オンライン研修のツール・システムとは?研修の内容別ツール例もご紹介
コロナ禍により一気に広がり一般的となったオンライン研修。導入を検討している企業の担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし「オンライン研修」と言われて、漠然としたイメージはあっても具体的なことがわからないかもしれません。
この記事では、オンライン研修を行うのに必要なツールやシステムについてまとめます。研修の種類に合わせて、種類ごとにツール・システムを解説します。ご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.オンライン研修とeラーニング研修
- 2.オンライン研修のメリット
- 2.1.➀場所・時間の自由度が高い
- 2.2.②方法によってはリアルタイムでコミュニケーションが取れる
- 2.3.③研修の質を均質化できる
- 2.4.④理解度を高められる
- 3.オンライン研修のデメリット
- 3.1.➀理解度が計りにくい
- 3.2.②モチベーションが保ちにくい
- 3.3.③交流しにくい
- 3.4.④通信環境などに左右される
- 4.オンライン研修の形式
- 4.1.形式➀録画講義型
- 4.2.形式②リアルタイム講義型
- 4.3.形式③グループワーク型
- 5.形式別・オンライン研修のツール・システムの例
- 5.1.録画講義型
- 5.1.1.ツール➀eラーニングツール
- 5.1.2.ツール②動画配信ツール
- 5.2.リアルタイム講義型
- 5.2.1.ツール➀動画配信ツール
- 5.2.2.ツール②Web会議ツール
- 5.3.グループワーク型
- 5.3.1.ツール➀Web会議ツール
- 5.3.2.ツール②情報共有ツール
- 6.オンライン研修導入までの流れ
- 6.1.➀研修内容と形式の検討
- 6.2.②情報収集
- 6.3.③使用するシステム・機材の選定
- 7.オンライン研修のやり方・手順
- 7.1.➀教材を準備
- 7.2.②配信のリハーサル
- 7.3.③受講生への告知・起動確認
- 7.4.④配信・実施
- 7.5.⑤後日アンケートなど
- 8.オンライン研修実施のポイント
- 8.1.➀ITスキル・ネットリテラシーの向上・教育
- 8.2.②受講環境の整備
- 8.3.③理解度を確認できる工夫
- 8.4.④交流できる時間・場所作り
- 8.5.⑤無理にすべてをオンライン化しない
- 9.eラーニング研修との組み合わせも効果的
- 10.オンライン研修ならイー・コミュニケーションズへご相談を
オンライン研修とeラーニング研修
「オンライン研修」「eラーニング研修」「Web研修」「リモート研修」「ウェビナー」など、リアルではない研修を指す言葉がいろいろあります。まず初めにこれらの単語の意味を整理しましょう。
大きくは「オンライン研修」と「eラーニング研修」に分かれます。「オンライン研修」は、主にリアルタイムの講義をオンラインで配信・受講する研修方法です。これに対して「eラーニング研修」は、主に録画動画や文字ベースの教材を配信し受講する研修のことを言います。詳しくは後でまとめますが、よく使われるツールやシステムにも違いがあります。
「Web研修」「リモート研修」「ウェビナー」などはどれも「オンライン研修」と同じ意味で使われています。これらは同じ内容を指すグループと思ってよいでしょう。
オンライン研修のメリット
オンライン研修のメリットについてまとめます。以下の点が挙げられます。
場所・時間の自由度が高い
方法によってはリアルタイムでコミュニケーションが取れる
研修の質を均質化できる
理解度を高められる
順に見ていきましょう。
➀場所・時間の自由度が高い
まずオンライン研修最大のメリットとして、場所や時間の制限が少ない点が挙げられます。実施する側が指定しない限り、受講者は好きな場所で視聴・受講することができます。
場所・時間の制限がないと、実施側も準備の作業を減らすことができます。会場型の研修は収容人数に合わせて会場を選ばなくてはいけません。そのため人数の確定や場所の検討・確保といった作業が発生します。しかしオンライン研修では同じ場所に集まる必要がありません。そのため参加者数が多くなっても会場のキャパシティの問題と無縁で、人数の確定といった作業も不要です。また交通費や宿泊費などのコストが削減できます。
さらに録画した講座を配信する場合は、時間も決める必要がありません。その場合は日程の調整の手間も省けます。
②方法によってはリアルタイムでコミュニケーションが取れる
ライブ配信による研修の場合は、チャット機能やブレイクアウト機能を利用して講師やほかの受講者とコミュニケーションを取ることが可能です。
チャット機能では、講義中に質問を送ったり意見を述べて共有することができます。リアルの研修で挙手して質問したり発言したりするよりも、チャットの方が気持ちのハードルが低く発言しやすい環境だと言えます。
また、ブレイクアウト機能を使えばディスカッションや意見交換をすることができます。講義と組み合わせれば、理解度を深めたり多角的な視点を持たせたりすることが可能です。
③研修の質を均質化できる
オンライン研修では同じ講義を配信できるため、講師による内容や品質の差がなくなります。
複数の場所で研修を行う場合など、どうしても講師によって講義の内容や品質、進度に違いが出てしまいます。しかしオンライン研修ならば遠距離でも同じ講義を受講可能なので、そういった問題が起こりません。
さらに録画の講義を配信する場合は、編集が可能です。冗長な部分をカットしたり、字幕や図などを挿入して理解度を高めるなどの工夫もできます。講義の均質化だけでなく、品質向上も可能です。
④理解度を高められる
オンライン研修は、受講者の理解度を高めることができます。とくに、いくつかの研修を組み合わせて人材育成を図る場合、それぞれの方法の特長を踏まえて育成計画を策定するのがおすすめです。
場所や時間の自由度が高いというオンライン研修のメリットを活かして、オンライン研修で基本的な内容を各自に理解させます。その後で集合研修を行い、ディスカッションやグループワークで理解を深めるといった方法が考えられます。
また詳しくはこの記事の最後にまとめますが、eラーニングとの組み合わせも相乗効果が期待できます。
オンライン研修のデメリット
しかしオンライン研修にはデメリットもあります。次にデメリットをまとめます。以下の点が挙げられます。
理解度が計りにくい
モチベーションが保ちにくい
交流しにくい
通信環境などに左右される
1つずつ見ていきましょう。
➀理解度が計りにくい
オンライン研修は、リアルの集合研修と比べると理解度が計りにくい面があります。
オンラインの研修では、講師は受講者の表情を見ながら講義をすることがほぼ不可能です。録画の配信の場合はもちろん、リアルタイムの配信であっても、講師からは受講者の反応や表情がわかりにくくなります。
経験が豊富な講師ほど、受講者の表情や態度から理解度を計りながら話をするものです。しかしオンラインの場合、理解度に応じて臨機応変に対応することが難しくなります。わかっているところは時間をかけない、わかっていないところは時間をかける/言い換える/繰り返すなどができずメリハリを付けにくくなります。
オンライン向けに講義の組み立てを工夫するなどして対応する必要があります。たとえば、まめに質問時間をはさむ、チャットで質問を受け付けるなどの工夫が考えられます。
②モチベーションが保ちにくい
オンライン研修では、モチベーションや集中力が続かなくなる場合があります。目の前で講師が話しているわけではなく、研修の形式によってはほかのスタッフが自分の周囲にいない場合もあります。他人の目がないので強制力も少なく、場合によっては集中し続けられなくなるかもしれません。
また、画面を見て話を聞くのは人によっては疲れやすいものです。子どもがいる自宅で視聴する場合など、周囲の環境によっては集中しにくくなることもあります。
そのほか録画を配信する場合は、強制されずに自分のタイミングで視聴することになります。面倒だったり忙しかったりすると、ついつい後回しにしてしまいがちです。
ライブ配信なら顔出しの受講を義務付ける、内容に関する課題を課すなどの工夫が必要です。
③交流しにくい
研修の内容ではありませんが、オンライン研修では受講者同士の交流がリアルに比べてやりにくいというデメリットもあります。
新入社員研修などでは、同期が集まって交流することで仲間意識や帰属意識が生まれます。中堅社員や管理職向けの研修でも、さまざまな部署から受講者が集まることで他部署との人脈作りの機会になります。
しかしオンライン研修の場合、そういった交流がしにくくなります。
そのほか、意識しない限り講師とのコミュニケーションも取りづらく一方的になりがちです。
ブレイクアウト機能で横のつながり作りの機会を用意する、集合研修と組み合わせるなどの方法で対処しましょう。
④通信環境などに左右される
オンライン研修はインターネットを経由するため、通信環境が運用上のボトルネックとなりがちです。受講者数が多い時など通信環境が不安定になると、配信に支障が出てしまいます。通信できないと研修の続行や実施自体が不可能になる場合もあります。
そのほかカメラ・マイクなどの機材トラブルも、リアルの研修より大きく影響します。機材自体の問題なのか、研修に使用しているシステムの設定や接続の問題なのか、問題の原因を特定するのもリアルより難しくなります。
本番と同じ環境で事前にリハーサルしたり、配信中のトラブルに備えて担当者を決めて待機させたりするなどの対策が必須です。
オンライン研修の形式
オンライン研修は、形式により大まかに3つに分けられます。具体的には以下の通りです。
・録画講義型
・リアルタイム講義型
・グループワーク型
実際の研修では単独の形式だけで行うケースもありますが、組み合わせて行う場合も多くあります。
なお、管理職研修など、コミュニケーションも学ぶ研修は対面研修がいいという意見があります。しかし今後、業務自体ますますオンライン化されることが予想される現在、むしろオンラインでコミュニケーションを学ぶ研修は先取りとなる可能性もあります。つまり上記3つの研修は、今後さらに広まっていく可能性があります。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
形式➀録画講義型
「録画講義型」は、録画した講義を配信するタイプのオンライン研修です。配信は一定期間にわたるのが一般的です。受講者は自分のタイミングで受講できるというメリットがあります。受講・視聴する場所は多岐にわたります。すき間時間を利用して、通退勤の移動中や自宅で受講する場合も多くあります。
研修を行う側から見た場合、事前に講義を録画するなど必要な準備が多いというデメリットがありますが、突発的なトラブルが少ないというメリットがあります。
なお、eラーニングで動画教材を使う場合は、事実上このタイプのオンライン研修と同じ形だと言えます。
形式②リアルタイム講義型
「リアルタイム講義型」は、ライブで講義を行い、それをオンラインでライブ配信するタイプのオンライン研修です。生のため、日時を決めて配信・受講者も同じ時間に受講する必要があります。受講場所は問いませんが、録画講義型よりも自社の会議室やオフィスなどのケースが多くなります。
事前準備としては、機材面や通信環境などオンラインならではの確認が必要です。対面型の研修と同様に、日程の調整や講師の依頼などもしなくてはなりません。その代わり会場の確保を行う必要がなく、例えば全国に支社のある大企業でも一斉に研修を行うことができます。
リアルタイムの配信なので、使用するシステムやツールによっては講師・受講生がやりとりしながら進行することが可能です。
形式③グループワーク型
「グループワーク型」は、講義を聴くのではなくグループでのディスカッションや共同作業をオンラインで行うタイプのオンライン研修です。単独で行うより、リアルタイム講義型と組み合わせる例が多くあります。対面の研修では長く行われてきた形式ですが、オンラインでも行われています。
講義は知識の習得が主な目的となりますが、グループワーク型は交流を通じて現在の課題を解決したり意識の統一を計ったりすることが目的となります。そのほか、協力し合うという問題解決の過程自体が目的の場合もあります。
リアルタイムの研修なので、時間をそろえて参加する必要があります。受講場所は不問ですが、自社で受ける割合が比較的高いと言えます。
形式別・オンライン研修のツール・システムの例
オンラインで講義を配信したり受講したりするためには、ツールやシステムが必要となります。ここでは研修の形式別に必要なツールをまとめます。
録画講義型
講義を録画した動画を配信する場合に必要なツール・システムを紹介します。具体的には、次の2つのどちらかを利用して配信します。
・eラーニングツール
・動画配信ツール
それぞれについて具体的に見ていきましょう。
ツール➀eラーニングツール
録画した動画の配信にはeラーニングツールが便利です。
ビジネスマナーやコンプライアンスなど汎用的な内容なら、動画教材が提供されているツール・サービスも多くあります。そういうサービスであれば教材作成の時間・コスト・労力もカットできます。
eラーニングのツール・システムは教材を配信する機能のほか、受講者や学習内容の管理機能も充実しています。受講者の管理もできるので、単発の研修ではなく定期的な研修を行う場合はとくにおすすめです。同じ人が定期的に研修を受ける場合も、新入社員研修など毎年受ける人が違う研修でも活用できます。
一度導入すれば、文字ベースの教材配信にも対応できるようになります。動画と文字教材を組み合わせて研修を行うこともできるようになるなど、研修の手法が広がります。
録画を配信する場合は、eラーニングのツールを使うとeラーニングと呼ばれ、そのほかのツールを使うとオンライン研修と呼ばれる傾向があります。
ツール②動画配信ツール
録画した動画を配信する専用のツールもあります。配信に特化しているタイプもあれば、ポータルサイトとして交流や情報の共有に活用できるタイプもあります。
動画配信というと、YouTubeやVimeoなどを連想する人も多いかもしれません。これらの動画共有ツール・アプリも配信自体は可能ですが、セキュリティー面でやや不安があります。研修のツールとして利用するのにはあまりおすすめできません。
ただしビジネス向けの専用ツールでも、セキュリティーへの配慮が必要です。たとえば外部から視聴できないようにしたり、視聴した人が再配布できないようにしなくてはなりません。具体的には、パスワードを設定する・端末にデータを残さない方法で配信する・不正キャプチャの防止ができるサービスを選ぶといった方法があります。
リアルタイム講義型
リアルタイムで講義を配信する場合に必要なツール・システムを紹介します。次の2種類が挙げられます。
・動画配信ツール
・Web会議ツール
どちらかを使ってリアルタイムの配信を行う例がほとんどです。いずれのツールも、リアルタイムのライブ配信の場合は配信時に突発的なトラブルに対応できるような体制作りが必要です。
それでは、それぞれについて具体的に見ていきましょう。
ツール➀動画配信ツール
動画配信ツールの中には、録画した動画の配信だけでなくライブ配信に対応しているツールもあります。録画・ライブを問わず映像による研修がメインで、文字ベースの教材を使うことがないのなら動画配信ツールを活用するのが最適でしょう。
動画の配信方法は、「ダウンロード配信」「ストリーミング配信」に大きく分けられます。リアルタイムの場合はストリーミング配信が使われます。ストリーミング配信は、動画のデータを分割して配信し、視聴者はダウンロードしながら同時に再生できる配信方法です。
さらにストリーミング配信は、録画を配信する「オンデマンド配信」とリアルタイムの「ライブ配信」に分かれます。リアルタイムのオンライン研修では、ストリーミング配信のライブ配信を利用するということになります。
なお、ライブ配信対応の配信ツールは、費用が高くなる傾向があります。導入する場合は充分に検討してからにしましょう。
ツール②Web会議ツール
すっかり一般的になった「Zoom」や「Google Meet」「Microsoft Teams」などWeb会議ツールでもオンライン研修が可能です。研修のスタイルに応じて、ウェビナーの機能かミーティングの機能かを選びます。参加者数などの条件にもよりますが、講義スタイルならウェビナー機能を使用します。
サービスによっては、プランごとに参加できる人数や時間に縛りがある場合があります。事前に確認しましょう。
多くのツールでは、画面共有で資料を見せながら解説したりファイルを共有したりすることが可能です。録画機能が付いていることも多いので、後日見返したり当日参加できなかった人が視聴したりすることも可能です。またチャット機能などがあり、講師と受講生がやり取りできるなど双方向のコミュニケーションも可能です。
ウェビナーに特化したツールも多数あります。自社の場合どんなツールが最適か、研修の内容に応じて検討しましょう。
グループワーク型
グループワーク型のオンライン研修で講義を配信する場合に必要なツール・システムを紹介します。
・Web会議ツール
・情報共有ツール
1つずつ見ていきます。
ツール➀Web会議ツール
グループワーク型では、Web会議ツールを利用するのが一般的です。しかし講義の配信とは異なり、「ブレイクアウトセッション」や「ブレークアウトルーム」など、少人数のグループに分ける機能を使用します。とくに講義と組み合わせる場合はグループ分けの機能が必須です。
もとから参加者が少人数なら、会議のようにそのまま使用する場合もあるでしょう。グループワークだけであれば、グループごとにミーティングを行うのでも問題ありません。
Web会議ツールには画面共有・ホワイトボードなどの機能も装備されており、ディスカッションや成果物をまとめるために活用することが可能です。
ツール②情報共有ツール
意見をまとめていく場合など、オンラインで資料作成できるツールがあると便利です。Web会議ツールに実装されているものもありますが、専用のツールの方が使い勝手がよかったり機能が多かったりする場合があります。
スライド・メモ・文書などいろいろな資料向けツールがあります。参加者が共同編集可能で、グループワークを行いながらその場で編集・作成することができます。問題解決やディスカッション、成果物作成に効果的なツールを選びましょう。
そのほか、ディスカッション向けにホワイトボードの機能やツールがあると便利です。Web会議ツールに装備されている場合もありますが、専用のツールもあります。
オンライン研修導入までの流れ
次に、オンライン研修導入までの流れについてまとめます。以下の手順で行います。
研修内容と形式の検討
情報収集
使用するシステム・機材の選定
順に見ていきましょう。
➀研修内容と形式の検討
まず、どのような研修内容にするか明確にします。多くの場合は「研修の実施ありき」ではなく、ニーズが先にあってその対処として研修を行うというパターンでしょう。その場合も、より具体的に内容を検討します。
たとえば「新入社員が入ってくるから研修しなくては」というニーズを、「新入社員に基本的なビジネスマナーと企業理念を理解させる」などのように具体化します。
内容が決まったら、どのような形式で行うか考えます。上記の例であれば、講義のみなのかグループディスカッションも行うのかなどです。ここで場合によっては、オンライン研修にするのか集合研修にするのかといった判断が必要になることもあります。
②情報収集
内容と形式が決まったら、予定している形の研修を行うのにどのようなシステムや機材が必要か情報を集めます。
手持ちのシステムで実施可能な場合もあれば、新しいシステムや機材を用意しなければならない場合もあります。上記の例なら、グループディスカッションで行う予定だった内容のために新しい機材が必要になるなどです。
予算などの都合で、形式を見直さなくてはならなくなる可能性もあります。たとえば、新しい機材の予算がないため、グループディスカッションはオンラインでなく後日集合研修を行うことにするなどです。
③使用するシステム・機材の選定
情報を集めて必要なシステムや機材がわかったら、何を使用するかをピックアップして決定します。導入済みのWeb会議ツールを使いつつ、カメラだけ用意するなどです。
手持ちで活用するものと新たに準備すべきものを区別して把握しましょう。また誰が何を手配するのかを分担しておきます。購入したり借りたりするものは間に合うように手配しておきます。さらに備品は実際に所在を確かめて使用時に使えるよう確認・確保しましょう。「あそこに保管してあるはずだから大丈夫」などと曖昧にしてはいけません。
オンライン研修のやり方・手順
次に、基本的な準備ができて実際にオンライン研修を行う段階の手順についてまとめます。以下の順で行います。
教材を準備
配信のリハーサル
受講生への告知・起動確認
配信・実施
後日アンケートなど
それぞれについて見ていきましょう。
➀教材を準備
まず教材や資料を使用するなら準備します。既製のものを使うのか、すでに作成してあったものを使うのか、新たに作るのかなどいろいろなパターンがあります。講師と連携しながら必要に応じて進めましょう。
研修前に目を通しておく必要があるのなら、事前に教材を配布しなくてはなりません。配布の手はずも整えます。PDFなどの形式でデータを配信しておくのが一般的でしょう。
②配信のリハーサル
本番の前に、リハーサルをしておきます。問題が判明した際に対応が間に合うよう、スケジュールに余裕を持って行います。
リハーサルは当日と同じ機材を使い、一通り同じ流れで行いましょう。機材やシステムの動作に問題がないか確認します。トラブルが起こった場合は、機材やシステムそのものに問題があるケースと、設定が正しくないケースがあります。問題が何なのか特定して解決しておきましょう。
③受講生への告知・起動確認
リハーサルと前後することもありますが、受講生への告知も行います。日時・参加方法・事前に行うべき準備・当日のルールの確認のほか、教材や資料がある場合は配信しておきます。研修後に課題やテストを課すならそれも告知しましょう。事前の意識づけに役立てることができます。
さらに当日の告知に加えて、受講生にも機材の動作を確認しておくよう連絡します。当日の開始時まで確認しない人がいる可能性があるので、起動確認したら連絡させるなどしておくと安心です。
④配信・実施
予定の日時になったら配信します。当日も本番前に軽くリハーサルや流れの確認、機材の動作確認を行いましょう。とくにブレイクアウト機能や画面共有は実際に操作してみてやり方を確認しておきます。
配信中も、トラブルが起こったときに対処できるよう担当者は待機しましょう。講師のほか、進行を管理する担当者を決めておくとスムーズに進行させることができます。
⑤後日アンケートなど
研修が終わったら、受講者にアンケートを取ったりして課題点がないか確認します。内容に関する感想、進行に関する感想に分けて質問を設定しましょう。テストや課題があった場合は、成績からも理解度を計ることができ、課題の発見につなげることができます。
運用面では担当者の反省や改善方法も記録しておきます。集めた意見や感想はPDCAを行うために活用します。
オンライン研修実施のポイント
次に、オンライン研修を実施する際に成功させるためのポイントについてまとめます。以下の点が挙げられます。
ITスキル・ネットリテラシーの向上・教育
受講環境の整備
理解度を確認できる工夫
交流できる時間・場所作り
無理にすべてをオンライン化しない
1つずつ見ていきましょう。
➀ITスキル・ネットリテラシーの向上・教育
実施側・受講者いずれも、最低限のITスキルを身に付ける教育を行っておきます。両者に共通して必要なのは、デバイスの操作やWeb会議ツールをスムーズに使用できるスキルです。
さらに実施側は、通信環境やシステム操作の理解が挙げられます。トラブルが発生した時に対応可能なレベルが求められます。また画面共有やブレイクアウト機能、全体あるいは個別の音声ON/OFFなどの操作を行う場合があります。本番の前に操作方法を確認しておきましょう。
受講者側については、必要なアプリケーションを事前にインストールしておくことはもちろん、起動するか・操作できるかも確認させます。自分のカメラの映像や音声をON/OFFする場面がよくあるので、事前の動作確認・操作確認をしておく必要があります。「マニュアル通りにやれば使えるはず」と考える受講者もいますが、操作内容によってはコンピューター自体の設定のせいでマニュアルに従っても操作できないケースもあります。
またログインのパスワードなど、外部に漏らさないセキュリティ意識の教育も必要です。
②受講環境の整備
騒音や人の出入りなどがないよう、物理的な受講環境を整えることもポイントです。オンライン研修はどこでも視聴・受講できるため、視聴する環境が整っていないと学習効果が大きく下がってしまうからです。
環境は研修への集中度に影響します。自社で行う場合は、電話や来客がある事務所ではなく人の出入りがない会議室で行うなどの配慮が必要です。自宅で受講する場合は、周囲の環境を整えるよう事前に伝達しておきます。
また研修中は携帯電話の電源を切る、メールの確認はしないなどのルール作りと周知徹底もしておきましょう。
さらにインターネット環境も重要です。通信状態が悪いところでの受講は大きなストレスを感じます。それを避けるための対処や伝達は必ず行いましょう。
③理解度を確認できる工夫
研修の理解度を確認できる工夫も研修成功のポイントとなります。
質問タイムをこまめにはさむ、チャットで質問を受け付けるなどといったことは、講義中にできる工夫です。研修の後なら、レポートやアンケート、テストを行います。それにより研修の内容を振り返ることができ、何を学んだか、研修後に何がわかったかを自覚することができます。
研修を実施する側も受講者の理解度を確認することで、受講者へのフォローアップや研修の企画や運用のPDCAに役立てることができます。
さらに体制面では、講師のほかに受講者の確認担当を置いて受講中のようすをチェックする方法もあります。受講者の映像を確認して全体の集中度を確認したりチャットの質問を確認したりして、進行や講義にフィードバックします。
④交流できる時間・場所作り
研修中や研修後に、受講者同士で交流できる時間や場所を作ることも有効です。
研修中ならブレイクアウト機能でグループディスカッションを行う方法があります。研修後ならLINEなどのスマートフォン向けコミュニケーションアプリや、Chatworkのようなコンピューター向けコミュニケーションツール、社内SNSが活用できます。そのほか集合研修を後日行って同じグループで作業するなどの方法もあります。
⑤無理にすべてをオンライン化しない
やや逆説的になりますが、オンライン研修にフィットしないと判断した内容は無理にオンライン化しないことも1つの考え方です。
ほかの研修方法と組み合わせて、それぞれの特長を活かした方が効果的な場合があります。eラーニングやリアルの集合研修、OJTなどほかの研修方法も組み合わせる「ブレンディッドラーニング」という手法があります。ブレンディッドラーニングはそれぞれのよい点を活かしお互い補い合う形で研修を行うことができます。
ただし前述したように、今後オンライン化が進んでいくことが想定されるため、あらゆることを今からオンライン化しておくのも1つの考え方です。どちらを選ぶにせよ、よく検討しましょう。
eラーニング研修との組み合わせも効果的
オンライン研修にeラーニング研修を組み合わせても効果的です。オンライン研修や対面型の研修は、コミュニケーションを比較的取りやすいという特徴があります。またeラーニングは知識面の学習に強みのある方法です。両者を組み合わせることでそれぞれのメリットを利用できます。
組み合わせとしては、次の例が考えられます。
・事前の学習にeラーニングを活用
・事後の復習にeラーニングを活用
それぞれのパターンの例についてまとめます。
組み合わせ例➀事前の学習にeラーニングを活用
eラーニングを事前の学習に役立てるやり方です。この方法では、効率的な研修の設計が可能となります。
グループワークに必要な知識や課題などを、事前にeラーニングで配信します。受講者は配信をもとに学習し、知識を身に付けておきます。そしてeラーニングで予習した状態でグループワークを行います。
学んでおいた知識を使ってディスカッションや共同作業を行うので、知識を活用することを実践的に経験できます。さらに、ディスカッションや実践を通じて知識が深まる効果も期待できます。
グループワークだけでなく、講義型の研修にも取り入れることができます。講義内容の背景となる知識をeラーニングで学習してから、講義形式の研修を受けるという方法です。
組み合わせ例②事後の復習にeラーニングを活用
講義を受けてからeラーニングを復習として活用する方法もあります。知識を定着させやすい研修の設計が可能です。
オンライン研修を受けたあと、研修の内容をまとめた教材をeラーニングで復習します。学んだ知識を整理するのに役立ちます。とくに実践的な内容の講義やグループディスカッションの後に知識を整理・理解するのに効果的です。
オンライン研修ならイー・コミュニケーションズへご相談を
オンライン研修は利用が広がりつつありますが、eラーニングとの組み合わせはとくに高い効果が見込まれる方法です。
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研修を実施する側も受講する側も、誰でも簡単に直感で操作することができます。運用のサポート代行にも対応しています。
ご興味おありの場合・ご不明の点がおありの場合はぜひお気軽にお問い合わせください。ページ右上の「お問い合わせ」よりご連絡いただけます。