社内研修をオンライン化するメリットは?効果の出る進め方も解説
さまざまな分野でのオンライン化が進む中、研修もオンラインで行われるようになってきています。オンライン研修の導入を検討されている企業のご担当者様もいらっしゃるかもしれません。しかし初めてだとイメージが湧かなかったり、具体的な検討ができなかったりするのではないでしょうか。
この記事では、オンライン研修とはどういったものか、また具体的なやり方・メリット・成功させるコツについてまとめています。導入を検討しているのなら、ぜひご参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.オンライン研修とは?
- 2.リモート研修とオンライン研修の違いは?
- 3.オンライン研修の効果・メリット
- 3.1.①場所や時間の制限が少ない
- 3.2.②方法によってはリアルタイムでコミュニケーションが取れる
- 3.3.③研修の質を均質化できる
- 4.オンライン研修の流れ
- 4.1.①教材を準備する
- 4.2.②タイムスケジュールを組む
- 4.3.③配信のリハーサルを行う
- 4.4.④受講者にもツールなど起動確認をしてもらう
- 4.5.⑤研修を実施する
- 4.6.⑥改善点を検討する
- 5.オンライン研修の導入にはサービス・ツールも活用できる
- 6.オンライン研修サービス・ツールを選定するポイント
- 6.1.実施する研修に応じてタイプを選ぶ
- 6.2.自分の業種・業態に合ったものを選ぶ
- 6.3.サポートが充実しているサービス・ツールを選ぶ
- 6.4.操作性をチェックしておく
- 7.オンライン研修の課題は?
- 7.1.①配信ツールを扱うにはスキルが必要になる
- 7.2.②通信環境の整備が必須
- 7.3.③受講者の理解度を計りながら進めるのが難しい
- 7.4.④実技を伴う研修にはやや不向き
- 8.オンライン研修はほかの研修方法と組み合わせるのが成功のポイント
- 9.まとめ
オンライン研修とは?
「オンライン研修」は、主にリアルタイムの講義をインターネットなどで配信して、受講者がそれを視聴して学習する研修のことをいいます。オンラインでのグループワークやグループディスカッションなどを組み合わせる場合もあります。
ライブでの配信が多いため、日時を決めて行い受講者はその時間に参加する形式が一般的です。ライブ配信ではなく、録画した講義を配信することもあります。録画の場合は一定期間視聴できるようにして、受講者の都合のよいタイミングで受講できるようにすることがほとんどです。
受講場所はとくにルールはありません。受講者の自宅などの場合と、会社などで集団で受講する場合があります。
リモート研修とオンライン研修の違いは?
「オンライン研修」という語に加えて、「リモート研修」という言葉もあります。オンライン研修もリモート研修も同じ意味を持つ言葉です。そのほか、「WEB研修」「ウェビナー」もオンライン研修と同義です。
違うニュアンスで使われる名称としては「eラーニング研修」があります。eラーニング研修は、リアルタイムの配信よりも主に録画動画や文字ベースの教材を使ったオンラインの研修を指します。
eラーニングでもリアルタイムの配信を行うこともあり、その場合、事実上内容は同じことになります。
オンライン研修の効果・メリット
オンライン研修の主なメリットとしては次の3点が挙げられます。
・場所や時間の制限が少ない
・方法によってはリアルタイムでコミュニケーションが取れる
・研修の質を均質化できる
ひとつずつみていきましょう。
①場所や時間の制限が少ない
オンライン研修最大のメリットは、場所や時間の制限が少ないことです。実施する側が指定しない限り、受講者は好きな場所で視聴・受講することができます。
場所・時間の制限がないため、実施側も準備の作業を減らすことができます。一方、会場型の研修は収容人数に合わせて会場を選ばなくてはいけません。そのため人数の確定や場所の検討・確保といった作業が発生します。
オンライン研修は参加者数が多くなっても会場のキャパシティの問題がなく、人数の確定といった作業も不要です。また、交通費や宿泊費などのコストが削減できます。
形式によっては、実施時間も決める必要がありません。その場合は日程調整の手間も省けます。
②方法によってはリアルタイムでコミュニケーションが取れる
ライブ配信による研修の場合は、チャット機能やブレイクアウト機能を利用して講師やほかの受講者とコミュニケーションを取ることが可能です。
チャット機能では、講義中に質問を送ったり、意見を述べて共有したりすることができます。リアルの研修で質問や発言をするよりも、チャットのほうが気持ちのハードルが低く発言しやすい環境といえます。
また、ブレイクアウト機能を使えばディスカッションや意見交換をすることができます。講義と組み合わせれば、習熟度を深めたり多角的な視点をもたせたりすることが可能です。
③研修の質を均質化できる
オンライン研修では受講者全員に同じ講義を配信できるため、講師による内容や品質の差がなくなります。複数の場所で研修を行うと、どうしても講師の指導力によって講義の内容や品質、進度に違いが出てしまいます。
オンライン研修ならば遠距離でも同じ講義を受講できるため、均一的な社員教育が実現します。
オンライン研修の流れ
オンライン研修の流れは下記のとおりです。
①教材を準備する
動画を収録し、必要に応じて文字ベースの教材や資料を作成します。ライブでの講義形式でも話す内容をまとめたレジュメを用意しましょう。テキストを使う場合は、当日に間に合うようデータを送信したり印刷・配布したりしておきます。
②タイムスケジュールを組む
次に、研修当日のタイムスケジュールを組みます。研修の進行は、内容をぎちぎちに詰め込まずに余裕のあるタイムスケジュールにしましょう。
ひとつの講義やワークを30分〜1時間程度で組むことで、受講者が集中してオンライン研修を受けられます。
また、画面を見続けるオンライン研修は、対面の研修よりも疲れやすいです。適度に休憩を挟んだり、軽く運動する時間を挟んだりして、受講者が疲れない工夫をしましょう。
③配信のリハーサルを行う
機材や担当者の操作など事前にリハーサルして、問題なく配信できるかどうか確認します。とくにリアルタイムで配信する場合は必ず行いましょう。
実際の流れと同じように通してみて、不備がないかチェックします。
④受講者にもツールなど起動確認をしてもらう
配信側だけでなく、受講者にも事前に問題なく視聴できるか確認してもらいます。事前にオンライン研修の操作マニュアルを用意し、共有しておくと安心です。
パソコン操作に慣れていない受講者がいる場合は、マイクやカメラのオン・オフの切り替えなどテクニカルトレーニングを実施するのもおすすめです。
研修当日のトラブルを避けるためにも、受講者のスキルに応じて事前に操作をする機会を設けましょう。
また、研修当日1週間前くらいにはツールやアプリをインストールしてあるか・起動や視聴に支障がないかなどの確認を促すことがおすすめです。当日の開始ギリギリになって不備に気づくことのないよう、余裕をもってチェックしてもらいます。
⑤研修を実施する
WEB会議ツールや、動画配信ツールで配信したり、グループディスカッションや質疑応答などをしたりします。ライブ配信の場合は万が一のトラブルに対応できる体制を整えておきましょう。
また、スムーズに進行できるように、講師のほかに司会進行役を置くことをおすすめします。遅れそうなときのコントロールなどの対応は進行役が担います。タイムキーパー役と司会を別に立てておくとさらに安心です。
研修中は、受講者はカメラをオン・マイクをオフにすることが基本です。細かいことのように感じられるかもしれませんが、スムーズな進行のために必要です。
⑥改善点を検討する
研修後にアンケートをとったり、担当者の意見や感想をまとめたりして、改善点がないか検討します。内容に応じて解決策を練り、すぐに対応できるものは実行しましょう。
追加施策を講じた後に理解度テストやレポート出題を行うと、効果検証が可能です。検証結果をもとにさらなる改善点がないか見直し、PDCAを回していきましょう。
また、理解度テストやレポート出題は受講者の知識定着にもつながります。
苦手な内容を把握するためにも、出題範囲を広く設定し、難易度は少し難しめに調整することがおすすめです。結果に応じてフィードバックしたり、実務でフォローを行ったりするなど、各受講者に合わせた対応がしやすくなります。
オンライン研修の導入にはサービス・ツールも活用できる
研修のオンライン化なら録画を共有したり、オンライン会議ツールを導入したりするだけでも対応できますが、オンライン研修サービスやツールを導入すればより高い教育効果を得られます。
オンライン研修サービスやツールには、以下のような機能が備わっています。
・コンテンツ受講機能
・受講管理機能
・受講促進機能(コメント機能やスタンプ機能など)
・録画機能
・グループディスカッション機能
・セキュリティ機能
自社の研修内容や目的に合わせたサービスやツールを導入することで、教育施策の効果を高められます。
オンライン研修サービス・ツールを選定するポイント
オンライン研修サービスやツールを選定する際は、下記のポイントを意識しましょう。
・実施する研修に応じてタイプを選ぶ
・自社の業種や業態に合ったものを選ぶ
・サポートが充実しているサービスやツールを選ぶ
・操作性をチェックしておく
それぞれ下記で詳しく解説します。
実施する研修に応じてタイプを選ぶ
オンライン研修には、大きく分けて「汎用性の高いタイプ」「必須研修の受講に適したタイプ」「教材作成や管理機能に優れたタイプ」があります。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
種類 |
特徴 |
汎用性の高いタイプ |
必須研修だけでなく、基礎研修から専門的な内容まで幅広いコンテンツを配信できる |
必須研修の受講に適したタイプ |
専門性の高いコンテンツを配信できる |
教材作成や管理機能に優れたタイプ |
自社で作成した既存の教材をオンライン化できる |
自分の業種・業態に合ったものを選ぶ
現場社員の教育の場合、接客やクレーム対応など企業(店舗)独自の研修内容が必要な場合もあります。
その際は、提供会社の導入実績や口コミなどを参考にして、自社と同様の業界や職種での実績があり、評価を得ているところを選ぶと安心です。
サポートが充実しているサービス・ツールを選ぶ
オンライン研修を始めて導入する場合は、運用に関する不安が出てきやすいため、サポートが充実している提供会社を選ぶと安心です。
問い合わせへの回答のみではなく、運用のサポートをしてくれる提供会社であれば、教育施策の成功につながりやすいです。
操作性をチェックしておく
多くのオンライン研修サービスやツールではトライアル利用が可能なため、購入する前に、実際のコンテンツや操作性を確認しましょう。
受講者のデジタルスキルにも配慮しつつ、使いやすさを検討してください。
オンライン研修の課題は?
オンライン研修を教育施策に効果的に活用するには、課題と対策を知っておくことも重要です。
オンライン研修の課題は以下のとおりです。
・配信ツールを扱うにはスキルが必要になる
・通信環境の整備と確認・トラブル対策が必須
・受講者の理解度を計りながら進めるのが難しい
・実技を伴う研修にはやや不向き
ひとつずつみていきましょう。
①配信ツールを扱うにはスキルが必要になる
自社の講師がオンライン研修をする場合、ツールを扱うのが難しいケースもあります。
配信ツールをオンライン研修で使うには、画面を共有したり、ブレイクアウトルームへ適宜切り替えたりなど機能を使いこなす必要があります。
配信ツールの扱いに慣れている方やPC操作が得意な方が講師を担当するのであればなら問題ありませんが、そうでない場合は録画方式のほうが実施しやすいでしょう。
実際に、eラーニングを導入して録画方式で研修を行っている企業も多くあります。
社内研修のeラーニング化にご興味がある方は、運用実績20年以上の「イー・コミュニケーションズ」へご相談ください。
②通信環境の整備が必須
オンライン研修では通信環境のトラブルがありうるため、通信に問題がないか確認しておきましょう。受講者が一度に視聴したときの通信速度などはリハーサルができませんが、契約内容などから想定して対策しておくと安心です。
③受講者の理解度を計りながら進めるのが難しい
録画を配信する場合はもちろんですが、リアルタイムの配信でも受講者の反応や表情がわかりにくかったりします。対面研修のように、受講者の様子を見ながら補足したり説明を変えたりしながら講義を進めるのが難しくなります。
対応策としては、オンライン向けに講義を組み立てることをおすすめします。例えば、まめに質問時間をはさむ・チャットで質問を受け付けるなどの方法が考えられます。研修前に、知りたいこと・聞きたいことのヒアリングを行っておくのも良いでしょう。
④実技を伴う研修にはやや不向き
接客や調理技術など、実技を伴う内容には不向きな面もあります。例えば、調理中のにおいの変化などは画面ではどうしても伝えられません。また受講者がやってみてそれにアドバイスするというのも多少やりにくい部分があります。
自社の研修に伝えにくい点があった場合、どうやったらカバーできるか考えてみましょう。
オンライン研修はほかの研修方法と組み合わせるのが成功のポイント
オンライン研修に限りませんが、ひとつの方法だけで研修を行うのではなく、いろいろな研修方法を組み合わせると高い効果が得られます。
各研修方法の利点を活かすように使い分けるという考え方です。
研修方法 |
メリット |
オンライン研修 |
いつでもどこでも研修が受けられる |
eラーニング |
知識系の学習に適している |
対面研修 |
実技を伴う研修や交流のチャンス作りに向いている |
eラーニングで予備知識を習得させておき、オンライン研修で知識を整理、対面研修でディスカッションやグループワークなどを行うと、それぞれの利点を活かすことができます。
交流は対面・リアルでないと不可能と思われがちですが、オンライン研修でもグループワークなどを通じて交流することができます。
オンライン研修は比較的新しい手法なので、可能性を試す余地が大きいといえるでしょう。自由な発想で活用すれば、思わぬ効果が得られるかもしれません。
まとめ
オンライン研修は、ポイントを押さえて行えばメリットの多い研修方法です。ぜひ導入を検討してみてください。また、eラーニングや対面研修など、ほかの方法と組み合わせてそれぞれの利点を活かすことで、より効果的な研修を設計することができます。
研修の一環としてeラーニングの導入をお考えであれば、ぜひ「SAKU-SAKU Testing」をご検討ください。知識の定着にテストを用いる「テストエデュケーション」で学習でき、オンライン研修を補完する知識習得に高い効果があります。
教育担当者様の声を反映したUIデザインで、誰でも簡単に直感で操作することが可能です。研修を実施する側・受講者側、いずれも効率的に利用できます。
また、ビジネスの場で活用できるマイクロeラーニングコンテンツを多数ご用意。最低限押さえておきたいハラスメントや情報セキュリティ教育から、内定者向け、管理職向けのコンテンツなど、幅広く取り揃えています。
コンテンツ・システム・運用すべてをサポート、さらに、ご希望の場合代行も承ります。
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