理解度テストの作り方とは?知識を定着させるポイント
理解度テストの実施は、受講者の知識定着や社員教育プログラムの改善に欠かせません。しかし、「理解度テストの作り方が分からない」と困っている企業様も多いのではないでしょうか。
本記事では、理解度テストの作り方や知識定着を促進させるポイントをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.理解度テストを実施する目的
- 2.【4STEP】理解度テストの作り方
- 2.1.STEP1:理解度テストの仕様を決定する
- 2.2.STEP2:仕様に沿って問題を作成する
- 2.3.STEP3:教材化する
- 2.4.STEP4:効果測定する
- 3.理解度テストで知識定着を促進させるポイント
- 3.1.理解度テストの実施を告知しておく
- 3.2.3段階で実施する
- 3.3.オンラインテストを活用する
- 3.4.フィードバックやフォローを行う
- 4.まとめ
理解度テストを実施する目的
理解度テストを実施する主な目的として、「受講者の知識を定着させる」「受講者の知識やスキルを評価する」などが挙げられます。
企業が緻密な学習プログラムを組んでいても、受講者が理解していなければ良い研修とはいえません。研修によって一時的に知識をインプットできても、受講者がすぐに忘れてしまい、実務に活かせないというケースは多くみられます。理解度テストを実施することは、学習内容の理解度を深め、知識を定着させることにつながります。
また、理解度テストの結果が悪い場合は、教材やカリキュラムの質に問題がある可能性が考えられます。受講者が何を理解できなかったのかを把握し、コンテンツの見直しやアップデートをすることによって、教育効果を高めることが可能です。
【4STEP】理解度テストの作り方
理解度テストは研修の内容に合わせて作成することが重要です。
ここでは、理解度テストの作り方を4つのSTEPに分けてご紹介します。
STEP1:理解度テストの仕様を決定する
はじめに「出題形式」「問題数」「合格基準・配点」を決めましょう。
一般的なテストの出題形式には、択一式や複数選択式、記述式、短答式などがあります。
難易度の高い記述式をすべての問題に用いるのは受講者にとって負担がかかるため、複数の出題形式を組み合わせながらうまくバランスを取るのがおすすめです。
あわせて、問題数や配点も考慮しましょう。例えば、記述式の10問と、いくつかの出題形式を組み合わせた50問とでは問題の粒度や配点が変わってきます。難易度の高い問題や必須知識の問題には、高い配点を設けると良いでしょう。
STEP2:仕様に沿って問題を作成する
テストの仕様が決まったら、本格的に問題を作成していきます。
まずは出題範囲のバランスを考えましょう。特定の分野に問題数が偏らないよう、研修の内容を網羅できるような問題を作成します。
続いて、問題文や選択肢の表記ルールを決めましょう。表記が統一されていないと、見にくかったり、回答者にストレスを与えてしまったりします。以下は、表記が統一されていない不適切な例です。
例:択一式の問題 |
上記はどちらも同じ意味であるため、どちらかに統一すると良いでしょう。
問題文を作成したら、以下を意識しながら見直しましょう。
・句読点の位置は適切か
・二重表現を使っていないか(例:過半数を超える、違和感を感じる、など)
・問題が冗長でないか
自社で問題作成をするのが難しい場合は、専門会社にコンサルを受けるのもおすすめです。イー・コミュニケーションズが提供する「サクモンコンサル」では、質の高い問題が作れるようサポートを行なっております。
「問題文の作り方が分からない」「そもそも何から始めたら良いか分からない」といった場合は、ぜひお問い合わせください。
STEP3:教材化する
問題を作成したら、いよいよ教材化する工程に入ります。テストを教材化する際には、テスト作成ツールや教育プラットフォームを活用するのがおすすめです。
以下は、eラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」へ問題を移行させる際の見本画像です。
STEP4:効果測定する
テストは実施して終わりではなく、継続的な改善やアップデートが重要です。受講者のテスト結果を分析したり、フィードバックを収集したりして問題点や改善点を洗い出し、次の施策を講じましょう。
実施後の見直しポイントは以下のとおりです。
・理解度テストの目的を達成できたか |
理解度テストで知識定着を促進させるポイント
上記のとおり、理解度テストは受講者の知識定着に役立ちます。
ここでは理解度テストを通して知識の定着を促すためのポイントをご紹介します。
理解度テストの実施を告知しておく
社員教育の実施前に、理解度テストを実施する旨を告知しておきましょう。ただ研修やセミナーを受けるだけでは、「聞くだけ」で終わってしまうこともあります。事前にテストを受けることが分かれば、受講者も学習内容を深く理解しようと意識が変わります。
その際は、あわせて社員教育の目的も伝えておくと良いでしょう。
学習の効果測定でよく用いられるカークパトリックの4段階評価法を覚えておくとより理解できますが、理解度テストはあくまでも学習効果を評価するものです。
社員教育の最終的な目的は受講者のスキルアップにつなげ、実務に活かすことですので、「学習内容を定着させ、今後の実務にどう活かしていくかを考えていくことが重要」であることを受講者に伝えましょう。
カークパトリックの4段階評価法については、以下の記事でも解説しています。社員教育の効果を高める包括的な効果測定の方法について解説している記事ですので、理解度テスト以外の手法もあわせて理解しておきたい方におすすめです。
「社内研修の効果測定に有効な方法は?効果測定の課題とポイントを解説」
3段階で実施する
理解度テストは「研修直前」「研修直後」「研修から数ヶ月後」の3つのタイミングで行うと知識定着に効果を発揮します。
研修直前の理解度テストは、受講者が現在どのくらいの知識レベルかをはかる意図もあり、学習内容をより理解しやすいものにしたり、研修の目的・目標を定める材料にしたりすることも可能です。
ただし、テストを複数回行うとその分受講者への負担がかかること、データの収集と分析のリソースを確保する必要があることを考慮しておきましょう。
オンラインテストを活用する
理解度テストはオンラインで実施するのがおすすめです。オンラインテストであれば「いつでも」「どこでも」受講でき、受講者にとって負担が少なく済みます。またデータの集計や分析、管理もしやすく、上記でご説明したデータの収集・分析の手間を省くメリットもあります。
eラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」では、「多肢選択式」「穴埋め」「並び替え」「合格基準」「動画」「画像」「音声出題」など、あらゆる仕様のテストをオンラインで出題できます。全体評価や分類評価などの機能も充実しておりますので、理解度テストの改善や育成計画の策定にもご活用いただけます。
フィードバックやフォローを行う
理解度テストの結果に対するフィードバックを受講者に提供しましょう。誤答した内容について解説したり、間違えやすい分野を伝えたりすることで、受講者の自己学習に役立てることができます。
また理解度チェックの結果に応じて現場での指導も必要となるため、配属先の上司とも結果を共有しましょう。現場でのフォローを受ければ、理解度テストの効果を高められます。
まとめ
理解度テストは受講者の知識・スキルの習熟度を図ることや、教材・カリキュラムの改善点を見つけるために欠かせません。
理解度テストを作成する際は、自社が実施する学習プログラムに合わせた問題を考え、出題形式や問題数などを調整しましょう。
またテストのフィードバックも欠かさず行うことで、社員教育の効果を高められます。