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社会人教育とは?「リカレント教育」のメリットから支援制度まで徹底解説


社会人教育とは、社会人を対象にした教育活動の総称です。
その活動の1つに「リカレント教育」があります。
リカレント教育とは、社会人が必要な知識やスキルを自ら学び直すことを指し、キャリアアップや技術革新への対応を支援する取り組みです。
現代社会において、技術革新が非常に早く進んでおり、新しい技術やツールが次々と登場しています。それに対応するため、私たち社会人も新たな知識やスキルが求められます。
さらに人生100年時代であったり、グローバル化や経済の変動によって、職業の流動性が高まっています。
1つの職場で終身雇用される時代は終わり、職を転々とすることが一般的になっています。そんな世の中だからこそ「リカレント教育」は、新しい職業への転職やキャリアチェンジを成功させるための武器となります。
この記事ではリカレント教育のメリット・制度まで解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.企業が社会人教育を注目する理由とその課題
    1. 1.1.企業が注目する社会人教育の重要性とその効果
    2. 1.2.リカレント教育の課題とは
    3. 1.3.eラーニングを利用して気軽に学び直しの機会をあたえるのもおすすめ
  2. 2.リカレント教育は国が大学や専門機関を推奨しています
  3. 3.企業の取り組み事例
    1. 3.1.三菱地所株式会社
  4. 4.まとめ

企業が社会人教育を注目する理由とその課題

社会人教育とは、前項でもお伝えしたとおり、現代社会を生き抜くための武器になります。
ここでは企業が社会人教育に注目する理由と現在あげられている課題についてご紹介します。

企業が注目する社会人教育の重要性とその効果

企業がリカレント教育に注目する理由は、社員の知識やスキルの向上を通じて業務の効率化と品質の向上を実現する点にあります。
企業の生産性向上や市場競争力の強化が期待できます。具体的には、効率的な業務運営や高品質なサービス提供が可能となり、企業の競争力が増すことが挙げられます。

さらに、社員にとってもキャリアアップや自己成長の機会が提供されることで、モチベーションの向上が期待できます。企業が支援制度を通じて社会人教育を推進することで、社員のスキルが高まり、結果として企業全体の成長にも繋がります。
社会人教育は企業と社員双方にとって良い効果をもたらします。

リカレント教育の課題とは

リカレント教育は企業にも、社員にもメリットがあります。
しかし、現実には社員が大学等で学ぶことを許可する条件を明確に定めていない企業が多く存在します。

企業が従業者が大学等で学ぶことについての、許可条件等を定めてるか、実績があるかを調査した文部科学省の資料をみると、全体として許可条件等を定めていない企業が多く、小規模企業(1~20人)、中堅規模企業(21~300人)では、大学等で学ぶことを許可していない企業が1割を超えるという結果でした。

社員が大学等で学び直しすることの許可状況。条件を定めていないが大企業が4割、小規模、中堅規模は6割越え

参考:文部科学省「社会人の学び直しに関する課題等について

実際、過去5年の社員を大学へ送り出した実績については、大企業(300人~)は30%を超えているのに対して、小規模企業(1~20人)、中堅規模企業(21~300人)の結果は10%にも満たしていませんでした。

過去5年で従業員を大学等へ送り出した実績

参考:文部科学省「社会人の学び直しに関する課題等について

また、小規模企業(1~20人)、中堅規模企業(21~300人)「大学等で学ぶことを許可していない」理由としては「本業に支障をきたすため」という回答が一番多い結果でした。

そのほかの理由には、「教育内容が実践的ではない」、「人件費(人材育成経費)がかかる」などがあり、これらの問題によって、社会人が学び直しをする機会が限られてしまい、十分に浸透していないというのが現状です。企業側だけなく、国として社会人教育の重要性を認識し、具体的な支援制度を整備することが求められています。

参考:文部科学省「社会人の学び直しに関する課題等について

eラーニングを利用して気軽に学び直しの機会をあたえるのもおすすめ

リカレント教育はメリットもありますが、まだ課題もあります。
「大学等での学び直しを認めない」理由の1つに「本業に支障をきたすため」といった理由が一番多くありました。
それらを解決できるのがeラーニングです。
eラーニングはスマホやタブレットで受講できるため、時間や場所にとらわれません。
そのため本業に支障をきたすことは少ないです。
また、eラーニングであれば、自社に必要なコンテンツ取り入れれば、社員に学んでもらいたい内容も学習できるし、その内容を社員全員に展開することも可能なため、「教育内容が実践的ではない」、「人件費(人材育成経費)がかかる」といった課題も解決できます。
イー・コミュニケーションズのeラーニングプラットフォーム「SAKU-SAKU Testing」は教育にテストを用いることで理解を定着させるテストエデュケーションを用いたプラットフォームなので、知識定着しやすいです。
また、様々なコンテンツが入ったパッケージ「サクテス学びホーダイ」を利用することでビジネスに必要なコンテンツを学ぶことができます。

リカレント教育は国が大学や専門機関を推奨しています


日本政府は、急速に変化するビジネス環境に適応できる人材を育成するため、リカレント教育を積極的に推進しています。

例えば以下のような支援制度があります。

・労働者の主体的な学びへの支援
①教育訓練給付金
対象講座を修了した場合に、自ら負担した受講費用の20%~70%の支給が受けられます。

② 高等職業訓練促進給付金
ひとり親の方が看護師等の国家資格やデジタル分野等の民間資格の取得のために修学する場合に、月10万円(※)の支給が受けられます。
※住民税課税世帯は月7万5千円、修学の最終年限1年間に限り4万円加算

③キャリアコンサルティング
在職中の方を対象に、今後のキャリアなどについて、キャリア形成・学び直し支援センターでキャリアコンサルタントに無料で相談することができます。
(オンラインによる相談も可能)
 
・労働者が受講できる公的職業訓練
①ハロートレーニング
希望する仕事に就くために必要な職業スキルや知識などを無料で習得することができます。
雇用保険の対象となっていない方でも、一定の条件のもとで、月額10万円の支給を受けながら訓練を受けることができます。
新型コロナウイルスの影響で、休業やシフト減となった方も、働きながら訓練を受けることができます。

・事業主による人材育成への支援
①人材開発支援助成金
事業主が従業員に対して職務に関連した訓練を実施した場合や、新たに教育訓練休暇制度を導入して、教育訓練休暇を与えた場合に、訓練経費や制度導入経費等の助成が受けられます。

②生産性向上支援訓練
専門的な知見とノウハウを有する民間機関等に委託し、事業主のニーズに応じて、講義だけでなくグループワークなど効果的な演習を取り入れて実施する訓練です。
また、個別企業の課題に合わせてカリキュラムモデルをカスタマイズするオーダーコースを中心に、規模の⼩さな企業でも利⽤しやすいオープンコースも展開しており低コストで受けられます。

③企業内のキャリアコンサルティング(セルフ・キャリアドック)
企業内のキャリアコンサルティングの導入に向けて、無料でキャリアコンサルタントによる試行的なキャリアコンサルティングや相談支援を受けることができます。
出典:厚生労働省「リカレント教育​​​​​​​

リカレント教育に興味がある方はこれらの支援制度を活用してみるのも良いでしょう。

企業の取り組み事例

多くの企業がリカレント教育に積極的に取り組んでいます。

三菱地所株式会社

三菱地所株式会社は、長期経営計画2030において、国内アセット事業、海外アセット事業、ノンアセット事業の三本柱を基盤とした成長戦略を策定しました。急速に変化する社会・経済環境に対応するため、ビジネスモデルの革新を推進し、海外アセット事業におけるグローバル人材の育成や、ノンアセット事業におけるビジネスモデル革新やイノベーション創出が可能な人材の育成に注力しています。
さらに、人事制度改革を通じてオープンイノベーションの促進と、2018年からはデジタルトランスフォーメーション(DX)人材の育成にも取り組んでおり、それにともない、2021年からデジタルマーケティング研修を全社員を対象に実施しています。
また、入社5年目からの社員にはユーザ視点での商品発想力強化を目的として、デザイン思考研修を実施しています。
さらに三菱地所は更なる海外事業への投資拡大を軸とした成長を目指しているため、グローバル人材の育成も行っています。
参考:経済産業省「イノベーション創出のためのリカレント教育 事例集

富士通株式会社

富士通株式会社は、「お客様からのリクエストを実現する受託型の事業」から「お客様と共に作り上げる共創型の事業」への移行に伴い、自ら問を立てて解決できるDX人材の育成が必要となっています。
そのため、社員全員に対してDX人材への成長を呼びかけ、学びの支援を実施しています。
まず経営層がDXに必要な要素を身につけるプログラムを受講し、「TOP FIRST」として全社展開を目指しています。

2020年度には人材育成方針を大幅に見直し、一律の研修提供から社員一人ひとりの自律的な学びと成長を支援する方針に転換しました。
社員が自分の望むキャリアを実現できるように、学びのための社内プラットフォーム「FLX(Fujitsu Learning EXperience)」を整備しています。さらに、社員が最先端の技術を素早く学べるように、外部のオンライン学習サービスであるUdemyと契約し、社員が自由にそのコンテンツを利用できる環境を提供しています。

これにより、社員は会社から学びを強制されることなく、自身のキャリアに応じて自由に学びたい内容を選択できる環境が整えられており、約85%の社員がFLXを利用。

参考:経済産業省「イノベーション創出のためのリカレント教育 事例集

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まとめ

社会人教育は現代のビジネス環境での競争において非常に重要です。
本記事では、社会人教育の1つとしてリカレント教育を紹介しました。
リカレント教育は新しい知識や技術を身につけることでキャリアアップや収入アップを実現でき、企業にとっても業績や生産性の向上が期待できます。
支援制度や他社の事例を参考に、自分自身で学びなおしに取り組むことや、会社で制度化することが重要です。

 

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