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ナレッジマネジメントの成功事例3選。組織力を劇的に変える3つのポイントとは

特定の社員に知識やノウハウが集中する「属人化」の解消に、課題を感じている中小企業は少なくありません。
​​​​​​​そんなときは会社の「知識」を武器に変える「ナレッジマネジメント」を導入しましょう。
ナレッジマネジメントは、属人化の解消や業務効率化を目指す中小企業に欠かせない施策です。

本記事では、成功事例を3つ紹介し、組織を劇的に変えるための具体的なポイントを解説しています。
自社の組織力強化にぜひお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.ナレッジマネジメントとは
  2. 2.暗黙知と形式知の違いとは?
  3. 3.ナレッジマネジメントに取り組むメリット
    1. 3.1.人材育成
    2. 3.2.属人化の防止
    3. 3.3.業務改善の効率化
  4. 4.ナレッジマネジメントの具体的な成功事例
    1. 4.1.①富士フイルムビジネスイノベーション
    2. 4.2.②キーエンス
    3. 4.3.③磨き屋シンジケート
  5. 5.ナレッジマネジメント成功のための3つのポイント
    1. 5.1.ポイント① フレームワーク「SECIモデル」の活用
    2. 5.2.ポイント② 必要性を従業員に伝える
    3. 5.3.ポイント③ ナレッジ共有を促すインセンティブ戦略
  6. 6.まとめ
  7. 7.ナレッジマネジメントに「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください

ナレッジマネジメントとは

ナレッジマネジメントとは、会社の中でみんながもっている知識や経験を集めてみんなで使えるようにする仕組みです。ナレッジマネジメントを導入すると、仕事がもっとスムーズになったり、新しいアイデアが生まれたりします。
たとえば、上司のノウハウを部下に伝えたり、効率の良いやり方をまとめたマニュアルを作ったりするほか「このやり方がうまくいったよ!」という経験をみんなで共有することも含まれます。
この考え方は、1990年代に野中郁次郎教授が提案したもので、今では多くの会社で取り入れられています。一人ひとりの知識をみんなで活用することで、会社全体がもっと成長できるようになるのです。

暗黙知と形式知の違いとは?

知識には2つのタイプがあります。1つ目は「暗黙知」です。これは言葉や数字で表しにくい、経験から生まれる知識のことです。たとえば、ベテランの職人がもつ「匠の技」や「勘」がこれにあたります。経験を重ねることで身につく特別な知識です。

2つ目は「形式知」です。これはマニュアルやデータベースのように、誰でも分かる形で整理された知識のことです。たとえば、手順書や業務マニュアルは、形式知の代表的な例です。

ナレッジマネジメントでは、この暗黙知を形式知に変えることが大切です。そうすることで、個人のもつ特別な知識を組織全体で共有し、業務の効率化や新しい価値の創出につなげることができます。

ナレッジマネジメントに取り組むメリット

ここからは、ナレッジマネジメントに取り組むことで得られる具体的なメリットについて詳しく解説します。

人材育成

ナレッジマネジメントは、ベテラン社員がもっている「コツ」や「知識」を分かりやすくまとめ、ほかの社員に伝える仕組みです。たとえば、文章やイラストを使って説明することで、新しく入った社員もスムーズに仕事を覚えることができ、教える側も教わる側も無理なく成長できます。

属人化の防止

企業にとって、特定の従業員にしか分からない業務は組織の「リスク」になりかねません。ナレッジマネジメントは、そうした「属人化」を防ぐ手助けをします。みんなが知識を共有することで、急な人事異動や退職があっても仕事が滞ることなく進むようになります。

業務改善の効率化

ナレッジマネジメントで社内Q&Aシステムや共通データベースを活用すると、仕事のやり方やコツを一箇所にまとめることができます。これまで一部の部署しか知らなかった情報も、全社員が簡単にアクセスできるようになります。その結果、社員個々の業務時間が短縮され、業務をスピーディーに進められるようになります。

ナレッジマネジメントの具体的な成功事例

ナレッジマネジメントの成功事例は、業務の効率化や生産性向上を目指す多くの企業にとって良いお手本となります。ここからは、実際に成果を上げた事例を分かりやすく紹介していきます。

①富士フイルムビジネスイノベーション

富士フイルムビジネスイノベーションでは、仕事で困ったときにすぐ相談できる「何でも相談センター」を作りました。このセンターでは、スタッフから寄せられる質問を50のカテゴリーに分け、データベースにまとめています。この仕組みを使えば、社員全員が簡単に答えを見つけられるようになり、業務効率が大幅に向上しました。

②キーエンス

キーエンスは、営業スタッフ間での知識共有をスムーズにするために独自のインセンティブ制度を導入。「みんなで助け合おう!」という意識を高めるため、ナレッジ共有への貢献度を評価する仕組みを導入しました。この制度では、営業の成果だけでなく、知識を共有する行動も評価されるため、チーム全体で情報を交換する文化が生まれました。その結果、組織全体の生産性向上に成功しています。

③磨き屋シンジケート

磨き屋シンジケートは、金属加工業界が海外製品に押されて苦しい状況にあったとき、ナレッジマネジメントを活用して大きな変革を起こしました。企業間での仕事の流れをまとめて効率よくし、職人たちの技術を共有して、みんなでスキルを高めたのです。その結果、新しい分野であるハイテク産業にも進出し、大手メーカーからたくさんの注文を受けるようになりました。斜陽産業から抜け出し、新しい可能性を切り開いた事例です。

ナレッジマネジメント成功のための3つのポイント

ナレッジマネジメントを成功させるには、適切な方法を理解し実践することが大切です。ここからはSECIモデルの活用、従業員への働きかけ、インセンティブ戦略という3つの重要なポイントを解説していきます。

ポイント① フレームワーク「SECIモデル」の活用

ナレッジマネジメントを上手に進めるためには、野中郁次郎教授が提案した「SECI(セキ)モデル」が役立ちます。このモデルでは、知識を「みんなが使える形」に変えて、新しいアイデアを生む仕組みが4つのプロセスで構成されています。

① 共同化
最初は、先輩と一緒に仕事をして学ぶように、経験を共有します。たとえば、先輩のやり方を見ながらその感覚をつかむ段階です。

② 表出化
次の「表出化」では、その経験を言葉や図で説明できるようにします。論理的に話し合い、共同化を経験していない人でも理解できるように深堀りします。

③ 結合化
「結合化」では、新しくマニュアルを作成したり、ITツールと連結させたりするなどの組み合わせを行うことで、扱いやすい知識を作ります。

④ 内面化
最後に、作られたマニュアルを使って実際にやってみます。共同化の「カン」や「コツ」を実際に体験し、自分のものにしていきます。

この4つのステップを繰り返すことで、知識がどんどん深まり、チームや会社全体に広がっていきます。

ポイント② 必要性を従業員に伝える

ナレッジマネジメントを成功させるには、従業員自身が知識共有の大切さを理解することが欠かせません。従業員が知識を共有しない理由には、自分の知識に自信がないことや、共有のメリットが分からないことがあります。
そのため、知識共有が仕事の効率化や個人の成長、そして会社全体のスキルアップにつながることを分かりやすく伝えることが大切です。みんなで知識を循環させることが、より良いチームを作る第一歩になります。

ポイント③ ナレッジ共有を促すインセンティブ戦略

知識をみんなで共有することは、ときには負担に感じる人もいます。そこで、みんなが進んで参加したくなる仕組みを作ることが大事です。たとえば、知識を共有した人を評価に反映させたり、社内で表彰する方法があります。また、デジタルツールの「いいね!」や「拍手」機能を使えば、気軽に感謝や称賛を伝えられます。小さな努力を認め合うことで、知識共有が楽しくなり、組織全体の成長に結びつく環境を作っていきましょう

まとめ

ナレッジマネジメントは、組織の知識を共有・活用し、効率化や成長を実現するための強い経営戦略です。

まずはSECIモデルの中身を理解することから始めましょう。

適切なナレッジマネジメントは、中小企業の組織力強化におおいに貢献してくれるはずです。

ナレッジマネジメントに「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください

イー・コミュニケーションズの「SAKU-SAKU Testing」を活用したナレッジマネジメントがおすすめです。
「SAKU-SAKU Testing」は自社で作成した教材を搭載して利用できるので、ナレッジマネジメントに必要な暗黙知を形式知にすることが可能です。
また、自社コンテンツを搭載するeラーニングプラットフォームとしての利用や、あらかじめ社員教育に必要な教材がパッケージ化されているものなど、さまざまなニーズに対応したeラーニングのご提案が可能です。
ご興味がおありの場合はお気軽にお問い合わせください。
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