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Webテストとは?【実施企業向け】メリット・活用方法・不正対策まとめ

多くの企業で導入されていながら、問題点も指摘されているWebテスト。2022年11月には代行で受検していた会社員が逮捕されるという事件が発生し、企業の担当者はもちろん世間にも広く衝撃が走りました。企業のご担当者様はWebテストの実施に不安を感じているのではないでしょうか。
 
この記事ではWebテストについて、実施する企業から見たメリットや活用方法、不正対策などについて包括的にまとめます。適切に利用できれば有益なテストです。企業の人事ご担当者様はぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.Webテストとは?
  2. 2.Webテストの実施方法
  3. 3.Webテストの目的
    1. 3.1.目的|応募者の絞り込みを行う
    2. 3.2.目的|自社に合う人物を探す
  4. 4.Webテストの活用方法
    1. 4.1.活用方法|既存社員の結果を参考にした採用
    2. 4.2.活用方法|採用後の配置決定に活用
    3. 4.3.活用方法|採用後の配置先へのフィードバック
  5. 5.Webテスト導入のメリット
    1. 5.1.メリット|採用工程の削減
    2. 5.2.メリット|採用期間の短縮
    3. 5.3.メリット|採用コストの削減
  6. 6.Webテストの種類
    1. 6.1.種類|SPI
    2. 6.2.種類|ENG
    3. 6.3.種類|玉手箱
    4. 6.4.種類|GAB
    5. 6.5.種類|TG-WEB
    6. 6.6.種類|CAB
    7. 6.7.種類|GPS
    8. 6.8.種類|その他
  7. 7.受検者がしている対策
    1. 7.1.対策|参考書・問題集などによる学習
    2. 7.2.対策|模擬テスト・同サービス利用他社の受検
    3. 7.3.対策|分担による受検・カンニング
    4. 7.4.対策|代行・替え玉受検
  8. 8.企業にできる不正対策
    1. 8.1.不正対策|監視型Webテストを実施する
    2. 8.2.不正対策|テストセンターで実施する
    3. 8.3.不正対策|解答内容・解答の時間を確認する
    4. 8.4.不正対策|絞り込み後に再チェックを行う
    5. 8.5.不正対策|面接でチェックする
    6. 8.6.不正対策|追加テストを行う
  9. 9.自社オリジナルでWebテストを作成する
    1. 9.1.オリジナルテストのメリット
    2. 9.2.オリジナルテストを行うための方法
    3. 9.3.オリジナルテスト作成・実施のポイント
  10. 10.オリジナルテストの実施やテスト結果の教育への活用は​​​​​​​イー・コミュニケーションズにご相談を

Webテストとは?

「Webテスト」とは、その名の通りWeb上で受検できるテストのことをいいます。とくに、新卒を中心にした採用活動において行うオンラインの適性検査のことを指すのが一般的です。
 
内容は「能力検査」(国語的問題の「言語」・数学的問題の「非言語」)、「性格検査」が基本です。そのほか企業によっては一般常識や英語などの試験を課すこともあります。
 
各種の統計を見ると大手企業を中心に広く導入されているのがわかります。少ない数字でも企業の約50%、さらには90%以上がWebテストを導入しているという結果の統計も複数あります。一般にESの締め切り前や提出時、ES通過後の1次面接前などに行われています。

Webテストの実施方法

Webテストの実施には3つの方法があります。以下の通りです。
 
テストセンターに集めて実施
自社に来てもらい自社PCで実施
応募者が自宅・学校などでログイン・実施(「Webテスティング」とも呼ばれる)
 
多くの場合は、応募者が各自ログインして受検するWebテスティングの形が取られています。気軽に受けられるため、応募者の負担が少なく応募のハードルを下げることができるためです。

Webテストの目的

次にWebテストの目的についてまとめます。次の2点が挙げられます。
 
応募者の絞り込みを行う
自社に合う人物を探す
 
入り口としての位置づけで、Webテストで採用・不採用を判断することは基本的にはありません。1つずつ見ていきましょう。

目的|応募者の絞り込みを行う

Webテストの目的の1つが、面接できる人数まで応募者を絞ることです。
 
新卒採用を行っている企業は、数百・数千の応募がある場合もあります。すべての応募者に会うのが理想的かもしれませんが、時間・費用の制限もあります。全員に会うのは現実的には不可能でしょう。仮に会えたとしても精度の高い判断を行うのは難しいのではないでしょうか。
 
そこで、Webテストを行い一定の成績でふるいにかけて面接できる人数まで絞り込みます。ESの提出前や提出時にテストを行う企業が多いのはそのためです。応募者からすると就職活動の第一関門でもあるため、多くの応募者が対策を行っています。
 
なお応募者全員にテストを受けてもらうとコストもかさみます。そのため人数や予算のバランスによっては、WebテストではなくESで絞り込むこともあります。その場合も絞り込んだ上でテストを行うことが多くあります。

目的|自社に合う人物を探す

2つめの目的は、成績をもとに自社に合う人物を探すことです。
 
テストの結果を見て、地頭や知識、処理能力などをチェックします。もちろんテスト結果だけでマッチ度を判断することはできません。面接では人柄や意欲など・Webテストは能力などと視点を変える、あるいはWebテストの結果を面接の質問に反映させるなどして評価の精度を上げることが必要です。
 
自社に合う/合わないの判断のほか、自社の中でもどの部署に合うかの判断に役立てることもできます。そのため近年は採用の判断材料だけでなく、採用前に受けたテストの成績を入社後に活用する例も増えています。

Webテストの活用方法

Webテスト(適性検査)をさらに有効に活用するための方法についてまとめます。具体的には次のような方法があります。
 
既存社員の結果を参考にした採用
採用後の配置決定に活用
採用後の配置先へのフィードバック
 
1つずつ見ていきましょう。

活用方法|既存社員の結果を参考にした採用

既存の社員に同じテストを受けてもらい、そのデータを基準・参考にして判断に活用することができます。また各年度のデータを蓄積しておきそれを活用することも可能です。
 
蓄積したデータを分析してハイパフォーマーに共通する特性があれば、同じ特性を持つ応募者を採用すれば業績向上につながる可能性が高まります。逆にパファーマンスが低い社員や離職した社員との共通点を持つ応募者は不採用とすれば、生産性の低下やムダな採用コストを抑えることができます。
 
さまざまなタイプの既存社員に受検してもらい平均を取れば、平均を基準にすることができます。中長期の水準の推移を見て優秀な社員が獲得できているか確認したり、年度ごとの期待値の予測に役立てたりすることができます。

活用方法|採用後の配置決定に活用

採用・入社後の配置を決定するのに、得られた適性のデータを活用することもできます。入社後の配属は、採用コストの費用対効果や社員の定着のためにも重要です。Webテストの成績は人材配置を決定するためにも役立ちます。
 
新卒で採用した社員の30~40%が3年以内に退職しているという厚生労働省の統計もあります。職場の人間関係や業務のミスマッチが理由として挙げられています。Webテストの成績を活用すれば、配属先の上司のデータをもとにマッチングを検討することも可能となり適切な配置に役立ちます。
 
そのほかデータを蓄積しておき、タレントマネジメントのデータとしても活用することが可能です。テスト結果と入社後の成長との関連性が把握できれば、将来の採用や配置にも役立ちます。

活用方法|採用後の配置先へのフィードバック

適性や性格などのデータを人物像の一面として現場にフィードバックして、コミュニケーションや業務の割り振り・指導などに活用することもできます。とくに配置のミスマッチは早期退職の原因となります。現場へのフィードバックは、早期退職の予防になる働きやすい環境作りに有効です。
 
キャリアパス面談など、現場以外におけるコミュニケ―ションや育成に戦略的に活用する例もあります。新入社員は情報が少ないため、選考の間に得られた情報も貴重なデータとなります。
 
労働人口の減少により人材確保が困難な現在、現場でのデータの活用も社員の定着に役立ち企業にとってプラスとなります。

Webテスト導入のメリット

Webテストを導入するメリットについてまとめます。大きく分けて以下の3点が挙げられます。
 
採用工程の削減
採用期間の短縮
採用コストの削減
 
1つずつ見ていきましょう。

メリット|採用工程の削減

Webテストはペーパーテストと比べて大幅に作業を減らすことができます。
 
紙によるテストの場合、印刷にはじまり、テスト会場の確保・応募者への連絡・解答用紙の回収と採点・データの入力などが必要です。
 
しかしWebテストでは、これらの作業がすべて不要です。作業の効率化が実現され、採用/不採用の判断など重要な業務に注力することができます。その結果採用活動の精度を高めることができ、入社後の生産性向上なども期待できます。

メリット|採用期間の短縮

Webテストの導入により、採用期間が短縮できます。
 
Webテストの場合、終了直後に採点することが可能です。そのため結果がほぼリアルタイムで判明し、人力で採点するより短時間で結果が得られます。受検者も自分の都合のよいタイミングで受検することができるので効率的です。これら2つの理由により、結果をもとに面接実施者を選定するための時間を短縮することができます。
 
さらに応募者の絞り込みに使うなら、面接者数を減らすことも期間短縮につながります。

メリット|採用コストの削減

Webテストは、ペーパーテストに比べるとコストを削減することが可能です。ペーパーテストにかかる印刷代・会場代・問題や解答の運搬費用などがカットできます。
 
もちろんWebテストのサービスを利用するのには費用がかかります。しかしWebテストでは上記の直接的なコストを削減できるほかにも、それに伴う作業や採点を行うための人件費も大きくカットすることができます。さらに上記の通り時間も短縮することができるため、費用対効果は高いと言えるでしょう。

Webテストの種類

Webテストは提供企業によりさまざまなサービスがあり、それぞれに特徴があります。次に代表的なサービスを中心に紹介しながら、それぞれの特徴をまとめます。ここでは以下のサービスを解説します。
 
SPI
ENG
玉手箱
GAB
TG-WEB
CAB
GPS
その他
 
1つずつ見ていきましょう。

種類|SPI

「SPI」は、リクルート社による適性検査の代名詞的なサービスです。提供開始以降進化を続け、現在は「SPI3」が提供されています。テストは性格検査と能力検査に分かれています。
 
性格検査は30分で行われます。人柄、職務・組織への適応力を見る内容です。能力検査は言語と非言語に分かれ、試験時間は35分です。地頭・ポテンシャルに当たる基礎能力を測る内容です。
 
なお受検方法や問題の種類により、試験時間に違いがあります。

種類|ENG

「ENG」は同じくリクルート社による英語の適性検査です。テストセンターとペーパーテストの2種類が用意されています。SPIを実施している企業が同時に行うことの多いテストです。
 
内容は、文法などの選択問題・和文英訳・長文読解となっています。難易度は英検準2級レベルです。時間はテストセンターの場合20分、ペーパーテストは30分となっています。外資系企業など、英語を利用する場面が多い企業で導入されています。

種類|玉手箱

「玉手箱」は日本エス・エイチ・エル社が提供する代表的なWebテストのサービスです。「玉手箱Ⅰ」「玉手箱Ⅲ」がありますが、目的に違いがあります。導入例が多いのはⅢの方です。自宅受験型ではトップシェアとなっています。
 
時間は玉手箱Ⅲが49分です。内容は、知的能力(係数、言語、英語)・性格適性(バイタリティ、チームワークなど9つの能力特性)に分かれています。
 
問題数が多いのが特徴で、たとえば四則演算なら9分で50問解かなくてはなりません。

種類|GAB

「GAB」は、知的能力とパーソナリティについて測定が可能な日本エス・エイチ・エル社によるサービスです。ペーパー形式(「GAB」)とWebテスト(「WebGAB」)があり、ペーパー形式は90分、Webテストは80分で行われます。
 
計算・言語・英語に分かれており、長文読解・図表の読み取りなどが含まれます。「ヴァイタリティ」「チームワーク」など9特性・将来のマネジメント適性・「営業」「研究開発」など7つの職務適性について予測します。
 
英語での受験にも対応しています。

種類|TG-WEB

「TG-WEB」はヒューマネージ社提供のサービスで、知能能力(言語・非言語)・性格適性を測定します。Webテスト・テストセンター・ペーパーテストから選択可能です。
 
求める人材像や見極めたいポイント・観点に特化した検査種類を用意、複数のテストを組み合わせて実施が可能となっています。
 
導入例の多い「従来型」は問題数は少なめですが難易度は高めです。やさしめの問題を多数解く「新型」もあります。非言語では、暗号の法則性を見つけるようなやや特殊な問題も出題されます。

種類|CAB

「CAB」は日本エス・エイチ・エル社提供のWebテストで、SEやプログラマーといったコンピュータ職向けの内容です。ペーパー形式(「CAB」)とWebテスト(「WebCAB」)があり、試験時間はペーパー形式95分・Webテスト72分となっています。
 
SE・プログラマーそれぞれについての職務適性、「ヴァイタリティ」「チームワーク」などの9特性の予測が可能です。暗算や法則性・命令表や暗号・パーソナリティについての問題が出題されます。英語での受験にも対応しています。

種類|GPS

「GPS」は、ベネッセコーポレーション社提供のテストです。Webテストのみで、ペーパー形式はありません。批判的思考力・創造的思考力・共同的思考力の3つの思考力を測定します。
 
能力検査と性格検査に分かれており、能力検査はさらに思考力・基礎能力に分かれます。時間は思考力45分・基礎能力25分、性格検査10分です。音声・動画を使用した問題があるのが特徴です。

種類|その他

そのほかにもサービスがあります。いくつかまとめてご紹介します。
 
「CUBIC」…気分性・慎重性などの性格面や、協調性・責任感などの社会性を測定。テスト時間約20分、導入手続きがしやすいのが特徴
「3Eテスト」…知的能力や性格・価値観のテスト。テスト時間が最大35分と負担が少ない
「Hci-AS」…ストレス耐性の強弱、どのようなシチュエーションでストレスが高まるか・不適合行動を起こすかの予測。テスト時間10分
 
以上主だったサービスを解説しました。内容を特化したサービスもあるので、必要に応じて自社に合ったサービスを探してもよいでしょう。

受検者がしている対策

就職活動において面接まで行きつくために、受検者はWebテストの対策をしています。次に受検者がどのような対策をしているかについてまとめます。次の4点について解説します。
 
参考書・問題集などによる学習
模擬テスト・同サービス利用他社の受検
分担による受検・カンニング
代行・替え玉受検
 
倫理上問題ない対策をする応募者がほとんどですが、問題となる対策を行っている応募者が一定数いるのも事実です。いずれにせよ、Webテストの成績は「素」の結果とは限らないことは考慮すべきでしょう。
 
では、受検者が行っている対策について1つずつ見ていきましょう。

対策|参考書・問題集などによる学習

まず多くの応募者が行っている一般的な対策として、参考書・問題集・アプリなどを使って正答率を高める学習が挙げられます。
 
先ほど代表的なWebテストのサービスをご紹介しましたが、サービス別に書籍が多数出版されています。インターネット上にも情報が多数あります。とくにSPIや玉手箱など利用企業が多いサービスは、詳細な対策方法を説明した書籍や問題集があります。
 
WebテストのURLでサービスを見分ける方法や、どの企業がどのサービスを使っているかなどの情報も書籍やWeb上で拡散されています。とくに応募者が多い企業は、テストのサービスに合わせて応募者が対策をしています。

対策|模擬テスト・同サービス利用他社の受検

模擬テストを受けたり、同じサービスを利用している他社のテストを受けたりして対策していることもあります。
 
主なWebテストの模擬テストが、Web上に無料で数多く公開されています。そういったテストを受けて自分の成績を確認したり成績アップの対策を行ったりしています。
 
また、先に解説したとおりどの企業がどのテストを利用しているかの情報も流通しています。自分が受けたい企業が利用しているサービスを調べて、同じサービスを利用している企業を調べることも容易です。本命の企業の前に、そうやって調べた他の企業で予行演習をしている場合があります。
 
どちらの場合も、勉強というよりも問題形式に慣れておいたり時間配分の感覚をつかんでおいたりするための対策です。

対策|分担による受検・カンニング

不正行為に当たるとわかっていながら、同時に友達と受験して解く問題を分担したり、いろいろな方法でカンニングしたりする者もいます。
 
カンニングとしては、インターネットや先輩・友人から手に入れた解答集を見ながらの受検・答えを調べながらの受検などの方法があります。
 
もちろん大きな問題のある行動ですが、一部で行われているのも事実です。就活生の約10%が経験ありと答えたアンケートもあります。また「企業は人脈の有無を見ている」として、協力し合ったり友人に代わってもらうのを正当化する学生もいます。採用する側の感覚・想像よりも、かなり当たり前のように行われていると言えるかもしれません。

対策|代行・替え玉受検

こちらも不正行為ですが、有料で代行を請け負っている業者や友人などが代わりに受検するケースです。2022年11月に代行業をしていた会社員が逮捕されたのも記憶に新しいのではないでしょうか。
 
Webカメラで監視していない場合は本人かどうか確認しにくいのが実状です。逆に言えばWebカメラで本人確認や監視をすることが抑止力となります。次に詳しく解説します。
 
ただしWebカメラを使うことで不正の可能性を大きく減らすことができますが、可能性をゼロにすることはできません。今回の事件でも、応募者本人がログインした上で代行業者と画面共有、ヘッドフォンをした応募者に業者が別の場所から音声で指示を出していました。このような不正はWebカメラだけでは区別できません。

企業にできる不正対策

不正が行われる場合もあることがわかりましたが、次に企業が不正に対してできる対策についてまとめます。もしもリアルタイムで対策できなくても、結果などを総合的に判断して不合格とすることが可能です。具体的には次の方法があります。
 
監視型Webテストを実施する
テストセンターで実施する
解答内容・解答の時間を確認する
面接でチェックする
追加テストを行う
 
「絶対に見つからない」という状況が不正を生みます。見逃してしまう場合があったとしても「見つかるかもしれない」という状況を作ることができれば、大きくけん制することができて抑止力となります。
 
それでは、それぞれの方法について詳細を見ていきましょう。

不正対策|監視型Webテストを実施する

Webテストのサービスの中にはWebカメラを使って監視できるテストがあり、そういったサービスを利用することで不正対策をすることができます。
 
初めに応募者の周囲を360度映してもらいカンニングペーパーや協力者が存在しないか確認し、テストに移ります。テスト中も不審な動きをしないか監視することが可能です。
 
またAIで不審な動きがないか解析できるサービスもあります。そういったサービスを使うと、試験後にさらに詳細な確認をすることも可能です。
 
試験中の不正発見に役立つほか、監視されているという意識が不正への抑止力につながるというメリットもあります。

不正対策|テストセンターで実施する

テストセンターなどの会場でテストを実施することも不正対策となります。テストセンターのほかには、来社してもらって自社で受検してもらう方法もあります。
 
試験会場で受検する場合、監視員を配置できるので不正を発見しやすくなります。さらにそもそもWebテスティングでカンニングが横行するのは、自宅のように応募者にとって自由度の高い場所で受検できるからです。また多くの場合IDやURLがわかれば本人確認なしで受検できるのも不正の原因となっています。
 
会場で受検することは自宅よりも自由度が下がり緊張感を伴います。そのため不正がしにくくなり抑止力にもなります。

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不正対策|解答内容・解答の時間を確認する

試験中の対策ではなく試験後に不正を発見する方法として、解答の内容や時間を確認する方法があります。これは自宅で受検する場合も可能な方法です。確認のポイントはいくつかあります。
 
まず平均と比べて極端に得点が高くないかという点を確認します。もちろん非常に優秀という可能性もありますが、あまりに差が大きい場合は何らかの不正の可能性が疑われます。
 
また、難易度ごとの正答率に矛盾がないかもポイントです。難易度の低い問題を間違えているのに難易度の高い問題に正解している場合があれば、同じパターンがほかにもないか確認します。あるいは正答率が低く苦手と思われるジャンルで、突然難易度の高い問題に正解している場合も不正の可能性があります。
 
さらに、在籍の学部との矛盾がないかも確認します。たとえば文系学部の応募者が理系の難易度の高い問題に多数正解している場合などは疑わしいと言えるでしょう。
 
そのほか解答にかかっている時間も確認しましょう。Webテストでは解答に要した時間も記録されます。解答が早すぎる場合は、協力しながら解答している可能性があります。遅すぎる場合は、検索エンジンや解答集を調べながら受検している可能性があります。
 
ただしこれらのポイントは1つの例だけでは判断できません。複数の例をもとに総合的に判断する必要があります。

不正対策|絞り込み後に再チェックを行う

テスト後に確認する方法として、応募者を成績で絞り込んだあとに、同じあるいは類似の内容で再テストを行うという方法もあります。
 
体調不良など特別な理由がない限り、1回目と再テストとで極端に成績が違えば不正をしていた可能性が高いと言えるでしょう。
 
こちらも受検方法(受検場所)を問わずできる方法で、カンニング・替え玉など不正のタイプも選ばず不正を発見することができます。

不正対策|面接でチェックする

テスト後の不正発見方法として、Webテストの結果や具体的な試験問題について面接で質問してみるというのも判断材料になります。
 
テストの結果に基づいた内容の質問や、テスト内容についての具体的な質問をしてみて反応や態度・返答を見ます。答えに一貫性がなかったり質問と無関係な返答だったりした場合・動揺したり不自然な態度になったりした場合は疑わしいと言えるでしょう。
 
性格の試験の場合は、結果に表れている人柄と同じか質問を通じて確認しましょう。こちらも極端に違いがある場合は不正の可能性があります。

不正対策|追加テストを行う

テスト結果をもとに候補者を絞り込んだあと、より自社に合わせた内容の筆記試験などを追加で行うのも不正を発見するチャンスとなります。面接などで来社したときに行いましょう。比較的広く行われている方法です。
 
追加のテストのほかには、一般常識や小論文などを課す方法もあります。Webテストの結果から見た適性や知識とズレがあった場合は、Webテストでの不正が疑われると言えるでしょう。
 
テスト後の確認方法に共通することですが、とくにこの追加テストは不正の発見だけでなく自社に合う適性を持っている応募者の発見につながります。Webテスト以降の選考を工夫することで、適性の高い人物を採用することができます。それは言い換えると、不正を行わないとテストを通過できないような応募者は、選考方法次第でその多くを排除することができるということでもあります。

自社オリジナルでWebテストを作成する

そのほか不正を発見する方法・適性の高い人物を採用する方法として、自社オリジナルの問題を作成してWebテストを行う方法があります。
 
オリジナルの問題であれば対策方法が知られているわけではないので、応募者は小手先の対策ができず素の実力が出ます。自社に必要な内容をテストすることで、自社に本当に適性のある人物か判断することができます。

オリジナルテストのメリット

オリジナルのテストを行うメリットとして、本当の意味での自社への適性や必要スキルを測定可能な点が挙げられます。一般のサービスと併用すれば精度も上がります。
 
また先述した通り既存サービスのように解答や対策のノウハウが出回っているわけではありません。そのため対策がしにくくなり、カンニングの可能性がほとんどないのもメリットだと言えます。
 
調べながらの受検・協力しながらの受検などの形で不正を行っていたとしても、面接が進んだときに自社の専門的な範囲のテストなので気づきやすく発見も容易です。とくにテスト内容について面接で質問すれば、不正していた場合はすぐにわかるでしょう。

オリジナルテストを行うための方法

オンラインのテストであれば、専用のサービスを利用するのが安心です。Googleフォームなどもテストに使えなくはありませんが、セキュリティなどを考えると使わない方が無難です。応募者の安心感にも影響します。
 
専用のサービスには、「CBT」・「IBT」・eラーニングのシステムのうちテスト機能が付いているサービスなどがあります。CBTはコンピューターによるオンラインのテストのシステム、IBTはコンピューターだけでなくスマートフォンやタブレットを含めたインターネットを使ったテストのシステムのことです。
 
サービスにより、映像や音声を使えるかどうかほか実施できるテストの出題形式などに違いがあります。使い勝手にも向き・不向きがあります。サービス選びは、テストの規模や内容・出題形式と価格のバランス、そのほか問題登録や採点、集計・分析のやりやすさなどで総合的に判断するのがおすすめです。

オリジナルテスト作成・実施のポイント

オリジナルのテストを作成・実施する場合は、目的を明確にすることが前提となります。「どんな素養を測定したいか」を初めに明確にしましょう。オリジナルのテストは、スキルや専門知識の測定などに向いています。その中でどんな点をとくに測定したいのか考えましょう。
 
なお性格などの適性試験なら、オリジナルを作成するより既存サービスを利用する方が精度の高い判断できるでしょう。専門的なノウハウの蓄積量がまったく違うからです。
 
目的を明確にしたら、目的に合った問題を作成します。さらに難易度の調整を行いましょう。平均点・合格点を想定して調整します。また分量・時間の調整も必要です。とくにほかのテストと併用の場合、負担が重くなりすぎないように注意しなくてはなりません。
 
調整の基準となるデータを得るために、まず既存社員に受けてもらって正答率や問題の内容・分量などを確認した方がよいでしょう。どの程度のスキルの社員がどの程度正解できるのかわかると、調整の精度を高めることができます。

オリジナルテストの実施やテスト結果の教育への活用は​​​​​​​イー・コミュニケーションズにご相談を

Webテストは、適切な方法で利用すれば求める人材を採用するのに役立ちます。そのためには目的をはっきりさせた上で、自社に合うサービス選びや不正対策、場合によってはオリジナルのテスト作成を行いましょう。
 
またWebテストは採用以降にもデータが活用されつつあります。入社後の教育の資料として役立てることができます。

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