見やすい社内研修資料の作り方とポイント!企業事例もご紹介
社内研修の資料は「見やすさ」が非常に重要です。受講者が研修の内容を深く理解するためには、レイアウトや装飾、使用する色なども工夫する必要があります。研修を通じた社員教育の効果を高めるためにも、研修資料は丁寧に作成しましょう。
本記事では、社内研修資料の基本的な作り方と、見やすさをアップさせるポイントをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.基本的な社内研修資料の作り方
- 1.1.研修全体の構成を決める
- 1.2.情報収集をする
- 1.3.構成をもとに資料を作成する
- 1.4.見直し(最終チェック)を行う
- 2.見やすい社内研修資料を作る10のポイント
- 2.1.1.目次とページ数をつける
- 2.2.2.レイアウトを統一する
- 2.3.3.オブジェクトの位置を揃える
- 2.4.4.フォントにルールを設ける
- 2.5.5.適度に装飾を入れる
- 2.6.6.使用する色は3色程度に抑える
- 2.7.7.情報量を絞る
- 2.8.8.図やグラフを積極的に使用する
- 2.9.9.適度に余白を作る
- 3.社内研修の資料を公開している企業
- 3.1.Wantedly|資料のほとんどが1スライド1メッセージ
- 3.2.GMOペパボ|難易度の高い内容を分かりやすい例で説明
- 3.3.MIXI|研修の目的・ルールのみを資料で説明
- 3.4.サイバーエージェント|ハンズオン形式の学習講義
- 3.5.Money Forward|多彩なイラスト・図を使用
- 4.まとめ
基本的な社内研修資料の作り方
まずは、社内研修資料の作り方を4つのSTEPに分けてご紹介します。
なお、研修資料の作成前には研修の目的・テーマを改めて確認しておいてください。受講者にどのような知識やスキルを身に付けてほしいか、研修後に何を得ていてほしいかを明確にすることで、適切な構成や必要な情報が定まります。事前準備として押さえておきましょう。
研修全体の構成を決める
いきなり研修の資料を作成し始めるのではなく、まずは研修の構成を決めておくとスムーズです。伝えるべき情報や研修の流れを整理するのにも役立ちます。
導入→本題→クロージング(まとめ)の流れで、必要な見出しを割り当てていきます。自然な流れになるよう設計しましょう。
情報収集をする
構成が決まったら、説明に必要な情報を収集しましょう。自社で管理しているデータや他社事例など、研修で説明する内容の詳細や根拠として活用できるものを集めます。
構成をもとに資料を作成する
構成に従って文章や図をレイアウトしていきましょう。見やすさと分かりやすさを意識して、必要な情報を入れていきます。
見直し(最終チェック)を行う
研修資料を作成した後は、最初から見直していきます。誤字脱字がないか、スライドの順番は合っているかはもちろんですが、「すべての受講者が理解しやすいか」「研修の目的に沿っているか」などを基準に確認することが重要です。
上長や現場社員など、第三者にチェックしてもらうのもおすすめです。
見やすい社内研修資料を作る10のポイント
次に、見やすい研修資料を作成するポイントをご紹介します。
1.目次とページ数をつける
目次とページ数をつけることで、研修の進行がしやすくなります。例えば、「10ページに飛んでください」「5ページに戻ってください」といった指示が可能です。また受講者が研修を振り返る際に、特定の情報を見つけやすくなります。
2.レイアウトを統一する
各スライドのレイアウトを統一することで、資料全体に一貫性が生まれ、読みやすさがアップします。デザインや余白、文章の体裁などがバラバラになっていないか注意しましょう。
3.オブジェクトの位置を揃える
テキストや画像、図といったオブジェクトの位置を揃えることが重要です。これらの位置がずれていると見にくいだけでなく、「雑に作っている」「手を抜いている」といったマイナスな印象を与えてしまいます。オブジェクトは垂直方向、あるいは水平方向できちんと揃えましょう。
4.フォントにルールを設ける
本文、見出し、注釈などで使用するフォントにルールを設けましょう。フォントにはさまざまな種類がありますが、読みやすさの観点からおすすめなのは「ゴシック体」や「メイリオ」です。
また、スライドの文字サイズは研修会場後方の席でも見えるように調整しましょう。
5.適度に装飾を入れる
太字や文字の着色、下線、影など、適度に装飾を入れれば強調したい部分を伝えやすくなります。本文がすべて黒文字だと、取っ付きにくい印象を与えてしまう可能性があります。
注意したいのは、装飾を入れすぎないことです。装飾ばかりだと強調したい部分が伝わりにくくなり、見た目的にも煩わしい印象を与えてしまいます。
6.使用する色は3色程度に抑える
資料全体で使用する色を、「メイン」「サブ」「アクセント」の3色程度に抑えることがポイントです。例えば、スライドで使用される背景色は白とし、見出しの枠に使用する色を「黄色(メイン)」、強調したい文字を「赤色(サブ)」、まれに記載する注意書きの部分は「青色」といったように3色程度で抑えるとまとまりが出ます。
7.情報量を絞る
研修資料に限らず、資料作成においては「1スライド1メッセージ」が基本です。情報量は絞り、シンプルにしましょう。あれもこれも情報を盛り込むと、伝えたいことが伝わりにくくなってしまいます。文章を作成する際は、意味が重複していないか、わざわざ書かなくても良い部分はないかなどを見直してみましょう。
文章だけでなく、画像やアニメーションなども、闇雲に使用するのは効果的ではありません。
情報量の多い研修だと受講者の集中力が切れてしまう可能性があるため、短くコンパクトにまとめましょう。
8.図やグラフを積極的に使用する
文章だけでなく、図やグラフで表現できる部分は積極的に使用しましょう。図やグラフであれば一目で情報を伝えられます。
数値化できるデータは図やグラフを用いて、文章だけではイメージが難しい部分は画像を添付すると良いでしょう。
9.適度に余白を作る
余白がまったくないスライドは窮屈な印象を与え、読みにくくなります。ページ全体の余白、段落間の余白、画像とテキストとの間の余白などを意識してみてください。余白が多すぎると稚拙な印象を与えてしまう可能性もあるため注意しましょう。
資料を配布する場合は、メモ欄として余白を作るのもおすすめです。
社内研修の資料を公開している企業
社内研修をどのように実施したら良いか、イメージが湧かない方もいるでしょう。ここでは、社内研修の資料を公開している企業をご紹介します。
Wantedly|資料のほとんどが1スライド1メッセージ
人材を募集している企業と求職者をマッチングさせるプラットフォームサービスを展開しているWantedly株式会社では、新卒研修の資料を公開しています。
資料のほとんどが1スライド1メッセージで統一されており、ひと目でトピックを理解できます。また受講者を惹きつける、シンプルかつおしゃれなデザインも魅力です。
『2019年度 Wantedly 新卒研修の内容を公開します!』|Wantedly
GMOペパボ|難易度の高い内容を分かりやすい例で説明
サーバーホスティング事業やECの構築支援事業などを行うGMOペパボ株式会社では、エンジニア研修の資料を公開しています。
イラストや図、箇条書きなどを適宜使用し、複雑な内容も例を用いて分かりやすく解説している点が特徴です。使用する色も3色程度で抑えており、統一感があります。
新卒エンジニア向け機械学習研修2023を実施しました(ペパ研ブログ)
MIXI|研修の目的・ルールのみを資料で説明
ゲームや予約アプリなどの事業を行う株式会社MIXIでは、新卒技術研修の資料と動画を公開しています。
全体的にスライドはシンプルで、研修の目的・ルールのみを資料で説明している点が特徴です。
なおGit研修やデータベース研修、iOSアプリ研修など、分野ごとに資料が公開されており、それぞれでデザインや体裁が大きく異なっています。
『今年もMIXIの23新卒技術研修の資料と動画を公開します!』|株式会社MIXI
サイバーエージェント|ハンズオン形式の学習講義
メディア事業やインターネット広告、ゲーム事業を行う株式会社サイバーエージェントでは、AI事業本部で行われた研修資料を公開しています。
サイバーエージェントの行う研修では、実際に手を動かしながら学習するハンズオン形式を導入しているのが大きな特徴です。受講者が資料を見ながら手を動かせるように、適度にマーカーや枠線などを用いた資料にまとめられています。
『AI事業本部MLOps研修公開!MLOps研修で学ぶ最新の機械学習ワークフローとは?』|CyberAgent Developers Blog
Money Forward|多彩なイラスト・図を使用
PFM(個人資産管理)サービスやクラウドサービスの開発・提供をしている株式会社Money Forwardでは、座学で行った新卒研修の資料を公開しています。
ひとつのスライドに画像や図を積極的に用いて、視認性を上げているのが特徴です。イメージしにくい部分もイラストを使用して説明しているため、内容が頭に入りやすくなっています。
『座学で行った新卒研修の資料』|(株)Money Forward
まとめ
社内研修資料の作り方は、「構成を作成する→情報収集をする→構成に沿って文章や図を入れる→見直しを行う」の4STEPが基本です。最終チェックもしっかりと行い、受講者が理解しやすいか、研修の目的に沿った内容になっているかを確認しましょう。
また、社内研修は実施して終わりではなく、効果測定によって目的をどれだけ達成できたか確認することが大切です。研修後アンケートや理解度テストなどを行い、受講者の反応やどれだけ理解できたかを把握しましょう。
また、知識定着のための仕組みを作ることも大切です。研修資料を共有して、振り返りに役立てたり、研修後3ヶ月に再度理解度テストを実施したりする方法が有効です。
社内で作成した研修資料をもとにした学習コンテンツを作成したい場合は、eラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください。データをシステムに取り込んで、自社独自の学習コンテンツを作成することが可能です。
また、研修内容の理解度テストやアンケートも「SAKU-SAKU Testing」で実施できます。テストやアンケートは即時データとして反映され、研修効果の振り返りやカリキュラムの改善に役立てることができます。
研修の成果を報告する際にも、「70パーセントが理解していた」「8割以上が今回の研修を満足していた」といったように、テスト結果やアンケート結果を数値化して伝えられます。
なお、「SAKU-SAKU Testing」なら研修自体のオンライン化も可能ですので、体系的な社員教育を構築したい場合にもおすすめです。
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