エクセル(Excel)
    3. 6.3.人事管理の方法|アクセス(Access)
  7. 7.人事管理を人材育成につなげるならイー・コミュニケーションズにご相談を


人事管理とは

人事管理とは、企業が目的達成のために自社の社員を活用できる体制を作ったり維持したりすることをいいます。

一般に採用や配置などキャリアに関する管理を中心に指しますが、福利厚生など労務に関する管理も含まれます。ただしキャリア面の管理だけを「人事管理」と呼び、労務を合わせた管理は区別して「人事労務管理」と呼ぶこともあります。

この記事では、基本的に労務を抜いたキャリア面だけを扱う「人事管理」についてまとめます。労務管理は法律上必要で、実務を行っているご担当者様にとってはすでにご存じの内容が多いためです。

人事管理のメリット・効果

人事管理は企業の目標達成が目的なので、適切に行われれば業績向上などの目標を実現することができます。

人事の情報として社員のスキルを管理すれば、さまざまな面で活用することができます。まず自社に必要となるスキルを把握することができるので、採用・育成に活用することが可能となります。さらに個々のスキルをもとに適材適所の配置も実現できます。さらに社員を適切に評価できるようになり、社員のモチベーションを高く保つことができます。

上記のように活用することで、人材の面から生産性を向上させ、従業員の満足度アップや人材の定着率改善、スキルアップなどにつなげることができます。

人事管理のデメリット・問題点

人事管理はメリットが多いのですが、デメリットもあります。

まず、近年の働き方の多様化などにより、管理の業務が複雑化したり負担が増したりしていることが挙げられます。

また、適切な活用のためには情報を一元管理することが大切ですが、ツールの使い方などによっては情報が分散してしまうことがあります。そのせいでせっかくの情報も利用しにくくなることもあります。

しかし人事管理は、企業の業績や競争力を向上させるには必須です。システムを活用できることろは活用する、自社にとって重要度の高い内容から優先的に管理を始めるなど、効率化を行いながら人事管理を行うことが必要です。

人事管理の業務内容

人事管理の具体的な業務内容についてまとめます。具体的には次の業務があります。

採用
育成
配置・異動
評価
モチベーション管理
労務管理

1つずつ見ていきましょう。    

人事管理の業務内容|採用

人事管理の業務の1つとして採用業務が挙げられます。

まず採用計画の立案を行います。採用計画は経営計画などに基づいて決めましょう。人材面から経営計画を実現するために、どんなスキルを持つどんな人物が何人ぐらい必要なのかを考えます。求める人物像を明確にし、人数・スケジュールなどを確定します。

さらに採用計画を実行するために、新卒・中途のどちらで採用するか、使用する媒体ほか求人方法などの方針決定と準備を進めます。即戦力が必要なら新卒より中途採用の方が適しています。職人さんのような技術者が必要なら、Webでの募集より折り込み広告の方が向いているかもしれません。計画を具体的な施策に落とし込んでいき、媒体への掲載の手配や原稿の準備と公開を行います。

求人への応募があったら、面接の日程を調整して面接を実施します。応募者の中から採用者を決定し、経営陣への確認などを行います。

さらに内定者への連絡や、調整なども必要です。

人事管理の業務内容|育成

社員や採用者の育成も重要な業務です。

育成の主な方法は研修です。研修内容と対象(全員/選抜)、タイミング、研修方法などの計画を立案します。

研修内容は、業務を進めるのに必要なスキル習得を目的とすることが多いでしょう。経営方針や現場の声などをもとに決定します。内容の例としては、業務上のスキルのほか、ビジネスマナー・コンプライアンス・マネジメントやコーチングなどもあります。研修方法の例としては、講義・OJT・eラーニングなどが挙げられます。

内容や対象・タイミング・方法は、お互いに関係し合っています。最適な形で育成ができるようによく検討する必要があります。

たとえば新入社員向けにはビジネスマナーの研修が必要です。ビジネスマンとして最低限の知識でもあり、入社後早い時期に行う必要があります。マネジメントの研修は、管理職候補者や新たに管理職になった社員に関係があります。昇進の決まる直前や決まった直後が最適なタイミングです。業務に必要なスキル習得にはOJTが、知識の体系的な学習にはeラーニングや講義が適しています。

このようにあらゆる点を考慮しながら、育成のための研修の全体像を決めていきます。

人事管理の業務内容|配置・異動

社員の配置や移動も人事管理の1つです。

社員のスキル・実績などと部署のニーズ(スキル・人数など)がすべての部署で一致するような配置が理想です。誰をどこに配置すれば最大限の効果が得られるかを考え、適材適所の配置を行います。

しかし会社の都合だけで決めることはできません。本人のキャリアプランや希望、場合により性格や人間関係なども考慮します。モチベーションにも関わるほか、希望とのズレが大きい場合は離職につながる危険もあるからです。

候補者選びには、過去の評価を参考にしたりタレントマネジメントの手法を取ったりするほか、社内公募も活用します。

配置や異動は生産性や業績に関わるほか、人材の定着や離職にも影響します。注意が必要です。

人事管理の業務内容|評価

評価も人事管理の業務の1つです。

評価の対象は、1人ひとりの成績・スキル・勤務態度などです。評価にはさまざまな方法があります。またどんな点を評価するかも、企業によって異なります。同じ企業の中でも、職種によって違う場合もあります。たとえば営業職の場合は売上は重要な評価項目ですが、事務職は成績として売上を評価することはできません。自社・職種に適した評価項目・評価方法を整備する必要があります。

評価結果は給与・賞与や役職などに反映させます。それらをまとめて評価と呼ぶこともよくあります。評価と待遇・処遇は適切に連動していなければなりません。たとえば評価が高い人も低い人も同じ賞与にすることは好ましくありません。

評価は公平に行わないとモチベーション低下や退職、場合によっては訴訟につながりうる重要な業務です。職場の雰囲気や生産性・業績に影響する場合もあります。

人事管理の業務内容|モチベーション管理

社員のモチベーション管理も人事管理業務の1つです。

モチベーション管理の方法としては、アンケート、1on1ミーティング、メンター制度、ストレスチェックなどがあります。コミュニケーションを取りながら、不満や困ったことはないか、やりがいを感じられているかの情報を集めます。必要に応じて、アドバイスやその他の対処を行います。

自己評価と会社の評価のズレ、業務内容への不満やミスマッチ、人間関係などがモチベーションを下げる原因になります。モチベーションが高く保たれると、従業員エンゲージメントの向上や生産性の向上にもつながります。モチベーションを下げる原因を取り除き、高める要因を増やすことが求められます。

人事管理の業務内容|労務管理

労務管理も、広義の人事管理業務の1つです。給与計算・勤怠管理・社会保険業務や、福利厚生の管理などがあります。その他、会社と社員の間で労務トラブルがあった場合の対応なども労務管理に含まれます。

法律に則って行う内容が多く、効果的な方法を探るというより適正に行うものだと言えるでしょう。

ほかの「管理」との違い

「人事管理」と紛らわしかったり混同されたりしがちな言葉もいくつかあります。次にそういった混同されがちな語との区別についてまとめます。次の語と人事管理とを比較してそれぞれとの違いを確認します。

労務管理
人材管理・タレントマネジメント

順に確認していきます。

人事管理と労務管理

先述したように、「人事管理」は主にキャリア面やそれにかかわるスキルなどを管理し、企業の目的達成をめざすものです。

それに対して「労務管理」は、給与など雇用関係や労働条件などにかかわる事項を管理する業務です。労務管理は人事管理の一部として人事管理に含まれている関係にあります。

参考に、「勤怠管理」は出勤日数や労働時間などを管理することで、労務管理の一部です。小さい順に並べると、「勤怠管理<労務管理<人事管理」となります。

人材管理・タレントマネジメントとの違い

「人材管理」と「タレントマネジメント」はほぼ同じ意味で使われます。

タレントマネジメントは、この記事で述べている人事管理に近い内容を指します。つまり、人事に関する内容のうち、労務を除くスキルやキャリアを管理することを指します。ただし人事管理は人事部の業務とされるのに対して、人材管理・タレントマネジメントは特定の部署に限らずさまざまな部署にまたがって行うべき手法です。

また人事管理とのニュアンスの違いとして、人材管理・タレントマネジメントは、モチベーション向上・パフォーマンスを最大化する配置・将来のビジョンなどが重視されます。人事管理も人材のさらなる活用が目的ですが、タレントマネジメントよりも実務的なニュアンスが強くなります。

人事管理の具体的な方法・ツール

人事管理を実際に行うのに利用できるツールなどについてまとめます。ここでは次の3つについて解説します。

管理システム・ツール
エクセル(Excel)
アクセス(Access)

専門のシステム・ツールは使い勝手もよく、さまざまな面で活用することが可能になります。とはいえ専門のシステムやツールを使わなくても、既存のソフトを使って管理することもできます。1つずつ見ていきましょう。

人事管理の方法|管理システム・ツール

管理専用のシステムやツールのサービスを利用する方法です。

多くの専用ツールは、勤怠管理・給与管理・個人データの管理などを行うことができます。専用に作られているので使いやすいほか、データを一元化して管理できるのもメリットです。

なおサービスによって目的・得意分野が異なります。たとえば採用向け・タレントマネジメント向け・労務管理向けなどのサービスがあります。導入する場合は、主にどんな目的で使用したいのか明確にしてからサービスを選びましょう。目的をはっきり自覚できていると必要な機能もおのずと決まります。同種のサービスの中から自社に適したものが選びやすくなります。

基本は有料ですが、少人数の管理なら無料で使えるツールもあります。

人事管理の方法|エクセル(Excel)

エクセルで管理する方法もあります。無料で配布されているテンプレートなどもあり、自社に合うものがあれば活用することが可能です。

特別な費用が発生しないので導入しやすいのが大きなメリットです。さらに、エクセルはすでに使い慣れている人が多いでしょう。そのため操作を新たに学ぶ必要がなく扱いやすいというメリットもあります。さらに使いながら自社に合わせてブラッシュアップしていくことが容易です。スモールスタートに適しているでしょう。

ただしデメリットとして、一元管理が難しい、閲覧・編集の権限付与が難しい、業務効率が悪い、セキュリティ面の不安があるなどの点が挙げられます。

人事管理の方法|アクセス(Access)

マイクロソフト社のデータ管理ソフト「アクセス」で管理する方法もあります。アクセスはデータ管理に特化しているため、エクセルよりも厳密なデータ管理が可能です。

もともとアクセスを利用しているなら費用も不要です。自分で項目などを設定・作成できるほか、無料のフリーソフトも配布されています。そういったソフトを活用すればすぐに導入できます。またエクセルでデータ化していた場合も、アクセスにインポートすることが可能です。エクセル同様、スモールスタートに向いています。

ただしエクセルと同様に、編集や閲覧の権限などの管理面や業務効率・セキュリティなどの面でデメリットがあります。

人事管理を人材育成につなげるならイー・コミュニケーションズにご相談を

スキル管理によって、社員にどんな教育が必要かを洗い出すことができます。「何を学ばせるか」が明確になったら、次はそれを「どう学ばせるか」のフェーズです。効果的な方法が求められます。

学習方法の1つ「eラーニング」は、能力向上に役立つ知識系の効率的な学習に最適です。

eラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」では、人事管理に利用できるコンテンツ「ビジネスベーシック」をご用意しています。
「ビジネスベーシック」では、入社1年目~3年目までの社会人としての基本を学べる12コースを全45本の動画でご用意しています。
5~15分の動画と確認問題によって、スキマ時間で効率的に知識を定着させることができます。
管理用画面から受講状況やテスト結果が簡単に確認でき、様々な階層の方の受講も簡単に管理ができます。
人事管理を人材育成につなげる際にぜひ「​​​​​ビジネスベーシック」をご活用ください。

 

組織が発展していくには、社員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。 そのためにも、企業は個々のスキルアップを促す仕組み作りをする必要があります。 このメディアでは、社員教育に力を入れていきたい企業様に向けて、 教育・研修をメインに社員が成長していくための情報を発信していきます。

試験のDX化、人材教育の課題など、私たちイー・コミュニケーションズが解決します。

お電話でのお問い合わせはこちら

Copyright ©e-communications,Inc.

PAGE TOP