新人社員研修のカリキュラムの計画方法を紹介します!
新人研修のカリキュラムを作成することは、企業の成長に欠かせない工程です。
多くの企業では、オンラインでの研修や合宿研修、グループワーク、外部研修などさまざまな方法を用いて新入社員研修を実施しています。
本記事では新入社員研修が成功するためのカリキュラムの計画方法を紹介します。
目次[非表示]
- 1.新入社員研修のカリキュラムの必要性とは
- 1.1.①企業へはやくなじむため
- 1.2.②一貫した教育
- 1.3.③効率的な時間管理
- 1.4.④必要なスキルを身につける
- 1.5.⑤モチベーションの向上
- 1.6.⑥ 法令遵守とリスク管理
- 2.新入社員研修のカリキュラム内容
- 2.1.企業や職場への理解を促すカリキュラム
- 2.2.社会人としての考え方を養うカリキュラム
- 2.3.報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の重要性に関するカリキュラム
- 2.4.ビジネスマナーに関するカリキュラム
- 2.5.コミュニケーション能力を養うカリキュラム
- 2.6.コンプライアンスの理解を深めるカリキュラム
- 2.7.論理的思考力を向上させるカリキュラム
- 3.新入社員研修カリキュラムの作り方
- 3.1.ステップ1:実際に必要なスキルをリストアップする
- 3.2.ステップ2:新入社員の目標を設定する
- 3.3.ステップ3:育成方法を選定する
- 3.4.ステップ4: スケジュールを調整する
- 4.新入社員研修のカリキュラムの例
- 4.1.営業職の新入社員研修の例
- 4.2.ITエンジニア職の新入社員研修の例
- 4.3.事務職の新入社員研修の例
- 5.新人研修カリキュラムを作成する際の注意点やコツ
- 5.1.学んだことをアウトプットする機会を設ける
- 5.2.カリキュラムを盛り込みすぎない
- 5.3.振り返りの機会の提供とフィードバックをする
- 5.4.新入社員の進捗状況を確認できるようにする
- 5.4.1.進捗状況を確認するにはeラーニングがおすすめ
- 6.まとめ
新入社員研修のカリキュラムの必要性とは
カリキュラムとは、教育や研修のために計画された一連の学習活動や内容のことをいいます。
新入社員研修のカリキュラムを作成することは、新入社員がスムーズに会社に適応し、効果的に業務を遂行するために重要です。
ここでは新入社員研修のカリキュラムの必要性を解説します。
①企業へはやくなじむため
新入社員研修のカリキュラムでは会社のルールや企業文化などの理解に役立ちます。
これにより、会社に早くなじみ、仕事にスムーズに取り組めるようになります。
②一貫した教育
すべての新入社員が同じ内容を学ぶことで、教育にばらつきがなくなります。これにより、全員が同じ基準で仕事を始めることができます。
③効率的な時間管理
計画的なカリキュラムを作成することで、研修期間内に必要な内容を効率よく学ぶことができます。重要なポイントに集中できるので、無駄な時間を省けます。
④必要なスキルを身につける
カリキュラムを通じて、新入社員は仕事に必要なスキルや知識をしっかり学べます。たとえば、使うべきツールやシステムの操作方法、会社の商品やサービスに関する知識などがあります。
⑤モチベーションの向上
体系的な研修があると、新入社員は会社が自分たちを大切にしていると感じます。これにより、やる気が出て、早期の退職を防げます。
⑥ 法令遵守とリスク管理
業務に関連する法令や規則を理解し、遵守するための教育を行うことは、会社全体のリスクを減らすことにつながります。
例えば、コンプライアンスや情報セキュリティに関する教育を行うことで、違法行為や情報漏洩のリスクを低減することができます。
新入社員研修のカリキュラム内容
新人研修のカリキュラムは企業によってさまざまですが、基本的な内容は共通している場合が多いです。
ここからは、それぞれのカリキュラムについて詳しく解説していきます。
企業や職場への理解を促すカリキュラム
新人研修で企業や職場への理解を深めてもらうために具体的に取り上げられる研修項目は、以下のようなものがあります。
- 企業理念・ミッション・ビジョン
- 企業文化
- 就業規則・福利厚生
- 企業の製品・サービスの理解
- 職場のルールとマナー
新入社員が企業や職場への理解を深めることは、会社の早期適応と実際の業務の際に役立ちます。
企業理念や企業文化を知ることで、会社の目標や価値観を理解し、就業規則や福利厚生を知ることで、安心して働ける環境が整います。企業の製品やサービスの理解は、業務に対する自信とスキル向上に繋がります。職場のルールやマナーを知ることは、日々の業務に役立ちます。
社会人としての考え方を養うカリキュラム
学生と新入社員では求められる役割や責任が大きく異なります。
学生時代は個人的に学ぶことが多いですが、社会人になると企業の一員としての考え方を求められます。そして、行動にも責任が伴うのが社会人です。
このカリキュラムでは、時間管理の重要性、責任感、チームワークの重要性を学ぶことができます。
これらを学ぶことで、新入社員は自己管理能力を高め、同僚や上司との円滑なコミュニケーションや信頼関係を築けるようになります。
また、社会人としての基本的な考え方を身につけられるので、個々の成長が促進され、企業全体のパフォーマンス向上にも繋がります。
報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の重要性に関するカリキュラム
新入社員研修で報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の重要性を学ぶことは非常に重要です。
報告・連絡・相談の重要性を知ることで、新入社員は職場で積極的に報告・連絡・相談してくれるようになります。これは業務を円滑に進めるために非常に重要です。
報告は上司から適切な判断をしてもらえ、連絡はチーム内での情報共有を促進し、相談は問題解決を迅速に行うことができます。
ホウレンソウは職場での信頼関係を築き、仕事の生産性も向上するため、新入社員は早期に学ぶことをおすすめします。
ビジネスマナーに関するカリキュラム
ビジネスマナーは、新入社員が一人前の社会人として働くために非常に必要なスキルです。新入社員研修では、主に以下のようなビジネスマナーを学ぶのが一般的です。
- 正しい挨拶の方法
- 名刺交換の作法
- 電話対応
- ビジネスメールの書き方
- 身だしなみ
ビジネスマナーは社会人の基本であり、職場での信頼関係を築きます。
基本的なマナーを身につけることで、社内外での対人関係もスムーズになります。
また、ビジネスマナーを身につけることは、組織の一員として恥ずかしくない印象を与えます。ビジネスマナーの理解は、企業のブランドイメージ向上にも寄与し、新入社員が自信をもって業務に取り組むための基盤となります。
コミュニケーション能力を養うカリキュラム
新入社員研修でコミュニケーション能力を養うカリキュラムは非常に重要です。
コミュニケーション能力は業務上での協力体制を円滑にできるだけでなく、相手への誤解も減らすことができます。
具体的に必要なコミュニケーションスキルには、以下のものが含まれます。
・傾聴力
相手の話をしっかりと聞くことで、相互理解が深まり、信頼関係を築くことができます。
・明確な表現力
自分の意見やアイデアを明確に伝える力は、誤解を避け、円滑な業務進行を助けます。
・非言語コミュニケーション
身振り手振り、表情、アイコンタクトなど、言葉以外のコミュニケーションも重要です。
これらのスキルを養うことで、職場でのコミュニケーションがスムーズになり、仕事がはかどるようになります。
また、コミュニケーション能力の向上は、問題解決能力の強化や、対人関係の改善にも繋がり、職場全体のパフォーマンス向上に寄与します。
コンプライアンスの理解を深めるカリキュラム
コンプライアンスの理解を深めるカリキュラムは、法令遵守や倫理的行動の重要性を理解し、企業リスクを減少させます。
これにより、企業の信頼性と評判が向上し、長期的な成長と安定を促進します。また、従業員一人ひとりが適切な行動を取ることで、職場環境の健全化とトラブルの未然防止につながります。
また、コンプライアンスとともにハラスメント、情報セキュリティを学ぶことをおすすめします。
ハラスメントは、近年多くの報道がなされ、社会的な関心が高まっています。特に、パワーハラスメント(パワハラ)については、その防止を企業に義務付けることが法律で決まりました。
情報セキュリティの理解は、自社がもつ情報資産についてのセキュリティ強化にも繋がります。
コンプライアンス、ハラスメント、情報セキュリティは企業における3大リスクであり、これらを学ぶことで企業のリスクを減らし、持続可能な経営に繋がります。
コンプライアンス、ハラスメント、情報セキュリティを効果的に学ぶにはイー・コミュニケーションズの「コンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティベーシック」がおすすめ
「コンプライアンス・ハラスメント・情報セキュリティベーシック 」はコンプライアンス、ハラスメント、情報セキュリティの3点において、リスクの見える化から教育まで行うことができます。特定シーンにおいて正しい行動や考え方を答えさせる「ケース問題」で構成されており、職場ですぐに活用できる知識や考え方を身に付けることができます。
論理的思考力を向上させるカリキュラム
論理的思考は職場でのコミュニケーションや問題解決、意思決定に不可欠なスキルです。
論理的思考力を向上させることで、情報を整理し、因果関係を明確にすることができ、複雑な課題に対しても、落ち着いて取り組むことができます。
また、客観的かつ根拠に基づいた意思決定ができるため、感情や直感に頼らずにリスクを最小限に抑えた判断ができます。
さらに、論理的思考力はコミュニケーションをとる際にも発揮できます。
自分の意見や考えを明確かつ簡潔に伝えることで、誤解を減らすことができるからです。
結果として、論理的思考力を向上させることによってプロジェクトの進行がスムーズになり、組織全体の生産性が向上します。
論理的思考力はビジネスのあらゆる面で重要な役割を果たします。
新入社員研修カリキュラムの作り方
ここでは新入社員研修のカリキュラムの作成方法を解説していきます。
ステップ1:実際に必要なスキルをリストアップする
まず最初に、新入社員の研修カリキュラムを作るにあたり、研修を行う必要があるスキルをリストアップします。
そのためには新入社員に求めるスキルや知識をその関係部署や職種に合わせてヒアリングするのが良いでしょう。
また、現場のリーダーや新入社員達とのインタビューを通じて、具体的なニーズを把握しましょう。
ステップ2:新入社員の目標を設定する
新入社員それぞれが研修期間中に達成したい目標を明確に設定しましょう。
なぜなら、新入社員の目標設定は、研修カリキュラム作成において重要だからです。
目標を設定することで個々の成長を促進し、研修の効果を最大化することができます。
また、自身の目標を明確にすることで、研修に集中し、意気込みをもちやすくなります。
目標設定をする際は企業の目標と個人の目標を整合させるようにしましょう。
そうすることで新入社員は自身の会社での役割を理解しやすくなります。
ステップ3:育成方法を選定する
研修内容に合わせた研修方法を選定することで新入社員はより効果的に研修カリキュラムを遂行することができます。
新入社員研修において代表的な育成方法は以下のようなものがあります。
- 実地研修(OJT): 実際の業務を通じて学ぶ研修方法。現場の仕事に即したスキルを習得できるので、理論と実践のギャップを減らすことができます。
- 集合研修(Off-JT): 講義形式で行われる研修です。短時間で専門的な知識を学べます。
- eラーニング: オンラインで学ぶ方法で、場所や時間を問わずに学習できます。個々のペースに合わせて進められるため、自主的な学習に役立ちます。
- メンター制度: 経験豊富な先輩社員が新入社員をサポートする方法です。業務上の疑問やキャリアなどの相談に対応し、成長を支援します。
これらの育成方法を理解し、研修内容に合わせた方法を組み合わせて作成することが大切です。
ステップ4: スケジュールを調整する
カリキュラム作成の際にスケジュールを調整する必要があるのは、研修が効果的で無理なく進行できるようにするためです。
適切なスケジュールを設定することで、社員は研修を無理なく学習でき、確実にスキルや知識を習得できる環境を整えることができます。
また、業務の忙しさや個々の進捗状況に応じて都度調整しても良いです。
研修内容ごとに一般的な研修期間は以下のようなスケジュールがおすすめです。
基礎知識研修:ビジネスマナーや企業文化の理解、基本的な業務プロセスの習得など。期間は1週間から1か月程度が一般的です。
専門知識研修:業務に直結する専門スキルや知識の習得。例えば、ITスキルや営業手法など。この場合、1か月から3か月程度が必要です。
実地研修(OJT): 実務を通じてスキルを磨くための研修。通常、3か月から6か月程度が適していますが、業種や職種によってはさらに長期間が必要な場合もあります。
フォローアップ:初期研修後のフォローアップとして、継続的な学習やスキルアップを目的とするものです。定期的に行うことで、モチベーションを維持し長期間にわたって成長をサポートします。
これらの期間を考慮してスケジュールを調整することで、新入社員が確実に成長し、早期に戦力化できるようになります。
新入社員研修のカリキュラムの例
営業職の新入社員研修の例
営業職の新入社員研修カリキュラムでは、営業資料作成に必要な基礎的なITスキルや実際の営業活動で必要な営業スキルを身につけることが重要です。
具体的な研修内容の例として以下があげられます。
カテゴリー |
研修内容 |
ビジネスマナーとコミュニケーションスキル |
基本的なビジネスマナーと顧客との良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルを学びます。 |
営業職の理解 |
営業の流れや手法を具体的に学び、目標設定や達成のための計画を立てる方法を学びます。 |
ツールやITスキルの習得 |
ExcelやPowerPointを用いた営業資料の作成方法や、顧客管理ツールの使い方など、日常業務で必要となるITスキルを学びます。 |
ロールプレイング |
実際の営業シーンを想定したロールプレイングを行い、実践力を養います。 |
これらの研修内容を通じて、新入社員は営業職として必要な基本知識とスキルをしっかりと身につけることができます。
ITエンジニア職の新入社員研修の例
ITエンジニア職の新入社員研修カリキュラムでは、使用するプログラミングの知識に加えてセキュリティに関する基礎知識や、円滑な業務遂行のためのコミュニケーションスキルを身につけることが大切です。
ITエンジニアの具体的な研修内容の例として以下があげられます。
カテゴリー |
研修内容 |
基礎的なプログラミングスキル |
|
セキュリティの基礎知識 |
情報セキュリティの基本原則や、セキュリティリスクへの対応方法を学びます。 |
開発環境のセットアップ |
自社の開発環境やツールの使い方、バージョン管理システムの利用方法を身につけます。 |
これらの研修内容を通じて、新入社員はITエンジニアとしての基礎スキルを学ぶことができ、実務に適応できるようになります。
事務職の新入社員研修の例
事務職の新入社員研修カリキュラムでは、実際に配属される業務の知識を身につける必要があります。具体的な研修内容の例として以下があげられます。
カテゴリー |
研修内容 |
基礎的なビジネスマナー |
電話対応や来客対応、メールの書き方など、事務職として必要な基本的なビジネスマナーを学びます。 |
ExcelやWordのスキル |
Excelでのデータ入力や集計、Wordでの文書作成スキルを強化します。 |
会計・経理の基礎知識 |
簿記や財務諸表の読み方、経費精算の方法など、基本的な会計・経理知識を習得します。 |
顧客対応スキル |
顧客からの問い合わせ対応やクレーム処理の方法を学び、実践的なスキルを身につけます。 |
これらの研修内容を通じて、新入社員は事務職としての日常業務を円滑に遂行するための知識とスキルをもつことができます。
新人研修カリキュラムを作成する際の注意点やコツ
ここでは研修カリキュラムを作成する際の注意点やコツをお伝えします。
学んだことをアウトプットする機会を設ける
新人教育研修を成功させるための重要なコツの一つは、アウトプットする場を設けることです。
学んだ知識やスキルを実際に活用したり、他者と共有することで、理解を深め、学習効率が上がります。
定期的なプレゼンテーションや成果発表や、プロジェクトへの参加など、アウトプットの機会を設けることで社員の自信を養い、学びを定着させます。
カリキュラムを盛り込みすぎない
カリキュラムを作成していると、多くのことを学ばせたいとカリキュラムを盛り込みすぎてしまう傾向があります。
しかし、限られた研修期間で効果的な研修効果を得るためにはカリキュラムを盛り込みすぎず、必要な項目を選択して研修カリキュラムを作成することをおすすめします。
振り返りの機会の提供とフィードバックをする
新人教育研修を成功させるためには、振り返りの機会とフィードバックの機会を提供しましょう。
振り返りは、新入社員が学んだ内容や経験を整理し、自分の成長を確認するために重要です。定期的な振り返りの時間を設けることで、社員は自身の強みや改善点を客観的に見つめ直すことができます。
フィードバックも同様に重要です。上司やメンターからの建設的なフィードバックは、客観的な状況の理解と改善を図るための機会にもなります。またモチベーションを維持する助けとなります。
新入社員の進捗状況を確認できるようにする
新入社員研修をしている中で新入社員がどれぐらい研修内容を理解、習得しているか把握することが重要です。なぜなら、企業はただ新入社員研修を実施することが目的ではなく、研修を通してスキルを身に着けることがゴールだからです。
進捗状況を確認するにはeラーニングがおすすめ
eラーニングを利用した研修では、管理者の画面から受講者の進捗状況を確認することが可能です。
イー・コミュニケーションズのeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」ではユーザーを組織で管理でき、かつカテゴリーとグループを紐づけることができます。
この機能により「〇〇所属の入社×年目でかつ課長職以上のみを教育の対象にする」というような限定制御も可能になります。
新入社員全員に受けてもらいたい研修や部署や職種によって異なる研修を受けてもらいたい場合も簡単に操作することが可能です。
まとめ
新人研修のカリキュラム作成の重要性とカリキュラムの作成方法について説明しました。
新入社員が研修の目的を明確にし、その目的に基づいたカリキュラムを実施することで
社員は企業文化に適応し、即戦力になります。
研修担当者はより効果的な研修カリキュラムを作成しましょう。