オンライン試験を監視せよ!不正を見逃さないカンニング防止方法とは
一般に、オンライン試験はカンニングしやすい試験方式だと思われています。しかし監視の仕組みを作っていれば、カンニングはできませんし万が一カンニングされた場合も発見・対応が可能です。
この記事では、カンニングに関する意識調査をもとに、オンライン試験で想定されるカンニング方法や対策についてまとめます。対策については、試験中に監視する方法を中心にまとめました。最後におすすめ監視サービスを紹介するのでぜひご参考になさってください。
目次[非表示]
- 1.「オンライン試験はカンニングしやすい」と思われている
- 2.監視の厳しさがカンニングの抑止力に
- 3.想定されるカンニング方法
- 3.1.カンニング方法➀他の人の解答を覗き見る
- 3.2.カンニング方法②カンニングペーパーを用意する
- 3.3.カンニング方法③試験中の他の人に教えてもらう・教え合う
- 3.4.カンニング方法④スマホなどでインターネット検索する
- 4.有効な監視方法
- 4.1.監視方法➀Webカメラによるリアルタイムの監視
- 4.2.監視方法②試験中のようすの録画とチェック
- 4.3.監視方法③会場での対策
- 5.イー・コミュニケーションズの監視サービス
- 5.1.Remote Testingとは
- 5.1.1.監視機能➀Webカメラによるリアルタイムの監視
- 5.1.2.監視機能②録画動画のAIによる解析
- 5.1.3.監視機能③録画の閲覧・ダウンロード
- 5.1.4.監視機能④合否の修正
- 5.1.5.監視機能⑤本人認証
- 5.2.MASTER CBT PLUSとは
- 5.2.1.アトランダム・シャッフル
- 6.オンライン試験だってカンニングはバレる!そもそもカンニングさせない仕組みづくりを
「オンライン試験はカンニングしやすい」と思われている
「オンライン試験はカンニングしやすい」というイメージがあるのは、調査からも明らかになっています。「一般財団法人全日本情報学習振興協会」が2022年3月に「カンニングする人の心理」に関する調査の集計結果を発表しました。この調査は「資格試験や国家試験でカンニングをしようと思ったことがある人」を対象にしたものでした。
それによると、カンニングしやすい試験環境を挙げてもらう質問で「オンライン試験」を挙げた人は30.9%いました。これは、「試験監督の監視が甘い」(63.6%)・「持ち込みチェックが甘い」(39.2%)に次いで3番目です。
しかも「オンライン試験なら容易にカンニングできそうだと思いますか?」の問いには、「とてもそう思う」が36.6%、「ある程度そう思う」が42.4%という回答結果でした。つまり「オンライン試験」という試験形式がカンニングしやすいと思う人は、全体の約8割だったのです。
「カンニングしやすい試験環境」の回答上位2つの特徴が、オンライン試験に当てはまると考えている人が多いのではないかと考えられます。
監視の厳しさがカンニングの抑止力に
しかし同時に、監視が厳しければカンニングできないと考えている人も多数を占めていることが明らかになっています。
同調査では、「試験監督の目が厳しく“なかった”ら大勢の人がカンニングすると思いますか?」という問いもありました。この質問には「とてもそう思う」が21.0%・「ある程度そう思う」が48.3%という回答結果だったのです。
つまり、7割の人が「監視が厳しかったらカンニングできない」と考えていると言い換えられます。監視の厳しさが、カンニングの抑止力になると言えるでしょう。
想定されるカンニング方法
次に、想定されるカンニング方法を確認しましょう。同調査で、「どんな方法でカンニングしようと思ったか」という問いに多かった答えをまとめます。これは、実際の試験で想定されるカンニング方法と言えます。具体的には次の回答がありました。
他の人の解答を覗き見る
カンニングペーパーを用意する
試験中のほかの人に教えてもらう・教え合う
スマホなどでインターネット検索する
1つずつ確認していきましょう。
カンニング方法➀他の人の解答を覗き見る
まず「他の人の解答を覗き見る」という回答がありました。これは、会場型の試験で他の人の解答を見るという方法です。カンニングの典型的な例だと言えるでしょう。
典型的であることの表れで、58.8%がこの方法を挙げています。
カンニング方法②カンニングペーパーを用意する
次に「カンニングペーパーを用意する」という回答が多くありました。この回答には、カンニングペーパーのほか、手にメモする場合なども含まれています。
こちらも昔から今に至るまで一般的なカンニングの方法です。最近でも、警察の昇進試験でメモを持ち込んだ例が報道されていました。35.4%がこの方法を挙げていました。
カンニング方法③試験中の他の人に教えてもらう・教え合う
次に多かったのは、「試験中の他の人に教えてもらう」「試験中の他の人と教え合いをする」です。これは、会場型の試験で、いっしょに受けている受験生に教えてもらったり教え合ったりするということです。
周囲が知らない人ばかりの資格試験などよりは、学校の試験などで可能性が高まる方法だと言えるでしょう。社内の試験でもありえます。
見つかるリスクが高まるからか、前述の2つよりはこの方法を挙げた割合は大きく下がっています。「教えてもらう」は7.9%・「教え合いをする」は6.4%でした。
カンニング方法④スマホなどでインターネット検索する
最後に挙げるのは「スマホなどでインターネット検索する」です。デジタルデバイスをこっそり持ち込むなどして検索する方法です。
紙の試験はもちろん、会場・自宅どちらのオンライン試験でもありうると言えます。こちらも割合としては少なく、4.0%の回答でした。しかし割合は少ないのですが、この方法が発覚したニュースが増えてきているのも事実です。近年でも、大学入試の試験中に問題の画像がSNSに流出したり、スマートフォンで試験中に外部の協力者とやり取りしたりした事件がありました。
資格試験ではまだ少ないかもしれませんが、大学の校内での試験などではすでに問題視され、対応が始まっています。
有効な監視方法
次に、オンライン試験の具体的な監視方法をまとめます。上記のカンニング方法を厳しく監視できれば、カンニングの発生率を抑えられることになります。ここでは、試験のサービスに実装されていることの多いものを中心に説明します。具体的には次の通りです。
Webカメラによるリアルタイムの監視
試験中のようすの録画とチェック
会場での対策
1つずつ具体的に見ていきましょう。
監視方法➀Webカメラによるリアルタイムの監視
受験者のWebカメラを通じて試験中のようすを監視する方法です。監視方法について、紙ベースの試験とオンライン試験の最大の違いは1人ひとりにWebカメラがあることです。オンライン試験ならではのWebカメラを活用します。
目線がモニター以外に向いていないか、すなわちカンニングペーパーや周囲を見ていないかをチェックすることができます。映りこむ範囲が広い広角のカメラを使用させて、死角を減らして監視する場合もあります。
監視方法②試験中のようすの録画とチェック
受験者1人ひとりのWebカメラの映像を録画し、試験後にチェックする方法もあります。試験中に不正行為を発見できなかったとしても、後から確認・発見することができます。こちらもオンライン試験だからこそ可能な監視方法で、紙の試験にはない利点だと言えます。試験中よりも詳細・厳密に確認できるため、見過ごされる可能性は低くなります。
チェックは、担当者による目視のほかAIを利用する場合もあります。受験者の人数が多い場合、AIで不審な行動を抽出できると確認作業の労力を大幅に減らすことができます。
監視方法③会場での対策
会場で行う試験の場合、試験官が受験生の間を巡回する方法・会場に備え付けの監視カメラで監視する方法もあります。とくに試験官の巡回は広く行われています。定番の対策ですが、不正行為を企んでいる受験生にとっては強いプレッシャーになると言えるでしょう。
そのほか監視ではありませんが、会場で受付時の本人確認・座席へのパーテーションの設置や席と席の間隔を広く取ることなどもカンニング防止策として行われていることが多くあります。これらの対策も有効な方法です。
イー・コミュニケーションズの監視サービス
次に私どもイー・コミュニケーションズの提供しているカンニング防止にご活用いただけるサービスをご紹介します。
弊社ではリモート監視サービス「Remote Testing」やカンニング防止策を装備したCBTサービス「MASTER CBT PLUS」を提供しています。ここではRemote Testingの監視機能を中心に、MASTER CBT PLUSのカンニング防止策についてもまとめます。
Remote Testingとは
「Remote Testing」は、CBTサービスと組み合わせて活用できるリモート監視サービスです。弊社のCBTサービス「MASTER CBT PLUS」や「J-Testing」はもちろん、他社のサービスとも連携させて利用することが可能です。
数多くの監視機能を備えており、リモートながら会場試験と同等のオンライン受験を実現します。それと同時に紙ベースの会場試験と比べコストの見直しが可能なサービスです。つまり低価格で会場試験と同等の環境での試験を行うことが可能となります。
そのほか申し込み受付機能など、ご利用の用途に合わせた機能も活用いただけます。
では、以下にRemote Testingに実装されている監視機能についてご紹介します。
監視機能➀Webカメラによるリアルタイムの監視
Remote Testingでは、Webカメラによるリアルタイムの監視を行うことができます。監視員が受験者による不正と見られる行動を発見した場合、受験者へ不正警告と通知を行うことができます。そのほか、監視員がマーキングを行うことも可能です。
試験終了時には警告通知のサマリーが送付されます。もちろん通知した内容やマーキングの情報も閲覧できます。
リアルタイムの警告により不正な行動を抑止することができ、試験後に監視内容を確認できることでより詳細な検証が可能です。
監視機能②録画動画のAIによる解析
Remote Testingには、録画した動画をAIで解析する機能「AIアナリスト」が実装されています。解析した結果は点数化(不正点数)されます。一定以上の不正点数のものを抽出したり、精緻な再解析を行うことが可能です。
監視員とAIによる解析を併用することももちろん可能です。併用した場合、監視員による監視情報とAIによる解析とは個別に出力されます。客観的な判断が可能です。
AIによる解析は、人間の目では見逃してしまうような不正行為も発見できる可能性があり、監視員・AIを併用することで精度を高めることができます。
監視機能③録画の閲覧・ダウンロード
録画した結果は受験後に閲覧・ダウンロードすることが可能です。監視員・AI解析により不正の疑いのある行為が発見された場合、疑いのある場面をピンポイントでストリーミング再生することができます。
複数の人数で確認・協議したり時間をかけて何度も確認したりすることが可能となり、さらに精緻な判断を行うことができます。
監視機能④合否の修正
不正があった場合、該当の受験者の合否を主催者が修正することができます。いくらさまざまな機能を活用して精度の高い判断ができたとしても、それを合否という結果に反映されられなければ意味はありません。
Remote Testingではそのようなことがなく、個別に合否の修正ができます。不正を見逃さない・結果に反映させることは、それ以降の不正行為に対する抑制効果があります。回を重ねるごとに、不正行為ができないという認識を醸成することができます。
監視機能⑤本人認証
試験前の本人認証により、試験中はもとより試験より前に発生している不正行為を発見することができます。替え玉によるなりすましを発見することが可能となります。不特定多数の受験者がいる資格試験や、大規模な社内試験などで有効です。
試験前に認証を行うことには、「監視が厳しそう」という印象を持たせる効果があります。不正の発見だけでなく、不正の抑止も期待できます。
監視員による認証・AIによる解析が選択可能です。また試験の性格や規模などに応じて、本人画像・身分証明書撮影のみといった選択も可能です。
MASTER CBT PLUSとは
「MASTER CBT PLUS」は、コンピューターを使ったCBT試験を行うことができるプラットフォームです。資格試験などはもちろん、社内研修や社内の資格試験などにも導入事例の多いサービスです。
試験中はオフラインにすることができるため、通信環境などを気にすることなく安定した試験が実施可能です。受験者にとっても使用しやすいインターフェイスとなっており、主催者だけでなく受験者のメリットも多いサービスです。
自社のスペースを活用して試験を行うことができるほか、受験者が自宅で試験を受けることも可能です。弊社の会場型CBTサービス「J-Testing」と組み合わせれば、全国の試験会場を利用して試験を実施することもできます。
「MASTER CBT PLUS」にも、カンニング防止機能が実装されています。以下にまとめてご紹介します。
アトランダム・シャッフル
プールしている問題の中から出題する問題を受験者別にアトランダムに選んだり、出題順序や選択肢の順序をシャッフルしたりできる機能が付いています。
万が一会場で他の受験者の解答を覗き見たとしても、それが自分と同じ問題・同じ選択肢とは限らないということになります。カンニングの無効化に加えてカンニングへの抑止力とすることができます。
カンニングされやすいというイメージのオンライン試験ですが、こちらはむしろオンラインのCBTだからこその機能です。このように、オンライン試験・コンピューターを使用する試験ならではのメリットも多数あります。
オンライン試験だってカンニングはバレる!そもそもカンニングさせない仕組みづくりを
以上見てきたように、オンライン試験でもしっかりした体制を作ってカンニングを監視することが可能です。しかしそもそもカンニングさせない仕組みづくりが大切です。カンニングできない仕組みは、運営上の労力削減などはもちろん受験者の人生にとっても間違いなくプラスとなります。
カンニングさせない監視体制を作るためには、ぜひイー・コミュニケーションズのサービスをご検討ください。ご不明の点やご質問などございましたら、「お問い合わせ」ボタンよりお気軽にお問い合わせください。