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オンボーディング研修とは? 効果的なオンボーディングの進め方とポイント・事例をご紹介

オンボーディングという言葉は、もともと「船や飛行機に乗り込む」という意味の英語「onboard」から来ています。 ビジネスでは、新しく入社した人が「会社という船に乗って」 スムーズに仕事や環境に慣れて新入社員が早く会社に会い、安心して働けるようサポートするための大切なステップとして、今では人材管理のワードとして広く使われています。

本記事では、具体的にオンボーディング研修ではどのような施策を行っているのか、オンボーディング研修の効果やポイント、実際に導入している企業の事例を解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.オンボーディング研修の基本と目的
    1. 1.1.オンボーディングの定義
    2. 1.2.オンボーディングとOJTの違い
    3. 1.3.オンボーディングが注目された背景
  2. 2.オンボーディングのメリット
    1. 2.1.新入社員の成長スピード向上
    2. 2.2.離職防止と採用コスト削減
  3. 3.オンボーディングを行うための手順
    1. 3.1.目的の設定
    2. 3.2.環境の構築
    3. 3.3.計画の策定
    4. 3.4.計画の実行
    5. 3.5.定期的な振り返りと改善点の見直し
  4. 4.オンボーディングを成功させるためのポイント
    1. 4.1.信頼関係構築が重要
    2. 4.2.教育体制の強化
      1. 4.2.1.オンボーディングに利用するeラーニングシステムにはSAKU-SAKU Testingがオススメです!
    3. 4.3.スモールステップ法を導入する
    4. 4.4.メンター制度の導入
    5. 4.5.トレーナーを育成する環境を整える
  5. 5.具体的なオンボーディング事例
    1. 5.1.Googleの取り組み
    2. 5.2.メルカリの事例
    3. 5.3.株式会社ヤプリの事例
  6. 6.まとめ

オンボーディング研修の基本と目的


オンボーディングとは聞いたことがあるけど、通常の新人研修や、OJT研修等との違いがよくわからないといった方も多いのではないでしょうか?
オンボーディングとは、新入社員が組織に馴染み、必要なスキルや知識を効率的に習得するプロセスを指します。

活躍している新人は、早くから企業に馴染んでいるというケースが多く、社員の即戦力を増やすにはオンボーディングは企業として重要な取り組みです。

オンボーディングは企業文化や価値観を理解させることで、新入社員が企業と同じ方向を見つめ、業務に取り組める環境を提供したり、新しい職場環境にスムーズに適応し、業務に必要な知識やスキルを習得できる環境を提供することが目的になります。

オンボーディングの定義

先ほども伝えたようにオンボーディングは、新入社員が会社に入社した後、スムーズに環境に適応し、業務に必要なスキルや知識を習得するために設けられた一連の支援活動を指します。
具体的には幅広く、企業文化や社内規則の理解を深めたり、企業目標や経営戦略について学ぶことも、社員が早く馴染むためには重要です。

オンボーディングとOJTの違い

オンボーディング研修とOJT研修は似ていますが研修内容が異なります。

OJT(On-the-Job Training)は、具体的な業務を通じて実践的なスキルを学ぶことを目的としています。上司や先輩社員が業務を教えながら、その場で新しいスキルや知識を身につけさせる形式の研修です。OJTでは、業務の具体的なやり方やノウハウ、業務に必要なスキルを実践的に学ぶことが主な目的となります。

一方で、オンボーディングは業務開始前にチームメンバーとの交流の場を設けたり、メンター制度を導入したりすることで、質問や悩みを相談しやすい環境作りをします。
また、目的も異なり会社の文化、ルール、価値観、組織体制を理解させ、新しい環境に馴染むことを目的としています。
具体的にはオリエンテーションや研修、他部署との交流などを行うことが一般的です。
オンボーディングの期間は数週間から数ヶ月に及ぶことが多く、その期間内に新入社員が会社に定着し、企業のエンゲージメント率を高め、長期的に活躍できるようにします。

簡単に言うと、オンボーディングは会社全体に慣れるためのプロセスであり、OJTは特定の業務をこなすための実践的な研修です。
この二つを組み合わせることで、新入社員の早期戦力化を図ることができます。

オンボーディングが注目された背景

オンボーディングが近年注目されるようになった理由は、主に転職者の増加が挙げられます。
近年の働き方は働き方改革や価値観の変化によって、キャリアの多様化が進み、転職する人が増加しています。
このような背景から、企業は新しい従業員の早期離職を防止することや、社員の定着率をあげることが求められています。


オンボーディングのメリット


オンボーディングを適切に実施することにより、多くのメリットが企業にとって期待できます。主なメリットには下記のようなものが挙げられます。
・新入社員の成長スピード向上
・離職防止と採用コスト削減

それぞれのメリットを詳しくみてみましょう。

新入社員の成長スピード向上

オンボーディングを経て新入社員は迅速に成長することが可能になります。
オンボーディングを行うことで、会社に素早く馴染むことができます。
それによって、社員自身も質問やコミュニケーションが取りやすく、業務をより早く理解することができます。

離職防止と採用コスト削減

オンボーディングは、離職防止に寄与する要素と密接に関連しています。
新入社員が職場に早く馴染むことで、長期的な定着が期待でき、結果として採用にかかるコストを削減することができます。
企業文化や価値観の理解を促すことで、新入社員の安心感が増し、仕事へのエンゲージメントも高まります。


オンボーディングを行うための手順


オンボーディングは、新入社員の満足度を高め、早期に活躍できるようサポートする重要なプロセスです。
以下では、オンボーディングを効果的に進めるための手順を説明します。

目的の設定

オンボーディングの手順において、まずは目的を設定します。
新入社員に何を学んで、どのような成果を出してほしいのか、どのようなスキルや知識を身につけて欲しいのかを明確にします。
人材育成において、限られた研修期間中に成果を出すためには、目的から逆算して、計画をたてる必要があります。

環境の構築

適切な環境を構築することで、新人が業務にスムーズに溶け込める体制を整えることが可能です。
例えば、オフィスのインフラやチーム内のコミュニケーションツールの整備などが挙げられます。
また、業務に必要なリソースも整え、フォローアップの体制を事前に用意することが大切です。これにより、新入社員は安心して業務を始められるでしょう。

計画の策定

オンボーディングの計画を策定することは、成功に向けた重要なステップです。
設定した目的を達成できるような計画をたてる必要があります。
具体的には、3カ月間という期間で目的を達成するためには、逆算して、「1カ月後には〇〇ができるようになる」、「2カ月後には〇〇ができるようになる」など、細かい目標を立てて、段階を踏むことで、最終的な目的を達成できるような計画を立てるのが良いでしょう。

計画の実行

計画を策定したら、オンボーディング計画の実行をします。
実際にオンボーディング計画を実行するとうまくいかないこともあります。
その際には、課題をまとめ、どうしたらうまくいくか検討し、改善していきます。

定期的な振り返りと改善点の見直し

オンボーディングのプロセスが進む中で、定期的な振り返りを行うことが大変重要です。
この振り返りは、新入社員の成長を確認するだけでなく、プロセス全体の見直しにもつながります。
具体的には、目標の達成度や、新入社員からのフィードバックを基に改善点を特定し、次回のオンボーディングプランに反映させることが求められます。
これにより、企業内での継続的な学びが促進され、各社員の成長に寄与する環境が形成されます。


オンボーディングを成功させるためのポイント


オンボーディングを成功に導くためのポイントを紹介します。

信頼関係構築が重要

信頼関係の構築は、オンボーディングの要といえます。
上司や同僚との良好な関係が築かれることで、チーム内の連携が向上し、新人が業務に取り組む際の安心材料となります。
具体的な施策は定期的な1対1の1on1ミーティングやチームビルディングの活動などを行うことがオススメです。
このような取り組みを通じて、仲間意識を育み、組織に対する愛着を深めることができます。

教育体制の強化

教育体制を強化することも、オンボーディングを成功させるための重要な要素です。
新入社員が必要なスキルや知識を効率的に学べる環境が整っていると、彼らの成長をサポートすることができます。
社員同士顔を合わせる機会ができるような集合研修を行うことや、近年在宅ワークが増えているため、在宅中にも研修・学習をすることが可能なツール、eラーニング等を導入することなどがオススメです。

オンボーディングに利用するeラーニングシステムにはSAKU-SAKU Testingがオススメです!

イー・コミュニケーションズの提供しているeラーニングシステム「SAKU-SAKU Testing」は、自社独自の教材と、イー・コミュニケーションズが提供している教材を組み合わせて利用することが可能です。
また、「SAKU-SAKU Testing」はCBT(Computer Based Testing)の技術と実績を基に開発されたeラーニングプラットフォームであり、教育効果、知識の定着率で多くの支持をいただいております。
そのため、自社独自のルールや、業務内容などをSAKU-SAKU Testingを用いてeラーニング化することで、新入社員はより早く会社に馴染むことができます。
SAKU-SAKU Testingに関する資料はこちらから無料でダウンロードできます。

スモールステップ法を導入する

スモールステップ法を導入すると、オンボーディングが一層効果的になります。
スモールステップ法とは、難しいタスクや学習内容を小さく分け、段階的に取り組むことです。
心理学に基づくこの手法は、目標を達成するために必要なステップを小分けにすることで、無理のないペースで確実に前進できるとされています。各ステップごとに達成感や自信を得やすいため、モチベーションの維持に役立ちます。

新入社員にとって入社後は直面する課題や新しい知識の量が、非常に多くなることがあります。
そのため、急激に大量の情報を学ばなければならない状況は、社員にとってプレッシャーとなり、ストレスを感じやすくなることがあります。
スモールステップ法を活用することで、このような負担を軽減し、スムーズな適応を促進できます。
これによって、初期の負担が軽減され、より理解が深まりやすくなります。

具体的には、最初の数週間で取り組む業務を限定し、その後徐々に新しいタスクを追加していく形が考えられます。

メンター制度の導入

オンボーディングを効果的に進めるためには、従業員が新しい職場環境や業務にスムーズに適応できるサポート体制が欠かせません。
その一つの方法として、「メンター制度」を導入することが有効です。
メンター制度は、経験豊富な社員が「メンター」として、新入社員に対して業務だけではなく、職場環境への適応をサポートする仕組みです。

メンター制度の導入は、新入社員が困難に直面した際の相談や、知識や経験を共有できるため、新入社員にとって安心材料となります。

トレーナーを育成する環境を整える

オンボーディングを効果的に進めるためには、メンターや新人教育を担当する社員が適切に指導できるスキルをもっていることが重要です。
そのために、企業は「トレーナー」を育成する環境を整える必要があります。
トレーナーが新入社員にわかりやすく指導するためには、専門知識だけでなく、効果的な教え方やコミュニケーション能力が必要です。
トレーナーに対する教育スキルのトレーニングを提供することで、新入社員がよりスムーズに知識習得できるようになります。

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具体的なオンボーディング事例


企業は、自社の文化やニーズに合わせた独自の戦略を導入し、新入社員の早期定着と成長を目指しています。
オンボーディングが効果的に行われている企業の事例を紹介します。

Googleの取り組み

オンボーディングを効果的に活用している企業として、Googleはその代表格と言える存在です。
Googleは、社員の適応力を最大限に引き出し、早期に業務に貢献できるようにするため、独自のオンボーディングのプロセスを徹底しています。
新入社員がスムーズに職場環境に馴染むだけでなく、Googleの企業文化を理解し、スムーズにパフォーマンスを発揮できる環境を提供しています。

具体的な施策の1つにマネージャーへ向けた独自の5つのチェックリストがあります。以下の5つのタスクを実施することがマネージャーに求められています。

1.新入社員と役割や責任について詳しく話し合う
新入社員が自分の業務内容や期待される成果を正確に理解できるように、しっかりと説明します。
2.新入社員がチームの一員として仲間と連携できるようサポートする
同僚との協力関係を築くために、適切なタイミングでチームメンバーとの交流を促します。
3.新入社員が社内での人脈を築く手助けをする
部署内外の人々とのネットワーク作りを支援し、仕事でのサポート体制を整えます。
4.入社後6ヶ月間、月に1回のオンボーディングチェックインを設定する
新入社員の進捗や不安を確認するために、定期的な面談を実施しサポートします。
5.新入社員が自由に意見や質問をしやすい環境を作る
オープンな対話を促進し、意見交換やフィードバックを積極的に受け入れる風土を作ります。

メルカリの事例

フリマアプリを運営しているメルカリでもオンボーディングの施策を実施しています。
コロナ禍により、リモートワークが増え、オンボーディングの難易度が上がっている中、メルカリはエンジニアへ向けたオリエンテーションを実施しています。
具体的な施策は以下の5つです。

・エンジニアオリエンテーション
メルカリのエンジニアリング組織体制、現状、課題、将来の展望についてCTOが新入社員へ共有することで、社員の組織への理解を深めることができます。

・オンボーディングポータル
新入社員の時はわからないことが多く、リモートだと気軽に質問しにくい環境にあります。
そのため、必要な情報をまとめたオンボーディングポータルに集約し、必要な情報をいつでも確認できる環境を整えています。

・知識豊富なメンターのアサイン
メルカリでは、経験豊富なメンターを新入社員へ割り当てます。
また、各技術領域ごとにオンボーディングのフレームワークを作っているため、統一されたプログラムをうけることができます。

・メンターとのリモートランチ
業務で関係作りをしたほうが良さそうなメンバーを招待して、一緒にリモートランチをします。

・サーベイによる状況チェック
各技術分野ごとに独自のKPIを設定し、進捗をサーベイで確認しています。
リモートでのオンボーディング状況を可視化することで、適切なサポートができる仕組みを作っています

株式会社ヤプリの事例

コードを書かずに誰でも簡単にスマートフォン向けのアプリを作成・運用できるプラットフォーム「Yappli」を提供する株式会社ヤプリでは、オンボーディングに「YOP(Yappli On boarding Program)」を実施しています。
このYOPでは、以下のような施策を行っています。

・メンター制度
株式会社ヤプリでのメンター制度は新入社員1人に対して、必ず1人のメンターがついています。

・デモアプリ作成
自社のサービスを知るためにデモアプリの作成をします。

・コミュニケーション環境の整備
オフィスに出社できない環境でもZoomやSlack、情報共有ツール等を駆使してコミュニケーションをとれるように整備しています。


まとめ

オンボーディングは、新入社員が職場に早く馴染むための重要な取り組みです。効果的なオンボーディングが行われることで、従業員の成長が促進され、企業全体の業績にも良い影響を与えます。
オンボーディングを取り入れる際は是非他社の成功事例等をチェックして自社のスタイルにあったオンボーディングを実施してみてください。

 

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