社内研修をYouTube配信するメリット・デメリットは?活用方法や注意点もご紹介
社内研修をYouTubeで配信することは、リモートワークの普及に伴い、多くの企業で注目されています。社員のスキル向上を目指す研修担当者は、コスト削減や学習の柔軟性の向上などのメリットを享受しながら、情報漏洩のリスクや受講者のモチベーション維持などのデメリットにも対処する必要があります。
この記事では配信方法などを詳しくご紹介しながら、これから導入をお考えの人事・教育担当者向けに解説していきます。
目次[非表示]
- 1.社内研修をYouTubeで配信しても大丈夫?
- 2.YouTubeの通常公開と限定公開は何が違う?
- 3.社内研修をYouTubeで配信する主なメリット
- 3.1.①場所にとらわれることなくアクセス可能
- 3.2.②コスト削減が可能
- 3.3.③研修の品質が統一できる
- 3.4.④繰り返し視聴が可能
- 4.社内研修をYouTubeで配信する主なデメリット
- 4.1.①情報漏洩のリスクがある
- 4.2.②視聴履歴を細かく管理できない
- 4.3.③受講者の理解度の把握が難しい
- 4.4.④高品質な動画制作にはコストと時間がかかる
- 4.5.⑤対面研修時のようなコミュニケーションが取りづらい
- 5.社内研修をYouTube配信する際のポイント
- 5.1.目的設定
- 5.2.研修内容の範囲を設定
- 6.社内研修をYouTube配信する際の具体的な活用事例
- 6.1.新入社員オリエンテーション
- 6.1.1.オンデマンド配信の注意点
- 6.1.2.ライブ配信の注意点
- 6.2.業務マニュアルの配信
- 7.まとめ
社内研修をYouTubeで配信しても大丈夫?
社内研修の効率と効果を大きく向上させ、予算を抑えたい人事部門や研修担当者にとってYouTubeは効果的なプラットフォームで、活用している企業が増えています。一方で、社内情報の外部への流出リスクがあるなど、気をつけなければいけないことが多々あります。社内研修で使用する場合は情報漏洩の対策をしっかり行い、効果的な社内研修が行えるような工夫が求められます。
YouTubeの通常公開と限定公開は何が違う?
YouTubeの通常公開は誰でも視聴可能で、広く情報を共有する際に適しています。しかし、情報漏洩の観点から社内研修には限定的な利用が望ましく、通常公開は社内研修に不向きなことが多いです。限定公開は指定されたユーザーやグループのみがアクセスでき、社内研修コンテンツのセキュリティを確保しながら必要な社員に情報を提供できるため、企業研修に最適です。限定公開を用いることで、外部への情報漏洩リスクを最小限に抑え、研修の質を保ちながら社内の知識共有を実現し、特定の社員にのみ情報を届けることで効果測定もしやすくなります。
しかし、限定公開といっても、URLを知られてしまうと社外の人でも見ることができるので、URLを他の人に伝えないように社内で周知をしたり、そもそもYouTubeに掲載する動画には社内情報を載せないなどの配慮が必要です。
社内研修をYouTubeで配信する主なメリット
ここでは社内研修をYouTubeで配信する主な4つのメリットについて解説していきます。
①場所にとらわれることなくアクセス可能
オフィス内だけでなく、出張先や自宅など様々な場所で研修が求められる現在、YouTubeを用いた社内研修配信は、場所や時間の制約にとらわれずアクセスできるため、大きなメリットといえるでしょう。制約の少なさから、受講者の学習率向上が期待できます。
②コスト削減が可能
YouTubeを活用した社内研修の導入によりコストの削減も実現可能です。講師の手配、会場の準備や設営などの人件費が不要となるため、大幅なコスト削減が期待できるでしょう。
また、研修ビデオは1度作成すれば何度も使用でき、追加の費用がかからないため、繰り返し行う研修にも有効活用できます。
③研修の品質が統一できる
YouTube配信を用いることで、受講者全員が高品質で同じ内容の研修を受講できます。制作したコンテンツはほかの動画作成の際にも応用可能なため、新しい動画を作成する際、1から制作する手間を省けます。情勢に伴い配信内容に変更があった際も、動画説明欄やコメント機能を通じて追加情報の共有が可能なため、簡単に配信内容の更新ができます。
④繰り返し視聴が可能
YouTube研修は繰り返し視聴できるため、復習がしやすいといったメリットがあります。
特に複雑な配信内容は一度の学習では理解しにくい場合がありますが、配信をうまく活用することで長期記憶として知識を定着させることができます。
YouTubeの研修コンテンツは半永続的に利用できるため、後に入社する従業員にも同様の研修を提供できます。
社内研修をYouTubeで配信する主なデメリット
次に社内研修をYouTubeで配信する5つのデメリットについて説明します。
①情報漏洩のリスクがある
YouTubeは一般の人向けのプラットフォームであるため、アクセス制限をかけることができません。そのため、研修動画の配信には情報漏洩のリスクが伴います。
そのリスクを減らすため、YouTubeの限定公開機能を活用しましょう。ただし、限定公開にしてもURLが分かれば誰でもアクセスすることができるので、社内情報はYouTubeに載せないなどの配慮が必要です。
②視聴履歴を細かく管理できない
企業の担当者にとって、社員の研修参加状況を把握することは、研修プログラムの効果を最大化する上で欠かせません。しかしYouTubeでは視聴回数をカウントすることはできますが、誰がこの動画を見たのか、最後まで視聴したのかなどを細かく管理することが困難です。
視聴履歴・受講の進捗の確認をしたい場合はLMS(Learning Management System:学習管理システム)の利用がおすすめです。
弊社のeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」をご活用いただ頂くと簡単に受講者の視聴履歴・進捗の確認を行うことが可能です。
③受講者の理解度の把握が難しい
社内研修では、YouTubeを活用する際に受講者個々の理解度や疑問点を把握することが課題となっています。この解決策として、専用の質問フォームやアンケートツールと組み合わせることで、受講者の理解度を正確に把握できます。この方法で、研修内容に対する受講者の反応や受講者のつまずきポイントを明らかにし、内容の調整や個別フォローが行えます。また動画の内容に合わせた確認テストなども組み合わせて行うことで、受講者の理解度の把握をすることができます。
弊社のeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」では動画視聴後にテストを実施してもらうことで、理解度を測ることが可能です。こちらもぜひご活用ください。
④高品質な動画制作にはコストと時間がかかる
YouTube動画を作成する際、内容にこだわろうとすると、高度な編集技術や複雑な専門知識を分かりやすく伝える構成力が必要です。高品質な動画制作には、専門的知識や技術をもった人員確保や、高性能機器の導入が必要となり、特に初期にはコストがかかります。社内で対応できず、外部に制作を委託する場合、高額になる可能性が高く、研修内容の更新や追加の度に追加費用も発生します。
このようなデメリットを解決するため、社内で動画編集スキルをもつ人材を育成することやコストパフォーマンスの良い機材の導入を検討することが重要です。
⑤対面研修時のようなコミュニケーションが取りづらい
対面研修と比べ、動画研修ではコミュニケーションが取りづらいといったデメリットがあります。対面研修では、受講者がすぐに質問でき、疑問もその場で解消されるため、より理解が深まります。しかし、YouTube配信での研修では、このような直接的なやりとりに制約があります。
この問題を解決するためには、動画配信サービスの利点を活かす工夫が必要です。例えば、リアルタイムチャット機能やコメント欄を活用し、受講者の質問を受け付け、確認後に講師が答える形式を取るのも解決策の一つです。
さらに、よりタイムリーなコミュニケーションを求めるなら、ライブ配信を選ぶこともできます。ライブ配信なら、チャットを通じて受講者の質問に講師がリアルタイムで応答でき、対面研修に近いコミュニケーションが可能です。YouTube配信を使った社内研修を成功させるためには、出てきそうな質問に対するFAQを事前に作成し、動画で回答することや、動画の説明欄に質問フォームのリンクを設置して視聴者が疑問をスムーズに解決できるような工夫も大切です。
社内研修をYouTube配信する際のポイント
社内研修をYouTubeで配信する際のポイントが2点あります。詳しく解説していきます。
目的設定
研修をYouTubeで配信する際には目的を明確にすることが成功の鍵となります。明確な目的設定によって研修の効率化を図り、受講者のモチベーション向上にもつながります。
YouTube配信で社内研修を実践する際は、具体的に得られる成果を明確にします。スキル向上や知識習得、チームビルディングなど研修ごとに目的を設定し、それに沿った教材や教育手法を選定します。目的が明確なら適切な評価基準の設定やフィードバックのループが構築しやすく、受講者にとっても研修のゴールが見えやすくなります。
研修内容の範囲を設定
社員研修をYouTubeで配信する際、研修内容の範囲を明確に設定することが必要です。テーマが広範囲に及びすぎると、受講者の理解度が低下する恐れがあります。そのため、職種や役割、目的に応じたターゲティングを行い、必要な知識を段階的に習得できるよう、研修プログラムを細分化し、それぞれに学習範囲と目標を設けることが重要です。
これにより、受講者は必要な情報をピンポイントで取得でき、効果的な学びに繋がります。進捗が可視化されることで、モチベーションの維持にも役立ちます。範囲設定を検討する際は、適切な難易度で研修を受けられるよう、コンテンツ量の調整も重要です。教材が多すぎると圧倒されてしまうので、一人ひとりが消化できる範囲に留めることが肝心です。
社内研修をYouTube配信する際の具体的な活用事例
こちらでは具体的な活用事例をご紹介します。
新入社員オリエンテーション
新入社員オリエンテーションにおいて、YouTubeを用いたオンライン配信は、会社の理念やビジョン、ビジネスマナーや社内ルールを新入社員に効率的に伝える手段として注目されています。
特にオンデマンド配信を採用することで新入社員は自分のペースで内容を習得し、企業について深い理解を得ることができます。プレゼンテーションやワークショップのビデオを使用して、視覚的にも分かりやすく教育することが可能です。
オンデマンド配信で視聴者が自由に視聴するスタイルか、リアルタイムのライブ配信か、これらを組み合わせた形式か目的に応じて配信形式を選択しましょう。
オンデマンド配信とリアルタイムのライブ配信の注意点は次の通りです。
オンデマンド配信の注意点
オンデマンド配信は自由に視聴できる一方で、リアルタイムでのコミュニケーションがないため、グループディスカッションや即時の質疑応答が難しいというデメリットもあります。
しかし、この点は配信後のフォローアップセッションやQ&Aコーナーの設置、掲示板システムの利用によって解消できます。
ライブ配信の注意点
ライブ配信は、リアルタイムで行うため、講師とのコミュニケーションが可能であり、質疑応答を通じて参加者の理解度を即座に深めることができます。
しかし、ライブ配信は配信時間が決まっているため、スケジュールの都合で受講できない場合もあります。また、インターネットの接続不具合や配信機器のトラブルなど技術的障害が生じやすく、オンデマンド配信に比べてトラブルの発生リスクが高まります。
そのため、事前のリハーサルや機器チェックを徹底することが重要です。
業務マニュアルの配信
全社員の業務効率をアップするためには、業務マニュアルを動画化し、配信することが有効です。動画配信を使用したマニュアルは、紙を使用した文字によるマニュアルよりも視覚的に情報を捉えやすく、作業の流れや重要なポイントを具体的に把握できます。
特に専門的作業を行う際は、正確な知識や技術の習得に時間を要しますが、動画配信マニュアルを使用することで、教育時間の短縮も可能にします。
ただし、セキュリティに関する懸念や企業秘密の情報漏洩といったリスクもあり、これらを防ぐため、非公開設定の管理やアクセス制限を適切に行うなど、セキュリティ対策が必要です。
まとめ
動画を活用した社内研修を検討している方は、ぜひeラーニングプラットフォームの「SAKU-SAKU Testing」をご検討ください。
自社で作成したコンテンツを搭載することもできますし、多様なeラーニングコンテンツがセットになった「サクテス学びホーダイ」を活用いただければ、さまざまな対象にあわせた社内教育がすぐに実施できます。
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