eラーニングの動画教材は自社で作成できる?作成手順やポイントを解説
eラーニングを導入するにあたって、動画教材を社内で作成したいと考える方もいるでしょう。しかし、eラーニングの動画教材は、自社で作成可能なのでしょうか。
また、自社で作成可能な場合、具体的な手順を知りたい方もいるでしょう。そこで今回は、eラーニングの動画教材の自社制作について解説します。
目次[非表示]
- 1.eラーニングに自社で制作した動画を配信できる?
- 2.eラーニングの動画教材のトレンド
- 2.1.数分で終わる短い動画が好まれている
- 2.2.座学から「体験」に変化している
- 2.3.「集団・強制学習」から「個別・主体的な学習」へ
- 3.eラーニングの動画教材を作成する方法
- 3.1.1.目的と対象者を定める
- 3.2.2.企画を立案する
- 3.3.3.仕様書を作成する
- 3.4.4.目次と骨子を作成する
- 3.5.5.スケジュールを決める
- 3.6.6.脚本を作成する
- 3.7.7.動画を撮影する
- 3.8.8.動画を編集・圧縮する
- 4.eラーニングの動画教材を作成するポイント
- 4.1.シンプルな内容にする
- 4.2.アウトプットの機会をつくる
- 5.まとめ
eラーニングに自社で制作した動画を配信できる?
eラーニングを導入する場合、以下のいずれかのシステムを使用するのが一般的です。
・搭載された動画教材を配信できるシステム
・自社で制作した動画を教材化できるシステム
制作した動画を教材化できるシステムを選べば、自社オリジナルの動画をeラーニングで配信できます。
また既存の動画教材と制作した動画教材を併用できるシステムもあります。
セキュリティやハラスメントなどの研修は既存の動画教材、専門領域の研修は自社制作した動画を使用するなど使い分けることで、効率的に効果の高い育成施策を実施できるでしょう。
導入の際は配信スタイルを確認し、自社に合ったものを選ぶことをおすすめします。
eラーニングの動画教材のトレンド
動画教材はテキスト教材よりも受講者の関心を高めやすく、高い学習効果が期待できます。
しかし、動画であれば何でも良いわけではありません。社員のニーズに合わせた内容にしなければ、集中して見てもらえないことがあります。
ここでは、eラーニングの動画教材のトレンドをご紹介します。動画教材を自社で制作する際の参考にしてみてください。
数分で終わる短い動画が好まれている
最近はZ世代を中心に、タイパ(タイムパフォーマンス:時間帯効果)重視で、最短で答えがわかる方法を求める人が増加しています。
eラーニングにおいても、TikTokやYouTubeのショート動画のような短い動画(マイクロラーニング)が好まれているのです。
自社で動画を作成する際は、
・最初に結論を述べる
・押さえておくべきポイントを端的に解説する
・5分程度で終わる
などを意識すると良いでしょう。
長時間の研修であっても、章や項目ごとに動画を分割し、視聴時間を短く収めるのがトレンドです。
座学から「体験」に変化している
これまでeラーニングというと、知識習得のための座学が基本でした。しかし、最近のeラーニングは体験学習に変化してきています。
例えば、RPG(ロールプレイングゲーム)のように接客やトラブル対応などの状況を体験させることで、お客様に合わせた接客方法や問題解決などのスキルを身に付けてもらう方法です。
動画内に実例をもとにしたショートストーリーを盛り込むことが多いですが、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用する企業も出てきています。
座学よりも開発費がかかりますが、より実技に近い研修ができることがメリットです。
「集団・強制学習」から「個別・主体的な学習」へ
従来は、決められた日時に受講者全員がeラーニングの動画を閲覧してテストを受けることが一般的でした。
この手法では、内容が受講者に合っていなかったり、受講者が強制されていると感じてしまったりして、なかなか自分事として捉えられません。費用や時間を費やしても、知識やスキルが身に付きにくい傾向にありました。
最近はこのような手法が見直され、スマートフォンやタブレットなどで、すきま時間に学習する流れになってきています。全員が同じ動画を見るのではなく、AIがその社員に必要な研修を配信する仕組みにしている企業もあります。
自分に合った研修を時間に余裕があるときに受けられるため、知識やスキルが身に付きやすいのが特徴です。
eラーニングの動画教材を作成する方法
次に、eラーニングの動画教材を作成する手順を解説します。
1.目的と対象者を定める
まずは、何のために行うのか=「目的」を明確化しましょう。不祥事防止目的のコンプライアンス研修をしたい、業務のスキルアップを図りたいなど、目的がはっきりしなければ動画の内容が決められません。
全社員参加なのか、特定の社員のみ参加させるのかなど、研修の対象者も決めておくことも大切です。
2.企画を立案する
続いて、研修の目的と対象者に合った内容にするために動画教材のテーマを考えて企画を作成します。
テーマ例としては下記が挙げられます。
・ハラスメント |
文章・イラストなどを使ったスライド形式にするのか、ショートストーリーを盛り込んだリアリティのある内容にするのかなど、骨組みも考えていきましょう。
3.仕様書を作成する
企画案が完成したら、動画教材の目的・対象者・教材名・概要・修了要件などを定めた仕様書を作成します。動画作成者全員で教材の完成形を共有し、途中で内容や方向性がブレないようにするためです。
仕様書を見れば作成時の流れが把握できるので、作成担当者がいなくても動画をバージョンアップしやすくなるというメリットもあります。
また、今後似たような教材を作成するときに一から考える必要がなくなるので、時間も節約できるでしょう。
4.目次と骨子を作成する
続いて、仕様書をもとに学習の範囲・順序・深度などの骨子を考え、目次に落とし込んでいきます。動画教材の目的を最上位に置いて、学習範囲に応じて分解・構造化しましょう。
例えば、不祥事防止のためのコンプライアンス研修の動画を作成する場合、以下のように学習させたい範囲・深度に合わせて目的を分解し、構造化していきます。
目的:コンプライアンスについて理解し、不祥事を防止する |
分解した内容を章として、目次に落とし込んでいきましょう。
章 |
節 |
コンプライアンスとは |
コンプライアンスとは○○ |
コンプライアンスが重要な理由 | |
日常業務でのコンプライアンス |
例1:○○ |
例2:○○ |
5.スケジュールを決める
次に作成した目次と骨子をもとに必要な作業を洗い出し、それぞれの工程にかかる時間を考えて、スケジュールを決めましょう。
スライド作成やナレーション台本作成、動画撮影など作業しなければならないことが多々あります。抜け漏れがないように注意しましょう。
6.脚本を作成する
スケジュールが決まったら、ナレーターやカメラマンなど、動画作成に関わる全員が動画の流れを理解できるように脚本を作成します。
画面のレイアウトや出演者の動きなどをイメージしやすいように、絵コンテもつけておくのがおすすめです。
7.動画を撮影する
脚本が完成したら、その流れに沿って動画を撮影しましょう。
実写の場合はあらかじめロケハン(撮影場所の自然光の有無をチェックしたり出演者の配置を決めておいたりする)と、撮影がスムーズに進みます。
社外で撮影する場合は、事前に撮影許可を取ることを忘れないようにしましょう。
8.動画を編集・圧縮する
撮影が終わったら、よりテンポ良くわかりやすい内容になるよう動画を編集しましょう。不要な部分をカットするだけでなく、テロップをつけたり明るさを調整したりすると、より見やすくなります。
編集が終わったら、ネットワーク上で配信できるように圧縮しましょう。基本の画面サイズは横853px×縦480pxです。前後のビットレートは500Kbpsに、フレームレートは30にしておくと良いでしょう。
eラーニングの動画教材を作成するポイント
ここでは、より良いeラーニングの動画教材を作成するために押さえておきたいポイントを解説します。
シンプルな内容にする
eラーニングの動画教材は、できるだけシンプルな内容にしましょう。動画の内容が複雑だと、理解度が下がって学習効果が落ちてしまいます。
いろいろと盛り込みたくなる気持ちを抑えて、これだけは理解してほしいと思うことにポイントを絞りましょう。シンプルな動画にしておくと、内容の修正・更新もしやすくなります。
アウトプットの機会をつくる
eラーニングは非常に効果的ですが、インプットに偏ると学習効果を期待できません。
理解度テストやレポート課題などを実施してアウトプットの機会をつくることをおすすめします。テスト・課題の結果から、どの程度の学習効果が得られたのかを分析することも可能です。
理解度テストの作り方について知りたい方は下記の記事をご覧ください。
「理解度テストの作り方とは?知識を定着させるポイント」
まとめ
eラーニングに動画教材を盛り込むと、より効果的な教育プログラムが設計できます。しかし、動画教材をすべて自社制作するのは、手間も費用もかかるので負担が大きいでしょう。
そのため、研修内容の一部のみ動画教材にしたり、既存の動画教材を使ったりすることがおすすめです。
SAKU-SAKU Testingなら、豊富な動画コンテンツを利用できるのはもちろん、自社制作した動画を教材として使用できます。
トレンドのマイクロラーニングに最適な動画コンテンツも提供していますので、自社制作の動画教材を使ったeラーニングを始めたい企業様はぜひご検討ください。
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