catch-img

「良い」テスト問題の作り方とポイント!受験者が満足するには?

受験者の学習内容を適切に評価するためには、正確で適切なテスト問題を作成する必要があります。テスト問題の作成を任されたものの、どのように作ればよいか分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
 
この記事では、受験者が満足する「良い」テスト問題の作り方とポイントをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.「良い」テスト問題を作るポイント
    1. 1.1.妥当性・信頼性を重視する
    2. 1.2.受験者がストレスなく解答できるようにする
    3. 1.3.平均点は60点前後を想定する
  2. 2.テスト問題の作り方
    1. 2.1.STEP1.テストの目的を明確にする
    2. 2.2.STEP2.テストの仕様を決定する
    3. 2.3.STEP3.原稿を作成&教材化
    4. 2.4.STEP4.実施結果を分析して改善する
  3. 3.テスト問題を作るときの注意点
  4. 4.まとめ


「良い」テスト問題を作るポイント

テスト問題の作り方を解説する前に、まずはテスト問題を作るポイントを3つご紹介します。

妥当性・信頼性を重視する

良いテスト問題を作るには、「妥当性」と「信頼性」を意識する必要があります。

妥当性…問いたい能力を測定できること
信頼性…受験者の能力が正しく測定される内容であること


妥当性を確保するためには「何を測るテストなのか」、目的をはっきりさせましょう。例えば読解力を測るのに漢字の読みに関する問題を多く出しても意味がありません。
 
信頼性においては、難易度の同じテストであればいつも同じ正答率になるように問題を設計することが大切です。
 
「問題文が分かりにくいため何を問われているか分からない」「選択肢が少ないため適当に選んでもいくつか正解になる」といった例は信頼性に欠けているといえます。
 
テスト問題を作成したら、妥当性・信頼性があるかチェックしましょう。
 
なお、信頼性を測る方法として再テスト法や折半法があります。

・再テスト法…同じ受験者グループに同一のテストを2回以上受験させ、得点間の相関を調べる手法。
・折半法…受験者をふたつのグループに分けてテストを実施して、それぞれのグループの得点の相関を調べる手法。


受験者がストレスなく解答できるようにする

「習っていない問題が出ている」「難しい漢字が使われていて読めない」など受験者にとってストレスとなる問題を出題するのは、「良いテスト」とはいえません。
 
受験者がストレスなく問題を解けるように、以下を意識してみてください。

(1)クリアで理解しやすい問題文
複雑な文章や難解な単語は避け、受験者が迷う余地を減らしましょう。
 
(2)問題文が実践的であるか
問題文が現実的かつ実践的な文脈、あるいはシナリオであるかどうかが重要です。抽象的でイメージしにくい文章や表現は受験者にとってストレスとなります。
 
(3)ポジティブな表現
否定的な文章や言葉遣いが多いと受験者のストレスにつながります。


テスト問題の作成者と受験者とでは知識レベルが大きく異なります。
 
受験者の立場・目線になってテスト問題を作成し、ストレスを感じる部分がないかチェックしましょう。

平均点は60点前後を想定する

受験者の理解度を正確に測るために、テストの難易度を適切に設定しましょう。
 
多くの受験者が高得点を取るのは喜ばしいことですが、簡単な問題ばかり出題して平均点を上げるのは、テスト本来の意義を失ってしまいます。
 
反対に、難易度の高い問題ばかり出題するのも、公平に能力を測るためのテストとして適切とはいえません。
 
テストの種類や目的によって適切な平均点の目安は異なりますが、基本的には高すぎず低すぎず、60点前後を目安に設定するとよいでしょう。
 
問題のレベルは、「基礎」「応用」「高難易度」といったように、複数の難易度を織り交ぜてバランスよく出題するのが効果的です。

テスト問題の作り方

一からテスト問題を作るとなると、多くの時間を要します。スムーズにテスト問題を作成するために、作り方や手順を押さえておきましょう。
 
ここでは、4つのSTEPに分けてテスト問題の作り方を解説します。

STEP1.テストの目的を明確にする

明確な目的がないまま問題を作り始めると、問題の内容や形式、難易度の設定を正しく設定できません。
 
まずはテストの目的を明確にし、テスト作成に関わる人全員に共有しましょう。
 
テストの目的を明確にするために、以下を意識してみてください。
 
・テストの対象は誰か
・テストでどのような知識を測りたいか
・受験者にどのような知識を備えていてほしいのか

 
例えば普通自動車運転免許のテストは、受験者が交通ルールを守って安全に路上で運転できるかどうかを測る目的があります。「素早く運転してゴールに辿り着く」がテストの目的ではないため、レーサーのような技術を測る問題を出す必要はありません。
 
テストの目的が明確になれば、テストの合格点や試験の実施方法なども決めやすくなります。

STEP2.テストの仕様を決定する

続いて出題形式や問題数、合格基準、解説の有無など、テストの仕様を決めます。
 
【出題形式】
テストの出題形式でよく用いられるのは「選択式」「穴埋め問題」「記述問題」です。
 
この中でも記述問題は解答の難易度が高く、配点も高く設定される傾向にあります。記述問題ばかりを出題すると受験者に負担がかかる可能性があるため、注意しましょう。
 
【問題数】
問題数は出題範囲を考慮しながら決めます。
 
テストの出題範囲が広い場合は問題数を増やし、網羅的に知識レベルを測定できるようにしましょう。
 
【合格基準】
合格基準はテストの目的によって決めます。
 
学習内容を完璧に理解してもらいたい場合は合格基準を高く設定する必要があり、必要最低限の知識を覚えてほしい場合は低く設定するとよいでしょう。
 
【解説の有無】
教材を読んで理解できるものであれば、解説は不要です。
 
問題がケーススタディ形式の場合は、解説をつけたほうがよいでしょう。

STEP3.原稿を作成&教材化

テストの目的や仕様を決めたら、本格的に問題を設計していきます。
 
問題を作成する際は、問題文の仕様や文章の調子を整えることが大切です。例えば、「正しいものを選択しなさい」「適切なものを選択しなさい」といったように、同じ意味であるにもかかわらず、違う言葉遣いの問題文が混在するのは統一感に欠けます。
 
ほかにも、「正しいものを選択しなさい」「正しいものを選択せよ」といったように、文章の調子(「です・ます」or「だ・である」)が統一されていないのもNGです。
 
統一感のない問題文は受験者に余計なストレスを与えてしまいます。

STEP4.実施結果を分析して改善する

テストは実施して終わりではなく、テスト結果や受験者へのアンケートを分析して、テストの品質改善・アップデートに努めましょう。
 
テスト結果の分析から、各問題やセクションの難易度を評価できます。難しすぎる問題、または簡単すぎる問題があれば、次回のテストで難易度を調整しましょう。
 
受験者へのアンケートでは、今回のテストに満足してもらえたか、ストレスなく取り組めたかのフィードバックを得ることができます。
 
テスト結果の分析をスムーズに行う方法としては、コンピューターを用いて試験を実施する「CBTシステム」の活用がおすすめです。
 
CBTシステムを利用すれば、教材の作成やバランスのよい出題、分析〜改善まで効率化できます。
 
現在、テストの作成や採点に負担を感じている団体様にもおすすめです。
 
始めてのシステム導入に不安がある方は、CBTシステム「MASTER CBT PLUS」をぜひご検討ください。公的な試験団体を含め、1,000社(団体)以上の試験運営実績があります。
 
お客様のニーズにあわせた運用サポートを行っておりますので、知識がなくてもすぐに導入を始められます。
 
MASTER CBT PLUSは問題のシャッフルやランダム機能といった、紙試験では実現できないさまざまなパターンでの出題が可能です。
 
また受験者はマイページから習熟・履修・受験状態を把握したり、評価のレーダーチャートを確認できたりするため、今後の学習の方向性を見出すことにもつながります。
 
オンラインの資格試験に対応するためにも、ぜひ導入を検討してみてください。
 
お問い合わせはこちら

テスト問題を作るときの注意点

テスト問題の作成を複数人で行う場合は、「表記ゆれ」や「言語レベルの不一致」などが発生するおそれがあります。
 
作問後の校正・修正作業を減らすためにも、テスト問題作成におけるルールやガイドラインを作るとよいでしょう。
 
またテスト問題の作成には多くの労力や時間がかかります。テスト実施までに余裕をもたせるためにも、早めにテスト作成に取り掛かりましょう。
 
「どのようにテスト問題を作ったらよいか分からない」「テスト作成におけるコツやノウハウを教えてほしい」といった場合は、イー・コミュニケーションズの「サクモンコンサル」をご検討ください。
 
経験豊富なテストコンサルタントが、お客さまの要望を丁寧にヒアリングし、テスト目的に合った作問方法をレクチャーいたします。

まとめ

良いテスト問題を作るには、妥当性(問いたい能力を測れるか)と信頼性(正しい結果を得られるか)が重要です。
 
テストの目的を明確にした上で、受験者の立場になって問題の作成に取り組んでみてください。
 
テストの作成から結果の分析までを効率化したい団体様はCBTシステムの導入もおすすめです。現在、資格試験のCBT化も増えてきていますので、ぜひこの機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。
 
イー・コミュニケーションズのCBTシステム「MASTER CBT PLUS」なら受講者の解答時間や選択肢の分布、カテゴリ別の正解率などで統計情報を出力できます。
 
設問や試験の品質向上に役立てられる機能を多数搭載しておりますので、気になる方はぜひ一度お問い合わせください。

 

組織が発展していくには、社員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。 そのためにも、企業は個々のスキルアップを促す仕組み作りをする必要があります。 このメディアでは、社員教育に力を入れていきたい企業様に向けて、 教育・研修をメインに社員が成長していくための情報を発信していきます。

試験のDX化、人材教育の課題など、私たちイー・コミュニケーションズが解決します。

お電話でのお問い合わせはこちら

Copyright ©e-communications,Inc.

PAGE TOP