ソーシャルラーニングとは?メリットとデメリット、導入のポイントとは?
中小企業にとって、人材育成は大きな課題です。
特に限られた予算やリソースで、社員の学びを持続させることは簡単ではありません。
そこで注目されているのが『ソーシャルラーニング』です。
ソーシャルラーニングを導入すれば、社員同士が知識や経験を共有し合うことで、低コストで効果的な学習環境を生み出せます。
本記事では、ソーシャルラーニングの基本や導入方法、成功事例について解説し、持続的な学びの仕組みづくりのヒントを提供します。
ソーシャルラーニングを活用して、長く働いてもらえる人材を増やしていきましょう。
目次[非表示]
- 1.ソーシャルラーニングとは?
- 2.「フォーマルラーニング」と「インフォーマルラーニング」とは?
- 2.1.・フォーマルラーニング
- 2.2.・インフォーマルラーニング
- 3.ソーシャルラーニングのメリット
- 3.1.メリット① 属人的なスキルや知識が共有できる
- 3.2.メリット② 実線的な知識が共有できる
- 3.3.メリット③ 学ぶ内容を選べる
- 4.ソーシャルラーニングのデメリット
- 5.ソーシャルラーニングを成功させるためのポイント
- 5.1.①運用ルールをしっかり定める
- 5.2.②学習を活性化するための工夫をする
- 5.3.③効果の確認と改善を行う
- 6.まとめ
- 7.ソーシャルラーニングに「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
ソーシャルラーニングとは?
ソーシャルラーニングは、一方的に教えるだけの学習スタイルではなく、組織内の全員が互いに学び合うことを目的とした方法です。
SNSやコミュニティを活用し、参加者が知識や経験を交換し合う双方向の学びが特徴です。たとえば、「これ、どうやるの?」と質問すると、詳しい人がすぐに答えてくれるような環境を想像してください。
この学び方では、社内の誰もが先生にも生徒にもなることができます。教科書や従来型の研修とは異なり、実際の仕事に直結したリアルタイムな知識共有が可能です。また、「分からないことをすぐに聞ける」「学ぶことが楽しい」といったメリットがあり、企業文化を強化し、チームの協力関係を促進する新しい学習スタイルとして注目されています。
「フォーマルラーニング」と「インフォーマルラーニング」とは?
企業での学びの形態には、大きく分けて「フォーマルラーニング」と「インフォーマルラーニング」の2種類があります。
・フォーマルラーニング
フォーマルラーニングとは、会社が計画的に用意した研修やセミナー、ワークショップ、eラーニングといった「公式な学び」を指します。このタイプの学習は、講師と受講者の役割が明確に分かれており、決められた内容や目標に基づいて進められるのが特徴です。
・インフォーマルラーニング
一方で、インフォーマルラーニングとは、日常の仕事の中で自然発生的に起こる「非公式な学び」を指します。たとえば、先輩に質問をしたり、同僚の仕事を見て学んだり、チームでの会話の中で新しい知識を得たりすることが含まれます。
ソーシャルラーニングは、このインフォーマルラーニングの一部です。SNSやオンラインコミュニティを通じて、職場を越えて幅広い人々と知識を共有し、互いに学び合える仕組みとして注目されています。この学び方は、より自由で自発的なスタイルであるため、社員のやる気や楽しさを引き出す効果も期待できます。
ソーシャルラーニングのメリット
ソーシャルラーニングには、社員一人ひとりのスキルや知識を活かしながら、チーム全体の成長を支える多くの利点があります。ここでは、企業にとって具体的にどのようなメリットがあるのかを詳しくご紹介します。
メリット① 属人的なスキルや知識が共有できる
ソーシャルラーニングは、個人がもつ貴重な知識やスキルを組織全体で共有するための仕組みです。これまで個人の中に埋もれていた経験や気づきを、デジタル上で誰もが活用できる「企業の知的財産」に変えることができます。
特に、拠点が分散している企業や、多くの従業員を抱える組織では、最新の情報をリアルタイムに共有することが可能です。これにより、従業員全員が同じ情報を基に行動し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
メリット② 実線的な知識が共有できる
ソーシャルラーニングでは、先輩や熟練者から直接、具体的で実務に役立つノウハウを学ぶことができます。たとえば、初めて取り組む業務や難しい課題に直面した際に、経験者から実践的なアドバイスや失敗を防ぐためのコツを得ることが可能です。
理論だけでなく、現場で役立つリアルな知識を素早く吸収できるため、学んだことを即座に仕事に活かせるのが大きな特徴です。
メリット③ 学ぶ内容を選べる
ソーシャルラーニングは、従来の一方向的な研修とは異なり、個人が自分の学びたい内容やペースに合わせて柔軟に学べる仕組みです。
分からないことをその場で質問して詳しい解説を受けられるため、研修の理解度が向上します。また、興味のある分野をさらに深く学べる機会が得られるため、従業員の主体的な学びを後押しします。
ソーシャルラーニングのデメリット
ソーシャルラーニングには多くのメリットがありますが、効果的に活用するには注意すべき課題も存在します。ここでは、そのデメリットを詳しく解説します。
デメリット① 計画的な能力開発には向かない
ソーシャルラーニングは、個人の興味や関心に基づいて自由に学べる点が魅力ですが、その反面、会社が計画的に特定のスキルや能力を習得させる場には適していません。
各自がそれぞれのペースで学ぶため、全員のスキルを同じレベルまで均一に引き上げることが難しい場合があります。そのため、通常の研修を基盤としながら、質疑応答や自由なディスカッションを補助的に取り入れるのが効果的です。
デメリット② フロー型の情報共有になりやすい
ソーシャルラーニングは、リアルタイムで情報を共有するフロー型の学びであるため、その場限りのやり取りで終わってしまうことがあります。
たとえば、貴重な知識や議論が記録に残らず、同じ質問が繰り返されるリスクがあります。このような問題を防ぐには、得られた情報を整理して記録し、いつでも参照可能なストック型の仕組みを併用することが重要です。
デメリット③ 学習内容が偏る可能性がある
ソーシャルラーニングは、参加する人たちの知識や経験に頼るため、学ぶ内容が偏ってしまう可能性があります。講師やリーダーはいないため誰かが正確な情報を提供しないと、間違った知識が広がったり、同じ質問を何度も繰り返したりするリスクがあります。コミュニティのメンバーによって、学べる内容の質が大きく変わってしまうため、常に正確で役立つ情報を得られるとは限りません。
ソーシャルラーニングは、参加者の知識や経験に大きく依存するため、学びの内容が特定の分野に偏ってしまう可能性があります。
また、講師やリーダーが不在の場合、あるいはコミュニティのメンバーによっては正確性の欠けた情報が広まるリスクもあります。こうした事態を防ぐためには、コミュニティ内での情報の質のチェックをする役割を設けたり、専門家の意見を取り入れたりなどの工夫が必要です。
ソーシャルラーニングを成功させるためのポイント
ソーシャルラーニングを成功させるには、社内環境の整備や経営層からの積極的なサポートが欠かせません。ここでは、具体的な成功のポイントをご紹介します。
①運用ルールをしっかり定める
始める前に、どんな情報をどこで共有するかのルールを明確にすることが大切です。たとえば、社内の機密情報は社内システムだけで共有し、外部SNSでは公開可能な情報のみを扱うといった具体的なガイドラインを作成します。
情報漏洩のリスクを防ぎ、安全に学び合える環境を整備することが、ソーシャルラーニングの成功につながります。
②学習を活性化するための工夫をする
ソーシャルラーニングを盛り上げるには、学習を促進するための工夫が必要です。たとえば、社内の専門家に定期的にコメントをもらったり、人気のあるテーマをメールで通知したりすることで、社員の関心を引き付けられます。
また、特定のチームや担当者が学習の進行を管理し、みんなが自然と学びたくなる環境をつくることが大切です。
③効果の確認と改善を行う
ソーシャルラーニングを持続的に成功させるには、定期的にその効果を確認し、改善を重ねる必要があります。
たとえば、社員のスキル向上や新しいアイデアの創出がどれだけ実現できたかをチェックします。また、参加者の意見を積極的に収集し、学びの質を向上させるための改良を行います。
単なる仕組みづくりにとどまらず、参加者の声を聞きながら最適化を目指す姿勢が、ソーシャルラーニングの成功を支える鍵となります。
まとめ
ソーシャルラーニングは、従業員同士が学び合う新しい学習スタイルです。
従来の研修とは異なり、自由で柔軟な知識共有が特徴で、企業の学習文化を変える可能性を秘めています。
導入には課題もありますが、適切なルールと工夫で、組織の学びと成長を加速させる強力な手段となります。
ぜひ今回の記事を参考に、学びの文化をつくりあげていきましょう。
ソーシャルラーニングに「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
eラーニングを活用したソーシャルラーニングに、イー・コミュニケーションズの「SAKU-SAKU Testing」がおすすめです。
自社で作成したコンテンツを搭載して利用できるeラーニングプラットフォームや、あらかじめ教材がパッケージ化されたものなど、さまざまなニーズに対応したeラーニングのご提案が可能です。
ご興味がおありの場合はお気軽にお問い合わせください。