eラーニングシステムとは?企業に導入する流れやポイントを解説
eラーニングを社員教育や研修のために導入する企業は増えています。そのために必要なのがeラーニングシステム。しかし、具体的にどういったものかわからない方もいらっしゃるでしょう。
本記事ではeラーニングシステムの基本的な構成や導入のメリット、導入方法について詳しく解説いたします。
目次[非表示]
- 1.eラーニングシステムとは「学習管理+学習教材」
- 1.1.学習管理システム(LMS)
- 1.2.学習教材
- 2.eラーニングシステムを企業で活用する方法とメリット
- 2.1.集合研修と組み合わせる
- 2.2.内定者教育に活用する
- 2.3.産休・育休から復帰する方の支援に活用する
- 2.4.経営方針の教育
- 3.eラーニングシステムを企業に導入する流れ
- 3.1.1.利用目的を明確にする
- 3.2.2.教育の対象者を決定する
- 3.3.3.教材の導入方法を決定する
- 3.4.4.システムの利用方法を決定する
- 3.5.5.利用開始時期を決定する
- 3.6.6.管理・運用体制を整える
- 3.7.7.導入するシステムを選定する
- 3.8.8.運用開始
- 4.まとめ
eラーニングシステムとは「学習管理+学習教材」
eラーニングシステムは学習管理と学習教材が組み合わさってできています。それぞれどういった内容なのか具体的に確認していきましょう。
学習管理システム(LMS)
学習管理システム(LMS)は、インターネット配信を行うためのプラットフォームです。コンテンツの閲覧やテストの実施ができる学習環境を提供しています。
また、受講者、履修、成績、教材のすべてを管理するための管理機能、学習状況、レポート管理、質問管理などを行うための指導機能が搭載されています。
学習管理システムを使用することで、学習進捗や結果、教材を手作業で管理する必要がなくなるのがポイントです。大量の情報を一元管理できるため、効率良く学習を進めていくことが可能です。
学習教材
eラーニングには学習に欠かせない教材や、教材作成機能が標準搭載されている製品が数多くあります。教材のバリエーションは非常に豊かであり、主流なのは動画や映像を用いたものです。
既存の教材を活用すれば、自社で作成する手間を省くことができ、さらに高い学習効果を期待できるのがポイントです。
システムによって、テスト問題形式のドリル型教材やPowerPointを使った資料、リアルタイムで行うLIVE授業などのさまざまなコンテンツがあります。
eラーニングシステムを企業で活用する方法とメリット
eラーニングシステムを企業で効果的に活用するには、以下のような方法があります。
集合研修と組み合わせる
グループワークなど実践的な内容は集合研修で行い、事前の予習や事後の復習でeラーニングを活用する方法です。
対面での研修とeラーニングを組み合わせる手法はブレンディッドラーニングと呼ばれ、それぞれのメリットを活かすことができるため、高い学習効果が期待できます。
集合研修とeラーニングのメリットについては、以下の記事をご覧ください。
eラーニング導入のメリットとは?集合研修との比較も解説
とくに新入社員研修などの場合、集合研修のみでは内容をあまり理解できない受講者も出てきます。eラーニングを活用すると、基礎的な知識を理解させた上で、実践的な研修をしてもらうことができるので、より理解度を高めることが可能です。
研修後はeラーニングを活用したテストをすることで、各受講者の理解度をチェックできるのもポイントです。点数に応じて再履修を促せば、受講者全員に確実に知識を身に付けてもらえるでしょう。
内定者教育に活用する
eラーニングはいつでもどこでも受講できることから、内定者教育にも活用できます。受講者が自分のペースで学習できるため、学業やプライベートとの両立がしやすいことが大きなメリットです。
また、集団研修と比べて実施までの手間がかかりません。eラーニングシステムを活用すれば、会場を押さえたり、研修用の資料を印刷したり、講師を招いたりといった準備が不要になります。
教育にかかるコストも抑えられるため、高い費用対効果を期待できます。これまで大規模な内定者研修などを行ってきた企業ほどコスト削減のメリットを感じやすいでしょう。
産休・育休から復帰する方の支援に活用する
産休や育休から復帰する方へのフォローが必要だと感じているものの、なかなか実施できていない企業は多いでしょう。数名の社員のために研修を実施するのは難しいのが現状です。
しかし、eラーニングであれば、PCやスマートフォンさえあればどこでも効率良く学習を進めることができます。産休や育休から復帰する方が、各自のペースで知識習得に取り組むことができるのは大きなメリットです。復帰を予定している社員が職場ですぐに戦力となるためにも、eラーニングは欠かせないといえるでしょう。
経営方針の教育
会社という組織で働く上で重要なのが、経営方針の理解です。eラーニングシステムによっては、会社の代表が経営方針について語っている動画など、自社で作成した教材を登録することも可能です。
代表が経営方針について語っているのを耳にする機会はそれほど多くありません。eラーニングを通して、いつでも確認できるようになるのは大きなメリットでしょう。
eラーニングシステムを企業に導入する流れ
初めてeラーニングシステムを導入する際は、次の8ステップで進めていきましょう。
1.利用目的を明確にする
まず、eラーニングの利用目的を明確にします。導入する理由や、どのように活用していくか、どうすれば目的が達成されたといえるのかをはっきりさせておくことで、教育施策全体の効果的な仕組みづくりをすることにつながります。導入後に仕組みが形骸化することを防ぐためにも重要なポイントです。
自社の経営目標や課題を起点にして考えると、具体的な利用目的が見えてきます。
2.教育の対象者を決定する
eラーニングで教育を行う対象者を決めましょう。事前に対象者を確定しておくことで、LMSでユーザー情報を登録する際にスムーズに進めることができます。
教育施策は、全社員を対象にする場合もあれば、特定の部門や階層のみを対象とする場合もあります。全社員の場合も、正社員のみに実施するのか、パートやアルバイトなどにも実施するのかを決めておくと良いでしょう。
3.教材の導入方法を決定する
どのようにして教材を導入するのかを決めましょう。具体的には以下の方法が考えられます。
・ベンダーが制作、販売している教材(ライセンス)を購入する
・既製品をカスタマイズする
・教材をオーダーメイドする
・自社で制作する
近年は、eラーニングシステムに搭載されている教材もバリエーションが豊富になってきています。利用目的に応じた適切なコンテンツがあるのであれば、既存の教材でも問題ありません。
一方で、企業理念などの専門的な知識など、特殊なコンテンツを取り扱う場合には自社で制作する方法もあります。eラーニングシステムによっては、自社コンテンツを搭載することも可能です。eラーニングの作成方法については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひご確認ください。
eラーニングの作成方法まとめ。学習効果を高めるポイントもご紹介
4.システムの利用方法を決定する
eラーニングシステムにはクラウド型とオンプレミス型があります。
クラウド型であればネット環境があればどこでもeラーニングの実施が可能ですので、教育施策の自由度を高めることができます。
一方、オンプレミス型は社内のイントラネットでのみ利用が可能です。
オンプレミス型は運用面でのデメリットが大きいため、これから導入するのであれば、利便性の高いクラウド型がおすすめです。
クラウドサービスを導入する際は、情報セキュリティ部門に相談しながら選定しましょう。AWSやAzureなどによってセキュリティレベルが異なるため、安全性が確保できるかなどの観点からも判断する必要があります。
5.利用開始時期を決定する
eラーニングの利用開始時期を決めましょう。システムのトライアル利用から契約、そしてマニュアル作成・社内告知などの期間を考慮して、いつから教育施策を開始するかを決定します。
なお、クラウド型であれば契約から運用まで約1〜3ヶ月、オンプレミス型だとそれ以上の期間が必要とされています。
6.管理・運用体制を整える
eラーニングシステムの活用を形骸化させないためには、管理・運用のための専門チームやプロジェクトを立てることも重要です。教育施策の効果測定なども含めて、社内での体制を整えておきましょう。
7.導入するシステムを選定する
これまでの要件をもとに、導入するシステムを決めていきましょう。eラーニングを教育施策に活かすには、次のような判断基準をもとに選定することがおすすめです。
・必要な機能を有しているか
・使いやすい仕様になっているか
・サポート体制が整っているか
・費用面が予算に合っているか
eラーニングシステムはトライアル利用が可能なものが多くあります。実際に複数の提供会社と打ち合わせを行い、トライアル利用した上で最終決定をすると良いでしょう。
導入支援が充実している、自社と同じ業界での支援実績がある提供会社に依頼することがおすすめです。
また、運用サポートも実施している提供会社であれば、教育施策の効果を高めやすいでしょう。
8.運用開始
運用開始後は学習の進捗や受講データをもとに、より社内教育の効果を高めるための施策を検討していく必要があります。
不明な点やトラブルが発生したら、提供会社の担当者に確認を行いましょう。
まとめ
eラーニングシステムはあらゆる社内教育に活用できます。システムによって搭載されているコンテンツや機能、仕様は異なるため、利用目的に合わせて最適なものを選定しましょう。
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