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クリティカルシンキングの例題と鍛え方を徹底解説

この世には、さまざまな思考法が存在します。

企業の成長を目指す中小企業では、社員のスキルアップを目指してさまざまな思考法を研修内容に取り入れている企業も多いはずです。

今回はそんな思考法の中から「クリティカルシンキング」をピックアップします。

批判的思考とも訳される思考法の中身と、思考の鍛え方、研修における例題の出し方ついて分かりやすくまとめました。

研修にクリティカルシンキングの要素を取り入れたい方はぜひご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.クリティカルシンキングとは?
  2. 2.ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い
  3. 3.クリティカルシンキングの3つの考え方
    1. 3.1.「考える目的」を意識する
    2. 3.2.「思考のクセはあるもの」と思う
    3. 3.3.最善策を考え続ける
  4. 4.クリティカルシンキング「5つのメリット」
    1. 4.1.① 問題解決力が向上する
    2. 4.2.② 事実に基づいた判断ができる
    3. 4.3.③ 漏れや矛盾点を発見できる
    4. 4.4.④ 本質に行き着く
    5. 4.5.⑤ 新しいアイデアと出会える
  5. 5.クリティカルシンキングの鍛え方
    1. 5.1.① 問題を明確にする習慣をつける
    2. 5.2.② 事実と意見を区別する
    3. 5.3.③ 思考の偏りをなくす
  6. 6.クリティカルシンキングの例題と解答例
    1. 6.1.例題① オフィスの整理整頓
    2. 6.2.例題② 報告をしない部下への対応
    3. 6.3.例題③ 利用者の少ない社員食堂を改善
  7. 7.まとめ

クリティカルシンキングとは?

クリティカルシンキングとは、「本当にこれが正しいのか?」と問い続けながら、問題解決を効果的に進めるための思考法です。

「批判的思考」と訳され、認識した情報をあえて批判的に見ていきますが、欠点を指摘することが目的ではありません。

自社に都合の良い解釈をしていないか、事実と意見を区別しているかなどを確認し、リスクの回避・改善につなげていくのがクリティカルシンキングです。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違いはどこにあるのでしょう?

ロジカルシンキング(論理的思考)とは物事を要素ごとに分解し、情報を疑うことはせずに筋道を立てて考える思考法です。

一方、クリティカルシンキング(批判的思考)は、情報そのものをあえて疑うことで、物事の前提の正誤を検証し、その本質を見極める思考法です。

2つの違いは「認識した情報を疑うか、疑わないか」です。

例えば、ある求人広告の効果を2つの思考法でそれぞれ検討してみましょう。

ロジカルシンキングでは過去のデータを基に、最適と思われる広告を選びます。一方クリティカルシンキングでは「本当にこの広告が最適なのか?」と前提自体を疑うところから始めます。

クリティカルシンキングを用いると、変化の激しい現代に適応した柔軟な思考が可能になります。


クリティカルシンキングの3つの考え方

クリティカルシンキングを考える際は、以下3つのポイントを掴んでおきましょう。

「考える目的」を意識する

クリティカルシンキングでは「何のために考えるのか?」という目的を明確にしておきます。明確にすることで論点がぶれず、無駄な議論を避けられるからです。例えば、今考えるべきは「売上増加の理由を探ること」なのか「さらなる売上拡大策を考えるのか」のどちらになるのか。考える目的をクリアにすることを意識しましょう。

「思考のクセはあるもの」と思う

人間の思考には、個々のクセがあります。クセは、人それぞれ経験してきたことや得てきた知識に基づいています。映画やドラマの感想は、人それぞれ異なりますよね。同じように自分の思考のクセもあり、他人もまたクセがあると意識することで、異なる視点から物事を捉えられるようになります。

最善策を考え続ける

クリティカルシンキングでは一度結論を出しても、考え続けることが大切です。市場環境はめまぐるしいスピードで変化しているため、以前の正解が通用しなくなることも多くあるでしょう。課題解決には唯一の答えがないため、常に最善策を模索する姿勢が求められます。

クリティカルシンキング「5つのメリット」

クリティカルシンキングの基本となる3つのポイントをおさえたら、次はメリットを考えていきましょう。代表的な5つのメリットをご紹介します。

① 問題解決力が向上する

クリティカルシンキングを行うと、問題解決能力が向上します。それはクリティカルシンキングが多用な視点から客観的な情報を分析し、根本原因を特定するからです。例えば人手不足の解決策として、業務効率化や新たな視点を発見し、実用的な解決策を見つけることができます。

② 事実に基づいた判断ができる

クリティカルシンキングでは主観を排除し、数値データに基づいた中立的な判断が可能になります。クリティカルシンキングを用いることで特に管理職の場合は売上やコスト、利益の管理、マーケティング戦略の立案において的確な判断を下せるようになります。

③ 漏れや矛盾点を発見できる

クリティカルシンキングは、前提条件を疑うことで矛盾や抜け漏れを防ぐことができます。検討して導き出した答えは本当に完璧なのか?そんな疑問をもつ姿勢が矛盾点の洗い出しを可能にし、問題を未然に防ぎます。

④ 本質に行き着く

クリティカルシンキングは「本当に正しいのか?」と繰り返し考えることで、物事の本質を見極めます。複雑な要因を整理し、重要でない要素を排除することで、問題の真の原因に迫ります。このプロセスにより、取り組むべき課題や解決策が明確になります

⑤ 新しいアイデアと出会える

クリティカルシンキングを用いると、自分の考えは本当に正しいのだろうか?と批判的に見る習慣が身に付きます。これにより、「自分の考えが絶対に正しい」との思い込みを避け、過去の経験に縛られない新しいアイデアを見つけられるようになります。

クリティカルシンキングの鍛え方

メリットの多いクリティカルシンキングはいつでも鍛えることができます。

ここからはクリティカルシンキングを鍛えるために、日常で意識すべき3つのポイントをお伝えしていきます。

① 問題を明確にする習慣をつける

クリティカルシンキングを鍛えるために、問題を明確にする習慣をつけましょう。おすすめは問題を構成する要素をリストアップすることです。例えば、いつ、誰が、何をしたのか?という具体的な情報をリストアップし、各要素が相互にどのように関連しているかを図式化します。曖昧な表現は避けて具体的な名称や固有名詞を使うと効果的です。

② 事実と意見を区別する

事実と意見を意識して区別してみましょう。事実は「実際に起こった事柄」、意見は「ある問題に対する考え」です。例えば「ある領域の2024年の市場成長率は25%だった」は事実ですが、「この市場は成長する」は意見になります。話を聞くときには相手が事実を述べているのか、意見を述べているのかを区別してみましょう。

③ 思考の偏りをなくす

人にはそれぞれ価値観や思い込み、偏見があります。「当たり前」と思っていることに疑いをもつことで、新しい発見が得られることがあります。違和感を感じたら納得できるまで情報を集め、事実に基づいた検証を行う必要があります。

クリティカルシンキングの例題と解答例

ここからは自社の研修に役立つ、クリティカルシンキングを鍛えるための例題を解答例と共にご紹介します。

例題を基に、複数の解答を考えてみましょう。

考えるポイントは「事実なのか?」「そもそも?」「ほかにある?」などの「問い」を当てはめていくことです。

例題① オフィスの整理整頓

課長が社員に整理整頓を呼びかけると、一時的にはデスクがきれいになりますが、すぐにまた物であふれてしまいます。オフィスの整理整頓が習慣化しない理由を考えましょう。

(解答例)
・忙しくて整理整頓する時間がない。
・整理整頓しようとしても、収納する場所やスペースが不足している。
・社員が整理整頓の重要性を認識しておらず、優先度が低いと感じている。

例題② 報告をしない部下への対応

BさんにはCさんという部下がいますが、Cさんは仕事の進捗報告をあまりしてくれません。Cさんに報告の重要さを理解してもらうには、どうすればよいでしょうか。

(解答例)
・進捗報告を怠った結果、仕事に支障をきたした具体例を伝え、報告の重要性を認識してもらう。
・毎日、業務終了時に行ったことを日報としてまとめ、提出する習慣をつけてもらう。
・報告のフォーマットや手順を簡素化し、負担を軽減することで報告しやすくする。

例題③ 利用者の少ない社員食堂を改善

ある会社の社員食堂は利用者数が年々減少し、閉鎖の危機に直面しています。なぜ利用者が少ないのでしょうか。

(解答例)
・食べたいメニューが少なく、選択肢が限られている。
・味つけが濃すぎる、または薄すぎるため、食事が好まれていない。
・会社周辺に魅力的な飲食店が多く、そちらを利用する社員が増えている。

このように多角的な視点から解答例を考えることで、さまざまなアプローチを検討することが可能になります。

具体的な例題を用いてクリティカルシンキングを鍛える研修を行うことで、さまざまな視点から課題解決を考えられる社員を育成できるはずです。

まとめ

クリティカルシンキングは、物事の本質を見極めるために情報を批判的に見ることで客観性を高める思考法です。

「なぜそうなのか」「本当にそうなのか」と常に疑問をもつクリティカルシンキングを鍛えるための研修を開催し、社員のスキルアップに役立てていきましょう。

クリティカルシンキングを鍛える手段の一つとして、eラーニングがおすすめです。
イー・コミュニケーションズのeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」なら、自社で作成したクリティカルシンキング研修に活用できる教材を自由に搭載することができます。
SAKU-SAKU Testingは動画やパワーポイントなど多様な形式の教材を搭載することが可能です。
また、パソコンだけでなく、スマホや、タブレットからも受講可能なため、受講者の負担も軽減できます。
学習者の自己理解や成長を促進するために効果的な手段となるため、eラーニングの活用がおすすめです。 eラーニングの利点を活かし、クリティカルシンキング研修を効果的に実施しましょう。

 

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