catch-img

評価者研修で組織力アップ!実施方法やプログラム例を紹介

働き方改革やダイバーシティの推進など、以前よりも「平等」や「公平性」が注目される社会になりました。人事評価においても同様に、公平な評価が一層重要視されています。
 
不平等な評価は社員の不満や企業イメージの低下につながり、経営に支障をきたす可能性もあります。しかし、公平な評価を意識していても、無意識のうちに評価者の思考や価値観が入り込み、不適切な評価がなされるケースも少なくありません。
 
より平等な評価をするためには、評価者を教育するための研修が効果的です。
 
この記事では、評価者に起こりやすい課題や、評価者研修の実施方法について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.評価者研修とは?
  2. 2.人事評価における評価者の課題
    1. 2.1.1.寛大化傾向・厳格化傾向
    2. 2.2.2.中心化傾向・極端化傾向
    3. 2.3.3.逆算化傾向
    4. 2.4.4.期末誤差
    5. 2.5.5.ハロー効果
    6. 2.6.6.対比誤差
    7. 2.7.7.論理誤差
  3. 3.評価者研修で取り入れたいコンテンツ
    1. 3.1.人事評価制度の意味・目的について
    2. 3.2.評価者の役割
    3. 3.3.評価基準の理解
    4. 3.4.評価面談/フィードバック面談のスキル
  4. 4.評価者研修の実施手段
    1. 4.1.集合研修
    2. 4.2.eラーニング
    3. 4.3.外部委託
  5. 5.まとめ

評価者研修とは?

評価者研修とは、適切な人事評価を行うための知識やスキルを習得するための研修のことです。一般的には企業の人事や上司など、部下を評価する立場の人に向けて行います。
 
評価者が正しく公平な人事評価を行うことは、社員のモチベーションアップや離職率の低下、組織力の強化などに欠かせません。 

人事評価における評価者の課題

どれだけ公平かつ適切な評価を心がけていても、評価者の主観が入ってしまったり、当たり障りのない評価をしてしまったりなどの問題が生じることがあります。
 
以下では、人事評価における評価者の課題についてご紹介します。自社の状況を振り返り、当てはまるものがないか確認してみましょう。

1.寛大化傾向・厳格化傾向

寛大化傾向とは、評価者が対象者に対して寛大な評価を与える傾向のことです。「社員からよく思われたい」「支援したい」といった個人的な感情が移入するあまり、評価が甘くなるケースは少なくありません。
 
一方、厳格化傾向とは、評価者が対象者に対して過度に厳しい評価を与える傾向のことです。仕事ができる人ほど、自分を評価基準に設定して厳格化しやすいといわれています。厳しすぎる評価は、対象者の自信を喪失させてしまうおそれがあります。 

2.中心化傾向・極端化傾向

中心化傾向とは、評価者が中間値や平均値に評価を偏らせる傾向のことです。部下からの反発や人間関係の悪化などをおそれ、極端な評価を控えてしまう人は多くいます。例えば、5段階評価で「1」や「5」といった評価はせず、「2」「4」といった中間値で評価をしてしまうなどです。
極端化傾向は、中心化傾向とは反対に評価者が極端な評価を行う傾向を指します。「きちんと評価しよう」「中間値に偏らないよう評価しよう」と意識するあまり、このようなことが起こります。極端な評価は評価者の主観や個人の感情が移入しやすいため、注意が必要です。

3.逆算化傾向

逆算化傾向とは、評価の最終結果を先に決めてしまい、その評価から逆算して評価項目を調整する傾向のことです。例えば、「この人はまだ昇進は難しいだろう」と判断した場合に、それに見合うよう各項目を調整するようなケースを指します。

4.期末誤差

期末誤差とは、評価期間の後半の印象に左右されて最終評価を出してしまうことです。1年や半年、四半期といった評価期間がありますが、評価を下すのは評価期間が終了してからとなります。評価期間の前半より後半のほうが記憶として鮮明であることから、評価直前の行動や成果を意識した評価となってしまいます。
 
期末誤差は評価期間が長期間であるほど生じやすくなるため注意が必要です。場合によっては、評価期間の後半だけ努力する社員が増えてしまいます。 

5.ハロー効果

ハロー効果とは、見た目の印象や目立つ特徴に引きずられてほかの評価に影響を及ぼすことです。「清潔感があるからコミュニケーションスキルが高そう」「有名大学出身だから仕事ができるだろう」など、ひとつのポジティブな印象によって関係のない別の評価も高くなるのが一例です。
 
反対に、「太っているから自己管理能力が低いだろう」「見た目がだらしないから仕事も適当だろう」といったネガティブな印象に引っ張られるケースもあります。 

6.対比誤差

対比誤差とは、絶対基準ではなく、自分自身を評価基準にして対象者を評価することです。対比誤差が生じると、これまで自分が行なってきた仕事の仕方や価値観が、評価に反映してしまいます。
 
例えば、自分が高いコミュニケーションスキルをもっていたとします。評価対象者が自分よりもコミュニケーションスキルが劣っていた場合は、厳しく評価されてしまいます。反対に、自分にはない知識・スキルを有していた場合は、過大評価してしまいます。 

7.論理誤差

論理誤差は、評価者が事実を確認せずに論理的に考えて評価を下すことです。具体的には、「コミュニケーションスキルが高いから営業力も高いだろう」といったように、似た事柄と関連づけて推論してしまう評価を指します。評価者の主観や思い込みが評価に反映される点ではハロー効果と共通です。
 
ハロー効果が「見た目や特徴で評価すること」であり、論理誤差は「事実ではなく推論で評価すること」といえます。 

​​​​​​​

評価者研修で取り入れたいコンテンツ

前項でご説明した課題を解決するためには、評価者を対象とした研修を行うことをおすすめします。ここでは、評価者研修で取り入れたい内容をご紹介します。

人事評価制度の意味・目的について

まずは、何のために人事評価制度があるのか、その意味や意義について理解してもらうことが大切です。人事評価を軽視すると、曖昧な評価や主観的な評価につながります。評価結果が、社員のモチベーションや組織力アップに影響することを理解してもらいましょう。

評価者の役割

評価者は、評価される側の理解も大切です。自分が行う評価によって、対象者はどう思うのか、今後の仕事にどう影響するのかを知ってもらいましょう。これにより、評価の重要性や評価者としての責任を認識してもらいます。

評価基準の理解

自社の評価基準を正しく理解していないと、適切な評価はできません。評価基準は企業の目標や業務の要件に基づいて設定されますが、評価項目のなかには明確な数値化が難しいものもあります。例えば「仕事への姿勢」「勤務態度」といった情意評価です。このような主観的になりやすい項目は、研修で具体的に定義を説明する必要があります。 

評価面談/フィードバック面談のスキル

評価面談・フィードバック面談は、評価者から評価対象者への評価を伝え、今後について話し合う重要な機会です。対象者にプラスの評価を伝えるのは簡単ですが、マイナスな評価は慎重に伝えなければなりません。
 
フィードバックの仕方によっては、対象者のモチベーション低下や、自信の喪失につながるおそれがあります。対象者にとって、次回の目標設定につながる「気づき」を与えるようなコミュニケーションスキルを習得してもらうことが必要です。

評価者研修の実施手段

評価者研修の実施手段は主に3つあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、対象人数や予算、自社の状況をふまえて適切な方法を選びましょう。

集合研修

集合研修は、ひとつの会場に受講者を集めて、講義のような形式で研修を進める方法です。一般的には人事部門が中心となって企画を進め、社内講師を立てて行います。
 
受講者同士でのディスカッションやグループワークが可能な点がメリットとして挙げられます。また社内で研修を構築することから、テーマや研修内容を柔軟に設計できる点も特徴です。
 
しかし、開催には会場準備や資料の作成といった多くの労力がかかる点はデメリットです。また、一般的に評価者の多くは管理職ですが、多忙でなかなか日程調整が進まないといったケースもよくみられます。 

eラーニング

eラーニングは、PCやタブレット、スマートフォンなどを利用する研修方法です。プラットフォームを活用して資料や動画、クイズなどの学習コンテンツ(教材)を配信し、受講者に学習してもらいます。
 
eラーニングの大きなメリットは、受講者が「いつでも」「どこでも」受講できることです。研修の度に会場を確保したり、講師を立てたり、日程調整をしたりする必要がなくなります。
 
インターネット環境さえあればどこでも受講できるため、外出先の隙間時間を活用して受講することも可能です。管理者側、受講者側の双方に負担の少ない形式といえます。
 
ただし、評価者研修に取り入れる場合は、管理職向けのコンテンツが多く搭載されたシステムか、独自コンテンツを配信できるシステムを選ぶ必要があるでしょう。
 
eラーニングプラットフォームの「SAKU-SAKU Testing」であれば、企業独自のルールや事業内容に合わせたオリジナルコンテンツが作成可能です。また、管理者が押さえておきたいスキルや知識が学べるコンテンツ「ビジネスマネジメント」もご活用いただけます。
 
ビジネスマネジメントで習得できる内容の一例は以下のとおりです。

ビジネスマネジメントで習得できる内容(人材育成)

ビジネスマネジメントで習得できる内容(コミュニケーション)

eラーニングの受講状況や解答結果などの管理も簡単にでき、メールで受講のお知らせを送ることも可能です。「評価者研修にeラーニングを導入したい」「ビジネスマネジメントを利用したい」とお考えであれば、ぜひ一度お問い合わせください。
 
お問い合わせはこちら

外部委託

自社で講師を立てるのではなく、アウトソーシング会社やコンサルティング会社などに委託して評価者研修を実施してもらう方法です。集合研修を実施したいものの、自社内に人事評価のノウハウがない場合や人的リソースがない場合、根本的な人事評価制度の見直しを考えている場合は外部委託を検討しましょう。
 
ただし、費用が多くかかる点には注意が必要です。一般的な研修サービスの費用相場は半日(3~4時間程度)で10~15万円、1日(6時間程度)で15~30万円といわれており、対象者や対象人数、内容によっても価格は変動します。
 
また、企業独自の考え方や定義といった内容は組み込みにくく、画一的なカリキュラムになる可能性が高いです。予算に余裕がない、オリジナルの内容も取り入れたいといった場合には、ほかの方法を検討することをおすすめします。

​​​​​​​

まとめ

評価者研修は、社員を公平かつ適切に評価するために欠かせません。評価者のスキルを向上させることは、健全な企業運営や社員のモチベーションアップなど、多くのメリットにつながります。
 
評価者研修の手法は以下の3つが挙げられます。
 
・集合研修
・eラーニング
・外部委託
 
自社の人事評価を振り返ってみて、評価基準が曖昧だったり偏りがあるように感じたりする場合は、評価者研修の実施を検討しましょう。

 

組織が発展していくには、社員一人ひとりの能力を向上させることが不可欠です。 そのためにも、企業は個々のスキルアップを促す仕組み作りをする必要があります。 このメディアでは、社員教育に力を入れていきたい企業様に向けて、 教育・研修をメインに社員が成長していくための情報を発信していきます。

試験のDX化、人材教育の課題など、私たちイー・コミュニケーションズが解決します。

お電話でのお問い合わせはこちら

Copyright ©e-communications,Inc.

PAGE TOP