メンター研修とは?中小企業のメンター研修完全ガイド!効果・進め方・成功のコツを徹底解説
中小企業にとって、人材育成は永遠の課題です。
「新人や若手が早期退職してしまう」
「しっかり教育したいのに手が回らない」
こんなお悩みを抱えていませんか?
そんな方におすすめしたいのが「良き指導者」を育てる「メンター研修」です。
メンター研修成功のコツは、メンターと指導を受けるメンティーの関係性を深めることです。
本記事ではメンター研修の効果や導入手順を含む成功のコツを具体的に解説していきます。
メンター研修を活用しながら、組織に定着し長く働いてもらえる人材を増やしていきましょう。
目次[非表示]
- 1.メンター研修とは何か?
- 2.メンターとメンティーの関係性について
- 3.中小企業におけるメンター研修の3つのメリット
- 3.1.・メンティーにとってのメリット
- 3.2.・メンターにとってのメリット
- 3.3.・企業にとってのメリット
- 4.失敗しない!メンター研修プログラムの導入ステップ
- 4.1.① 目的の理解
- 4.2.② 役割の理解
- 4.3.③ ルールや支援体制についての理解
- 4.4.④ メンタリングにおけるポイントの理解
- 5.メンター研修で習得すべき3つの重要スキル
- 5.1.傾聴力
- 5.2.コーチングスキル
- 5.3.メンタルヘルスについて
- 6.中小企業でメンター制度を成功させる3つのポイント
- 6.1.① 会社全体への周知
- 6.2.② 適切なメンターの選定
- 6.3.③ 振り返りの場を設ける
- 7.まとめ
- 8.メンター研修にeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
メンター研修とは何か?
メンター研修とは、新入社員・若手社員の「良き指導者」となる先輩社員を育てるプログラムのことです。近年の職場は契約社員やフリーランスなど働き方が多様化しており、新人や若手社員が「仕事の進め方がわからない」「職場になじめない」といった悩みを抱えていても、気軽に相談できる相手を見つけにくくなっています。
そこで注目されているのが「メンター研修」です。心強い味方がそばにいれば、新入社員も安心して仕事に取り組めます。その結果「会社を辞めたい」と考える新入社員・若手社員も減り、誰もが働きやすい職場を整えていくことができるのです。
メンターとメンティーの関係性について
メンター制度では、サポートする先輩社員を「メンター」、支援を受ける新入社員・若手社員を「メンティー」と呼びます。ここで大切なのは、メンターは直属の上司や同じ部署の先輩ではなく、別の部署から選ぶことです。
例えば、営業部の新入社員には総務部の先輩がメンターとなるイメージです。なぜなら直属の上司の場合「失敗したら評価に響く」と心配になり、本音で相談しづらくなるからです。違う部署の先輩であれば仕事の評価を気にせず、悩みを打ち明けやすくなります。
中小企業におけるメンター研修の3つのメリット
中小企業にとってメンター研修はどんなメリットがあるでしょうか。メンター、メンティー、企業と分けてご紹介します。
・メンティーにとってのメリット
新入社員・若手社員にとっての大きなメリットは「会社の中に頼れる存在がいること」です。相談できる相手がいることで仕事の不安も減ります。またメンターからは「お客様との上手な話し方」など、経験者だからこそ教えられる「コツ」や「暗黙のルール」も学ぶことができます。困ったことや不安なことがあったときに話ができる人がいる環境は、仕事へのモチベーションと成長を向上させてくれます。
・メンターにとってのメリット
「教えることは学ぶこと」という言葉の通り、後輩の指導は先輩の成長にもつながります。例えば「なぜそのやり方がいいのか」を説明するうちに、自分の経験を整理できたり、新しい気づきが生まれることもあります。また、後輩の成長を見守る中で、リーダーシップも自然と身についていきます。誰かを支援することで、自分も大きく成長できるのです。
・企業にとってのメリット
中小企業のメリットとしては、まず部署を超えた交流が生まれ社内のコミュニケーションが活性化します。さらに新入社員・若手社員の悩みを早めにキャッチできるので、突然の退職を防ぐことができます。さらに外部講師を雇わずに社内で人材育成ができるため、コストを抑えることができます。社員同士で学び合う文化が、会社全体の成長を後押ししてくれます。
失敗しない!メンター研修プログラムの導入ステップ
ここからはメンター研修を実際に導入する際のコツをステップごとに解説していきます。ひとつひとつ丁寧に進めることで、効果のあるメンター研修が実現します。焦らず進めていきましょう。
① 目的の理解
まずは「なぜメンター制度を始めるのか?」を社員全員で共有するところから始めます。例えば「部長が忙しすぎて新人の相談に乗れない」など具体的に困っている人や課題を明確にし、それらを解消または救うためにメンター担当者の力が必要、という構図にします。
目的は「管理職の負担軽減」でも「メンター担当の成長」でも「社内コミュニケーションの活性化」でも何でも構いません。定めた具体的な目的を理解させ、共有することで社員全員が同じ方向を向くことができます。
② 役割の理解
次にメンターの役割理解を促します。メンターは「心の支え」になる存在です。仕事の教え方ではなく、新人の気持ちに寄り添う役割を担います。例えば、「元気?」と声をかけたり、「私も同じ経験があるよ」など経験を共有したり、何気ない会話で新人の不安を和らげます。またメンター研修はメンター自身を見つめ直す絶好の成長機会にもなることを理解してもらいましょう。
③ ルールや支援体制についての理解
次にシンプルなルールや支援体制を定めます。例えば、「月1回、30分、カフェで会話する」というふうに実施期間、面談の開催頻度・時間・場所、活動報告書の記載事項などを明確に定めましょう(報告書の作成は負担が最小限になるよう工夫)。
また人事部門が「困りごとはない?」と、メンターに声をかける体制や、メンターとメンティーの相性が合わない場合に相談できる窓口も設けます。長く続けられる制度にするためにはこうした体制づくりも必要になってきます。
④ メンタリングにおけるポイントの理解
最後にメンタリングにおけるポイントを理解しておきます。大切なことは、お互いをよく知ることです。まずメンター自身が「私は何を大切にしているのか」など自分の価値観・キャリアに対する考えを整理します。
その際は価値観とキャリアを考える際に参考になるのが下記のキーワードです。
【価値観とキャリアを考えるためのキーワード】
信頼関係・健康・貢献・協調性・個性・社会課題・豊かさ・環境・家族・愛など
そして初回の面談では「自分の優先順位が高い価値観はこの3つだけど、〇〇さんは?」のように率先して自己開示を行いながら情報を集めていきます。メンターから先に自己開示することで相手は話しやすくなり、価値観をテーマに話すことでお互いのことを深く知る機会を得ることができます。
メンター研修で習得すべき3つの重要スキル
メンター研修導入のステップがわかったら、ここからはメンター研修で習得すべき3つのスキルについて解説していきます。
メンター研修開始当初はスキルが身についていなくても、メンティーとともに成長していく気持ちをもつことも大切です。
傾聴力
メンターにとって最も大切なのは「聴く力=傾聴力」です。ただ黙って聞くのではなく、相手の話に頷きながら、ときには「そうだったんですね」と相づちを打ちます。例えば新人が「仕事が覚えられなくて…」と悩みを打ち明けたときは話を理解し、共感しながら相手の表情やしぐさにも注目します。彼らの「立場や視点を尊重しながら聴く姿勢」がメンターには必要です。
傾聴力に関する参考記事:傾聴力とは?意識すべきことや身につけるための方法を紹介!
コーチングスキル
コーチングの意義は「教える」のではなく、「気づかせる」ことにあります。例えば、新人が「この仕事、どうすればいいでしょう?」と聞いてきたときにすぐに答えを教えるのではなく「どんな方法があるかな?」と対話を通じて自分で考えるきっかけをつくります。コーチングスキルは適切な質問で相手の洞察を深め、自己解決能力を高める役割を果たします。
メンタルヘルスについて
スキルというほどではないですが、新入社員・若手社員の「心の健康」をサポートするのもメンターの大切な役割です。例えば「最近表情が暗い」「休みがちになった」といった変化を感じたら「何か困ってる?」と声をかけます。悩みを受け止める機会もあるため、メンタルヘルスの基礎知識を身につけておきましょう。ただし深刻な悩みは抱え込まず、場合によっては上司や人事部門への共有が必要になることもあります。
中小企業でメンター制度を成功させる3つのポイント
それでは最後に、中小企業がメンター制度を成功させるポイントを3つに絞り、解説していきます。
① 会社全体への周知
メンター制度は「みんなで育てる文化」をつくる第一歩となります。だからこそ、全社員への丁寧な説明が欠かせません。「来月からメンター制度を始めます!」と一方的に伝えるだけでは不十分です。「なぜ始めるのか」「どんなことをするのか」「制度導入で働き方や環境に変化が生じる可能性」などを具体的に説明し、質問タイムも設けましょう。社員全員が「自分ごと」として捉えられる、そんな雰囲気づくりが大切です。
② 適切なメンターの選定
メンター選びは「適役探し」です。仕事ができるだけでなく、指導力やマネジメント能力がありながら人の話を聴くことができ、気持ちに寄り添える人を選びます。例えば「ミスが怖くて前に進めない」と悩んでいる相手に「私も同じだった」と共感できる人材が理想的です。適切なマッチングにより、お互いが学び合える関係が生まれます。
③ 振り返りの場を設ける
メンター制度はときには「相手の悩みが分からない」「変化が見られない」など、上手くいかないと感じることもあります。そんなとき大切なのが定期的な振り返りの場です。他のメンターと情報交換することで、気づきやアドバイスを得ることができます。メンター・メンティー双方が自身の成長を実感することができ、また研修の意義や有効性を確認する良い機会になるため、必ず振り返りの場を設定するようにしましょう。
まとめ
メンター研修は、中小企業の人材育成を加速させる取り組みです。
新人社員・若手社員は心強い相談相手を得て安心できますし、メンターは指導経験を通じてリーダーシップを磨くことができ、何より「共に学び、共に成長する」文化が会社全体に広がっていきます。
ぜひ「育て合う組織」への第一歩を踏み出してみてくださいね。
メンター研修にeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」をご活用ください
メンター研修を手軽に実施するには、eラーニングの活用がおすすめです。eラーニングプラットフォームの「SAKU-SAKU Testing」でしたら、自社で作成した教材を簡単に搭載することができ、都合のいい場所・時間で研修を受けることが可能です。
受講者も管理者も使いやすいプラットフォームで、スムーズに研修が実施できます。eラーニング導入をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。